海外旅行において空港は必ず訪れる場所ですが、単に入国・出国審査を受けたり、余った外貨を使って免税店で買い物をしたりする場所だと思っていませんか? 特に帰国便は、慣れない土地なので早めに空港に着いてしまい、暇をもてあましながらフライトまで待つのが苦痛という人も少なくないはずです。今回はこんなふうに旅の中で過ごす時間が意外と長くなりがちな空港を、観光地の1つとして楽しんでしまう方法を紹介しましょう。

インターネットから無料ツアーまで! アジアのハブ空港の充実度はすごい

マイコミジャーナルでも「2007年世界空港ランキング、トップは韓国・仁川空港」という記事を過去に掲載していました。このランキングの1~5位には、ヨーロッパやアメリカなどを抑えて、アジアのハブ空港がランキングしているのですが、これはその通りだと思えるほど、最近のアジアにおけるハブ空港の充実ぶりには目を見張るものがあります。私は1~5位までの空港すべてに足を運んだことがありますが、どの空港も設備やオペレーションはすばらしいものでした。その充実ぶりとは、どのような内容なのでしょうか。

その1:インターネット設備

旅に出てもインターネットとはなかなか縁が切れません。これから訪れる国の情報を収集したり、仕事のメールをチェックしたり……。これらが空港でできたら便利ですよね。例えば、シンガポール・チャンギ空港には300台超のインターネット端末が用意されており、誰でも自由に使えます。もし、自分のノートPCを持ってきているのなら、イーサネット/LANポイントを、空港全域ではワイヤレスインターネットを使えます。日本のニュースをちょっと見たり、これから訪れる場所の天気を調べたり、インターネットは旅先でもやっぱり便利。アジアのハブ空港では、インターネットが空港で自由に使えて当たり前! なのです。

その2:トランジット・ホテル

空港によっては、入国審査(イミグレーション)を通る前に、空港内にいながら泊まることのできるトランジット・ホテルがあります。例えば深夜に到着するフライトだと、現地のホテルへのレイトチェックインを知らせたり、ホテルまでの交通機関を探したりするのが大変です。トランジット・ホテルに泊まれば、朝起きてから入国できますし、翌朝のフライトにそのまま乗り継ぐこともできるので、旅のプランニングにも役立つはずです。

その3:ラウンジ/リラクゼーション

航空会社の上級会員などであれば専用ラウンジが使えますが、それ以外の場合は有料のラウンジ(無料の場合もアリ)を使うことになります。ラウンジには、シャワーを浴びられる施設や、仮眠を取ったりできるスペースが用意されており、価格もそれほど高くありません。また、ソフトドリンクや軽食が用意されるサービスなども提供されているので、カフェ気分で使用できます。そのほか空港によっては、マッサージやアロマセラピー、SPAなどが用意されていることもあります。ローカルのお店よりは少々高くなるかもしれませんが、フライト前に、旅の最後の贅沢として奮発してみるのはいかがでしょう?

その4:トランジット・ツアー

乗り継ぎ便を空港で待つこともあると思いますが、その時間に特化したツアーをアレンジしている空港もあります。空港やツアーを催行する旅行代理店などによって異なりますが無料と有料の場合があり、短い時間を使ったコンパクトなものから、乗り継ぎ便が次の日の場合のオーバーステイまで、さまざまなプランから選ぶことができるようになっています。なお、トランジット・ツアーは入国審査(イミグレーション)後に参加できるものと、入国審査なしで参加できるもの、乗り継ぎまでの時間が5時間以上ある場合のみなど、トランジット・ツアーならではのルールが決められていますので、詳しくは各空港のウェブサイト等で確認してください。観光ツアーはあまり好きではない……という人も、トランジットの待ち時間に無料で行われるなら、参加してみたいと思いませんか?

シンガポール・チャンギ空港は最高の"観光地"!

上で紹介したのは、一般的なアジアにおけるハブ空港の充実ぶりです。私個人としては、"観光地"として群を抜いていると思う空港は、シンガポール・チャンギ空港をおいてほかにないと思います。インターネット設備の充実度は高く、トランジット・ホテルもかなり安価ですし(シングルで5,000円以下です)、トランジット・ツアーが無料だというのも高ポイント! それに加えて、ターミナルによっては、デッキのある屋外プールや、花が咲き乱れる庭園、鯉のいる池、映画が楽しめる映画館などもあり、1日中空港にいても飽きません。2008 年の1月に新しくターミナル3ができましたが、その後シンガポールに行っていないので、次に訪れる時が今から楽しみです。アジアのハブ空港の詳細については、旅行記の中でも紹介していく予定です。そちらもお楽しみに。

アジアのハブ空港の充実ぶりを見ていると、残念ながら成田空港(一応、ハブ空港なのですが)のひ弱さは、比較の対象にもならないと思ってしまいます。もっとがんばれ! とエールを送り、今回は終わりです。次回は空港から外に出て、次の目的地に移動するための交通機関について考えています。

それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「空港は"観光地"。思いっきり遊び倒せ! 」