前回は、自分の希望するスケジュールの航空券を探す方法を紹介しました。残念ながら、自分が希望するスケジュールでは格安航空券に往路の空席がなく、キャンセル待ちもできなかったので、航空券の購入にまでは至りませんでした。そこで今回はそれを取り戻すべく、同じスケジュールで正規割引航空券(PEX)の購入にチャレンジしてみます。

人気のフライトも取りやすい! 正規割引航空券

前回は特に触れなかったのですが、私が希望している往路のフライト「シンガポール航空SQ11便」について少しお話したいと思います。成田空港のフライト情報で見るとSQ11便は成田→シンガポールの直行便なのですが、元を正すとこれは「経由便」です。どういうことかと言うと、SQ11便の航路はロサンゼルス(アメリカ)→シンガポールで、経由地は成田になります。つまり、成田でロサンゼルスからの乗客がすべて入れ替わるわけではないので、成田からの空席数が日によって変動しやすい便であると言えます。また、日本から当日の午前中にシンガポールに着くフライトは存在しないため、シンガポール周辺で商談などがある日本のビジネスマンが商談前日に利用するケースも多いと聞きます。そして私のようなウィークエンドトラベラーにとっても、SQ11便は午前便より航空券の価格が安く、19時過ぎに成田空港を発つ格好のフライトですから、金曜日は特に他の航空会社よりも満席になりやすいようです。

そんな隠れた人気(?)のあるフライトも、比較的購入しやすいのが正規割引航空券です。まずは、希望しているスケジュールのフライトをシンガポール航空のウェブサイトで検索してみました。もっとも安い価格は、往路復路ともに午後(夜)便を使うもので、燃油サーチャージと諸税込みで6万2,150円。ありがたいことに、空席もまだあります。格安航空券の最安値は5万9,800円だったので、それよりも2,350円高い……。数日のあいだ迷ったのですが、格安航空券でのキャンセル待ちができないのと、空席がいつなくなるかわからないので購入することにしました。そして再びシンガポール航空のウェブサイトで空席を照会したところ、なんと価格が1,000円以上下がっており、6万1,330円に! この理由は、シンガポール航空のウェブサイトで購入する航空券は、その他諸税が米ドルから日本円に通貨換算された金額だからです。ちょうどそのころ米1ドル=96円台に円高が進んでいたため、価格も下がったようです。

結果として、格安航空券の最安値にはやや及ばないものの、きちんと希望したスケジュールの航空券をそれなりの価格でゲットできました。なお、JALやANAは旅行代理店を通してではなく、それぞれのウェブサイトから購入できる正規割引航空券にもっとも安い価格が設定されています。このように、正規割引航空券は各航空会社のウェブサイトから購入するのが一番お得となるケースが多いことを知っておきましょう。

航空券はeチケットによる発券が基本

正規割引航空券を購入する際のポイントとして、キャンセル待ちが一切できないこと、そして予約から決済(発券)までの猶予期間が非常に短いことがあります。詳しくは、各航空会社のウェブサイトにある予約条件を参照してほしいのですが、基本的に予約と同時(または数日以内)にクレジットカードなどで決済を行い、航空券を発券しなくてはなりません。旅行代理店を通した場合は、銀行振り込みなどの支払い方法を選択できることがありますが、その場合も航空会社の予約条件に従うことになります。また、購入時のメリットには、空席と同時にフライトスケジュールを実際に確認しながら購入できること、航空会社によっては予約時に座席も指定できることなどがあります。

航空券は格安・正規割引を問わず、現在ほとんどが"eチケット"で発券されます。これは、航空券の発券に必要なデータを航空会社のコンピュータに記録しておき、紙の航空券を発行しないものです。航空券の購入者には発券に必要なデータの控えと、データに紐付けられた予約番号などが送付されるので、空港に行き、航空会社のチェックインカウンターではこの予約番号とパスポートを使って搭乗券を受け取れます。支払い時に使ったクレジットカード番号とeチケットが紐付けられることもありますので、その場合は空港でのチェックインの際に、該当するクレジットカードとパスポートを提示するだけでOKです。これまで航空券を紛失した場合、特に格安航空券の再発行は困難だったのですが、eチケットによって紛失の危険はなくなります。加えて、空港で2時間前までに団代専用カウンターで航空券を受け取らなくてはならないといった格安航空券ならではの手間も省けるようになりつつあります。

マイルを貯めてタダで海外に行こう!

航空券を予約・購入する際に、忘れてはいけないのがマイレージサービスです。マイレージサービス(FFP、Frequent Flyer Program)とは、各航空会社がマイレージサービスの会員に対して搭乗距離に比例したポイント(マイル)を付加し、そのマイルに応じた無料航空券や割引航空券、座席のグレードアップなどを提供するものです。最近は、クレジットカードのポイントなどをマイルに交換して貯められるサービス(飛行機を使わずにマイルを貯める人なので「陸マイラー」とも呼ばれています)も増えており、マイルを貯めて無料航空券をゲットできるワザなどが話題になっています。もし、会員カードをまだ持っていない人は、頻繁に利用する航空会社(もしくはアライアンス)のマイレージサービス会員になっておきましょう。

マイルの貯め方については、詳しく解説された書籍やサイトが多数ありますのでそちらをご参照ください。私は根が面倒くさがりなので、マイルを貯めてはいるものの、本格的な方の足もとにも及びません。そんな私がマイルを語るのはおこがましいのですが、これだけは押さえておきたい基本的なワザなどを機会があれば今後の連載で紹介します。

さて数回にわたり、航空券の購入方法をご説明してきましたが、無事、自分が希望するスケジュールの航空券を"お得"に購入できたでしょうか? 今回購入したシンガポール航空のSQ11便は、私が週末海外旅行でもっとも使うフライトの1つです。この便なしではサラリーマンの海外週末旅行を語れない! と言っても過言ではないぐらい頼もしい味方だと思っています。次回からは、さらに旅を充実するためのヒントをご紹介します。まずは、旅先で宿なしっ子になった苦い経験から、事前にホテルを予約する重要性とその方法に迫ります。

それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「正規割引航空券は航空会社のウェブサイトで買うのがお得! 」