台湾・韓国と近場の週末海外旅行を紹介してきましたが、次の目的地はタイです。タイの首都バンコクと言えば、バックパッカーたちが貧乏旅行をする際にまず目指す場所というのが私の中のバンコク観だったのですが、これはバンコクにあるバックパッカーのメッカ「カオサン通り」に限定した勝手なイメージ(笑)。これまでタイのほかの都市を訪れたことはありますが、実際にバンコクを訪れたことはありませんでした。また、昨年の市民デモによりスワンナプーム国際空港が閉鎖された事件や今年の元日に起きたクラブでの火災などあまり良くないことが記憶に新しいのですが、バンコクって実際はどんな感じなのだろうと興味が沸いてきました。また、日本では寒い冬日が続いたので週末ぐらいは暖かい国で過ごしたいと、早速実行に移すことにしました。
3つのパターンからフライトスケジュールを選ぶ
さて、まずは航空券探しからスタートです。私が普段使っている成田国際空港からバンコクへの直行便はシンガポールと同じように大きく分けて午前中と夕方17時以降の便があります。そして、フライトスケジュールを選択する際のパターンは次の3つが考えられます。
【パターン1】
2泊3日で行く場合その1(往路は午前便、復路は深夜便) このパターンを使う場合は、成田国際空港から出発する場合、シンガポール航空、タイ国際航空、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の便があり、シンガポール航空とタイ国際航空の便は夕方16時前に到着するので、明るいうちに到着したい方にぴったりです。復路も午前便としてももちろんよいのですが、どれも朝8時台の出発なので、2泊3日の旅行では滞在可能時間が約1.5日とかなり短くなってしまいます。復路に深夜便(夜11時以降の便)を使ってそのまま出社するのは辛いものですが、復路に深夜便を使えば、約2日以上滞在できます。ここは割り切って、集中力を要する仕事が待っていなければ滞在時間を取るというのも選択の1つです。
【パターン2】
2泊3日+0.5日で行く場合(往路は夕方便、復路は深夜便) これは、連載第2回で紹介したパターンです。成田国際空港からのバンコク行きの夕方便は、タイ国際航空、ANA、JAL、ノースウエスト航空、ユナイテッド航空があります。シンガポールへのフライトと同じく、ノースウエスト航空とユナイテッド航空は復路が早朝出発となるので週末海外旅行には不向き。それ以外の航空会社は深夜便があるので、これらを選べば滞在時間を最大限延ばせます。ただしこのパターンの往路は、現地到着がかなり遅い時間になります(便によっては翌日を回ります)。自分でホテルへのレイトチェックインを知らせることができる、ホテルまでの足をタクシーや送迎車などで確保できるという方向けです。
【パターン3】
2泊3日で行く場合その2(往路復路共に深夜便) 最後にイレギュラーなものとして紹介しますが、目的地がタイに限って往路復路共にタイ国際航空の深夜便を使うことができます。残念ながら現在、深夜便は一部運休中なのですが(3月28日まで)、関西国際空港と中部国際空港からバンコクへは、深夜0時以降に出発する便があるのです。関西圏の方や中部圏の方は仕事帰りにそのまま旅行に出かけられますし、首都圏に住んでいる方も、羽田発関空行の最終フライト(JALは21:00、スターフライヤーとANAは21:45)に乗れば、仕事帰りでも十分に間に合う計算です。私は実際にこの便を使うために羽田→関空→バンコク経由でチェンマイへ行ったことがあるのですが、バンコクには早朝に到着するので、飛行機の中で寝ておけば翌朝から現地で行動できます。復路も深夜便(関西国際空港のみ)というかなりきついスケジュールにすれば2泊3日の旅程でもほぼ3日まるまる滞在できることになる、まさに週末海外旅行向けのフライトなのです。4月以降にタイを旅行される方は、体力と相談しながら(笑)、この便も検討してみてください。
ちなみに今回私は、マイレージサービスと到着時間との兼ね合いで航空会社はシンガポール航空(往路SQ631便、復路SQ632便)を選び、パターン1で旅行をすることにしました。通常だったらパターン2を選ぶのですが、初バンコクなので夕方前に着かないと不安というのが本心。これまで散々えらそうに夕方便を薦めていましたが、実は私、意外と小心者でして……。シンガポールのように比較的安全とわかっている場所や2度目であれば大丈夫ですが、一応、独身女性の一人旅なので、まだ親を泣かせるような出来事を起こすわけにはいかないのです(笑)。
バンコク初心者が考える旅の目的
さて、フライトも無事決まったので旅の目的を考えていきましょう。何しろバンコクは初めてなので、あそこもここも観光したい、おなかいっぱいタイ料理を食べたい、あれもこれも買いたい……と、思いつく目的は尽きません。しかし、許された時間はたったの2泊3日。とりあえず、目的をいくつか考えてみました。
- カオサン通りを歩く(バックパッカーのメッカを巡礼)
- アユタヤを訪れる(世界遺産はぜひ見ておきたい)
- 水上マーケットでお買い物(小船にゆられるのが楽しそう)
- 有名な寺院(ワット・ポー、ワット・プラケオ、ワット・アルン)を回る
- 高級ホテルのSPAでセッションを受けたい(ザ・オリエンタルだったら最高!)
書き出してみたところ、とてもじゃないけど2泊3日でこれをすべて実行するのは無理そうです。そこで今回は泣く泣く1、2、4に目的を絞ることにしました。そのチョイスの理由は次のとおりです。
学生時代に私がバックパッカーだった頃から1のカオサン通りのことは聞いていたのですが、若者にありがちなミーハー心からアジアに目を向けることなく欧米ばかりを貧乏旅行しており、現役時代に訪れる機会はついにありませんでした。いつのまにかサラリーマンになってしまったけれど、昔のバックパッカーだった自分を思い出しながら、カオサン通りを歩きたいと思います。今はかなり観光地化されているそうなので、単なる観光スポットでしかないのかもしれませんが……。
2のアユタヤは、バンコクから車や列車で2時間程度で到着する、アユタヤ王朝時代の建築物や寺院などが残っている場所です。世界遺産としても登録されているので、ご存知の方も多いと思います。世界遺産といえば、シンガポール・マレーシアの回でも紹介したマラッカがそうですが(訪れた後に登録されました)、今回もせっかくなので訪れることにしました。アユタヤはポピュラーな観光地なのでバンコク発の日本語ツアーも数多くあります。当初は直接アユタヤへ行こうかと思ったのですが、ガイドブックを見ると、なんとアユタヤまで列車で行ける! それなら列車で……と鉄子な(笑)私はもちろんこちらを選んでしまいました。
4は初めて訪れる人は必ず寄る観光地のようなので、そこは外さないことにします。タイは仏教徒が多く、胸の前で合掌をしながら挨拶をする「ワイ」が印象的ですが、彼らの信仰の源となる寺院をゆっくりと見たいと思います。
さて、旅の目的も無事決まりいよいよ出発です。初めての場所を訪れる旅は、不安もありますがそれ以上に期待も大きいものです。といいつつ、次回はやはり一筋縄ではいかなかったバンコク旅行の珍道中(!)を紹介します。
それではみなさん、よい旅を!
コノミ流旅の掟
「初めて行く場所で、不安を感じる場合は夕方前に現地入りする」