みんなでワイワイでかけるなら、ツアーの利用もおすすめ!

シンガポール・マレーシア旅行の次は、週末海外旅行の定番といえる台湾旅行を紹介します。本連載では基本的に個人手配旅行を扱っていますが、その理由は、大抵私が一人で寂しく(笑)旅行をすることが多いから、そして東南アジアのツアー日程にはほとんど2泊3日というものがないからです。しかし、台湾のツアーなら2泊3日の日程も多数あるので、2人以上で旅行をする場合はツアーを選ぶのもよいでしょう。観光が付いたツアーはちょっと……と思われる方も、航空券+ホテルを組み合わせだけのツアー(ダイナミックパッケージと呼ばれることもあります) も数多くありますので、まずは旅行代理店のパンフレットやWebサイトをチェックしてみてください。意外とお得なツアーが見つかることもありますよ!

ツアーも航空券もフライトのスケジュールに注意

まず、事前準備にもっとも重要になるのはやはりフライトスケジュールです。台湾(主に台北) を目的地としたツアーや航空券には、非常に安いものがありますが、こういった「安い」買い物にはワケがあります。私が初めて台北に行ったときのことをお話ししましょう。そのときに選んだのは航空会社未定の2泊3日の格安ツアーでした。ツアーのフライトスケジュールは1日目の夜に日本を出発して、3日目の早朝に日本に帰るというものでした。スケジュールをお話すると、1日目はホテル到着時に夜の22時を過ぎていて、初めての場所で土地勘もないため、近所で夕食を食べて寝るのがやっと。2日目は1日フリーだったのですが、3日目は午前8時ごろのフライトで日本にもう帰国。よくよく考えてみると、2泊3日のツアーであるにもかかわらず、実質1日と少々しか台北を満喫することができませんでした。

安いのだからこれで満足! と思える方はよいのでしょうが、私はせっかく旅行に行ったのに、全然台北を満喫できなかった……と不満タラタラでした。これを教訓として、台北を思いっきり満喫したいのなら、ツアーでも航空券でも、フライトスケジュールが往路は午前便、帰路は午後便を確約できるものを必ず選ぶこと。ただし、往路が午前便、帰路が午後便のフライトを選ぶと、往路が午後便、帰路が午前便よりも大抵価格は高くなります。これをどう考えるかは人それぞれですが、この連載第1回でお話したように、サラリーマンの週末海外旅行には、時間をお金で買うことも必要という一例であると考えています。

旅の目的は1つの都市だけに限定しない

台北はすでに訪れたことがある方も多いことでしょう。「もう台北は主要な観光地に行ったことがあるしなぁ」という方は、足を伸ばして地方へ行ってみてはいかがでしょうか。私もすでに何回か台北に行ったことがあるので、台北だけでなく、地方にも目を向けることにして、今回は旅の目的を次の3つに決めました。

  1. なぜかまだ訪れていなかった台北101に登る(台北)
  2. 阿里山森林鉄路(阿里山森林鉄道)で阿里山に登る(嘉義)
  3. 祝山に登りご来光を拝む(阿里山)

名付けて"登り"の旅ですね。ちなみに私は「鉄子」と言えるほどではありませんが、実は鉄道好きなので、「前回」のマレー鉄道のように、今回も旅の目的に鉄道を組み込んでみました。なお、2泊3日では難しいのですが、列車で台湾を一周することもできます。

今回の目的でもっとも実現が難しいのは2です。阿里山森林鉄道とは、台中の先にある嘉義と阿里山を結ぶ登山鉄道です。諸々の文献でもこの鉄道はインドのダージリンヒマラヤ鉄道、チリ~アルゼンチンを通るアンデス山鉄道と並び、世界3大登山鉄道 の1つとして有名なので、ぜひ乗ってみたいと思っていました。当初は日帰りで阿里山に行こうと思っていたのですが、ここで問題になったのが阿里山登山鉄道の運行スケジュールです。嘉義を出発する登山列車は9:00、10:00、13:30の3便で、阿里山からの下山列車は12:55、13:30と14:40 の2便です(記事掲載時)。9:00の登山列車に乗ると阿里山到着は12:26なので、その列車に乗っても阿里山に2時間も滞在できないことに……。だったらバスで下山という選択肢もあるのですが、せっかく阿里山に登るのだから日帰りはやめにして1泊して翌朝祝山に登り、ご来光を見ることにしました。ただし、その場合は下山に列車を使うと帰国便のフライトに間に合わなくなってしまうのでバスを使うことにしました。そうすれば、嘉義から台湾高速鉄道(通称:台湾新幹線) で台北首都圏に近い桃園(とうえん)まで戻り、空港に行けば帰路のフライトになんとか間に合いそう。なお、阿里山森林鉄道台湾新幹線 はともにWebサイトから乗車券の事前予約/購入ができます。そして、台北から嘉義までの移動はバスもありますが、今回はとことん列車ということで、行きは台湾鉄路(いわゆる台湾の国鉄) の特急を使うことにしました。これも、Webサイトから事前に予約/購入できます。

というわけで、今回の台湾旅行のルートをまとめると下記のようになります。

台湾2泊3日スケジュールプラン

台北(1日目) →嘉義(台湾鉄路)→阿里山(阿里山森林鉄道)→阿里山泊(2日目)→祝山(祝山線)→阿里山(バス)→嘉義(台湾新幹線)→桃園(3日目)

これで、大まかな旅のプランもたち、事前準備も整いました。最近、航空券はもちろん、どの国の列車の乗車券もほとんどがWebサイトで事前に予約や購入ができるので、現地であたふたすることが少なくなったなぁと、旅行先で筆談などをしながら乗車券を購入していた昔がちょっと懐かしく思えました。次回は、阿里山森林鉄道はもちろん、台湾の特急や台湾新幹線の乗車を中心にプチ鉄子的旅行記をお届けします。それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「近場の週末海外旅行は往路に午前便、帰路に午後便を使う!」