ゴールウイークもあっという間に過ぎ、次の長期休暇のお盆は旅がしたい……なんて思っているサラリーマンのみなさん、はじめまして。田比野小実と申します。私はみなさんと同様、一サラリーマンなのですが、週末は暇さえあればどうやって旅に出るかを常に考えているほど旅行が趣味で、自称週末旅行探求家(ウイークエンドトラベラー?)でもあります。

ところで、みなさんは最近、海外旅行に行っていますか? 現在20代~40代の働き盛りのサラリーマンなら、「仕事が忙しいから、海外に遊びに行く暇なんてないよ」「有給を週末に1日くっつけたとしても2泊3日じゃ温泉や近場の国内旅行が関の山」「お盆とか、年末年始しか長い休みが取れないし、その時期はたいてい旅費が高いから海外なんて無理」。なんて声も聞こえてきそうです。しかし、その考え方は間違っています。

2泊3日でどこまで行ける?

海外旅行というと、行き先はヨーロッパやアメリカなどをイメージされるかもしれませんが、国内旅行の定番日程「2泊3日」で、海外旅行はできないものでしょうか。そんなことはありません。海外旅行では大抵飛行機を使いますが、そのフライト時間を見てみましょう(下記の表参照)。

成田・新東京国際空港発着を見てみると、確かにヨーロッパやアメリカはフライト時間は10時間以上、時差も大きいため2泊3日のスケジュールでは難しいですが、アジアならどうでしょうか。意外と近く、時差もほとんどありません。特に、中国、台湾、韓国あたりなら、朝のフライトに乗ればお昼にはもう目的地。韓国は日本と時差がないし、中国や台湾なら逆に時差が-1時間なので、到着日は1日が25時間となり、実は国内旅行よりお得だったりします。ちなみに羽田・東京国際空港から沖縄までのフライト時間は約2時間半。まさに遠い日本より近くの海外! 韓国へ行くほうが近いというのが事実です。

もう少し遠くのタイやベトナム、マレーシア、香港あたりでも、6時間前後で到着できます。フライト時間だけを見るとアジアであれば、週末を含めた2泊3日でも十分海外旅行ができそうです。しかし、週末旅行といえども、まがりなりにも海外旅行。スケジュールはクリアできても、それなりにお金がかかりそうだし、そんなに短い期間で本当に旅行を楽しめるのかといった不安を感じるかもしれません。

新東京国際空港からのフライト時間

目的地 フライト時間 時差
プサン(韓国) 約2時間 なし
ソウル(韓国) 約2時間30分 なし
上海(中国) 約3時間 -1時間
台北(台湾) 約3時間30分 -1時間
北京(中国) 約4時間 -1時間
マニラ(フィリピン) 約4時間 -1時間
セブ(フィリピン) 約4時間 -1時間
香港(中国) 約4時間30分 -1時間
ハノイ(ベトナム) 約6時間 -2時間
ホーチミン(ベトナム) 約6時間30分 -2時間
バンコク(タイ) 約6時間 -2時間
クアラルンプール(マレーシア) 約6時間30分 -1時間
コタキナバル(マレーシア) 約6時間 -1時間
シンガポール(シンガポール) 約7時間 -1時間
パリ(フランス) 約12時間30分 -9時間
ロンドン(イギリス) 約12時間 -8時間
ロサンゼルス(アメリカ) 約10時間 -17時間
ニューヨーク(アメリカ) 約13時間 -14時間
ケアンズ(オーストラリア) 約7.5時間 +1時間

ケチってはダメ! サラリーマンだから楽しめる旅を考える

巷の旅行会社の店頭やウェブサイトには、「格安海外ツアー」や「格安海外航空券」といった、びっくりするほど安価なツアーや航空券が必ず掲載されています。とにかく安く旅行を! ということなら、これらの格安ツアーや航空券の一番安い時期に合わせて会社を休むというのも1つの手ですが、普通のサラリーマンが自分の都合でホイホイと会社を休むのは難しいもの。まして海外旅行のために会社を休みたいなんて、口にするのもためらうような職場もあることでしょう。結論を言うと、サラリーマンにとって安さだけを求める海外旅行は無理! です。むしろ、サラリーマンの海外旅行では、限られた時間と支払うお金に見合うような、"費用対効果の高い"旅のプランニングがキモになります。そして、貴重な週末+有給1日の2泊3日を十二分に満喫する週末海外旅行こそ、究極の「サラリーマン海外旅行」スタイルだと私は考えています。

この連載では、現役サラリーマンである私が実際に旅して得た週末海外旅行のノウハウやコツを紹介します。ただし、旅をどうプランニングするかは人それぞれなので、紹介する内容が正解というわけではありません。むしろ、私の旅記録を通して、1人でも多くの忙しいサラリーマンが週末海外旅行の魅力を知り、週末海外旅行への第一歩を踏み出してくれればうれしい限りです。

次回は旅の入り口として、滞在可能期間とフライト時間から行き先を考えてみます。 それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「サラリーマンの海外旅行は費用対効果がキモ!」