寝台特急「北斗星」「カシオペア」が引退し、国鉄時代から活躍した583系も全車引退となるなど、夜行列車が次々と姿を消している。いまや貴重な存在になりつつあるが、「一度でいいから乗ってみたい」と憧れている人もいるのではないだろうか。今回はマイナビニュース会員515名を対象に、夜行列車の旅の思い出について尋ねた。

鉄道旅行で夜行列車に乗車したことはある? (写真は寝台特急「北斗星」)

Q. 鉄道旅行で夜行列車に乗車したことはありますか?

  • ある 306人(59.4%)
  • ない 209人(40.6%)

Q. (夜行列車に乗車したことがある人)どんな列車に乗りましたか。当時の体験談も含めて教えてください

「ムーンライトながら」「ムーンライト信州」「ムーンライトえちご」

  • 「去年の暮れに、ムーンライトながらに乗車しました。この列車は青春18きっぷの利用者にかなり人気があり切符が取りにくいです」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)
  • 「ムーンライトながら、ムーンライトえちごなど。同じ車両にいびきがうるさい人がいると結構しんどい」(35歳男性/インターネット関連/クリエイティブ関連)
  • 「ムーンライトながら。時間の有効活用ができ、格安旅行ができた」(36歳女性/サービス/専門職関連)
  • 「ムーンライトながらと信州。とにかく疲れたのだけ覚えています」(32歳男性/その他/販売・サービス関連)

都心と新潟方面を結んだ快速「ムーンライトえちご」。現在は運行されていない

「サンライズ出雲」

  • 「サンライズ出雲。22時発だったので酒を飲んでから乗車したら気持ち悪くて寝られなかった」(30歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
  • 「東京からサンライズ出雲に乗って出雲大社へ。とにかく始発駅から終着駅まで乗りたい。旅先での観光と同じぐらい寝台列車に乗ることが目的」(35歳男性/その他/その他・専業主婦等)
  • 「サンライズ出雲。初めてでしたが綺麗な車内で快適だった」(32歳男性/その他/その他・専業主婦等)

「トワイライトエクスプレス」

  • 「トワイライトエクスプレス。高級フレンチも列車の中で食べられて贅沢だった。個室にテーブルもあったので北海道を出るときに名産を使ったケーキを買って、列車の部屋で食べられて快適だった」(32歳女性/その他/その他技術職)
  • 「トワイライトエクスプレス。大阪から北上して北海道に行った。高いけど海外旅行に行ったと思えば安いものだと思った」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
  • 「トワイライトエクスプレス。当時付き合ってた彼女とゆっくり過ごした」(34歳男性/フードビジネス/その他・専業主婦等)
  • 「トワイライトエクスプレスに亡き母と。時に流れるメロディもゴトンと接続する音も、景色も料理も部屋も全てロマンティック。もう母もトワイライトもなくなってしまったので、思い出しただけで胸が熱くなる。一生に何度かの素晴らしい旅でした。もちろん乗務員の方達もとっても良かった」(53歳女性/その他/その他・専業主婦等)

1989年から2015年まで約26年間にわたり、大阪~札幌間で運行された寝台特急「トワイライトエクスプレス」

「北斗星」「カシオペア」

  • 「北斗星で札幌から上野まで乗車した。青函トンネルができたばかりだった。車内で竹取物語を観た」(40歳男性/証券・投資銀行/その他・専業主婦等)
  • 「北斗星の寝台列車に乗った。あまり寝られなかった」(47歳女性/ビル管理・メンテナンス/専門サービス関連)
  • 「北斗星、家族で寝台列車旅行です」(47歳男性/化粧品・医薬品/営業関連)
  • 「北海道までカシオペアに乗った」(38歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
  • 「東北地方に向かう時、夜行列車カシオペアに乗って、窓から見える東北の夜景がすごく素敵だった」(33歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)

上野~札幌間で運行された寝台特急「カシオペア」。客車(E26系)は現在もツアー専用臨時列車で活躍中

「あけぼの」

  • 「あけぼので青森まで行った。長時間できつかった」(38歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
  • 「かなり昔ですが、あけぼのです。自由席だったので辛かったです」(38歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)

寝台特急「あけぼの」は2014年3月に定期運行終了。臨時列車も2015年1月以降は運行されていない

その他

  • 「大阪行きの寝台急行『銀河』に乗って、甲子園球場に高校野球を観に行きました。とても楽しかったです」(49歳男性/不動産/その他・専業主婦等)
  • 「中国に旅行した際に、内陸部から上海までの長距離列車に乗りました。乗車時間が45時間で、ベッドのクッションも良くないので腰が痛くなりました。景色もほとんど変わらない風景が続くので途中からは飽きました」(44歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)
  • 「ヨーロッパの寝台列車。コンパートメントに3段ベッドが相対で設置されているタイプ。大学の友人と乗車してとても楽しかった」(53歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
  • 「特急『紀伊』や、紀勢本線の夜行急行、夜行普通にはよく乗った。東京~大垣普通も。A寝台、B寝台、グリーン車と席種も様々。夜行列車の気だるさ、大好きだった。豪華列車にはまったく興味がないが」(59歳男性/その他/専門職関連)

今回のアンケートで、夜行列車に乗車したことが「ある」と答えた人は約6割

総評

鉄道旅行で夜行列車に乗車したことがある人は515名中306名(59.4%)と、6割近くいることがわかった。「寝台の2階から落ちた」「車内がお酒臭かった」「興奮して朝方まで起きていた」といった思い出が寄せられた。

とりわけ多かったのが、「北斗星」「あけぼの」をはじめとするブルートレインでの思い出だった。1970年代後半に一大ブームを巻き起こしたブルートレインは、「北斗星」などの引退によって約60年の歴史に幕を閉じたが、「三段ベットで友達とわいわいとても楽しかった」「貴重な体験ができた」「家族旅行のいい思い出」と懐かしむ声も。

青函トンネル開業に合わせて誕生した上野~札幌間の寝台特急「北斗星」や、大阪~札幌間を結んだ寝台特急「トワイライトエクスプレス」を利用して北海道旅行などを楽しんだ人も多く、「一生思い出になる旅行だった」「夢のような気分でとても楽しかった」といった感想も寄せられた。

その他にも、「サンライズ出雲」と併結運転を行う寝台特急「サンライズ瀬戸」(東京~高松間)をはじめ、首都圏と北陸エリアを結んだ寝台特急「北陸」、臨時寝台特急「エルム」などの思い出も。惜しくも廃止となった列車も多いが、夜行列車での旅はいつまでも色褪せない大切な思い出となっているようだ。

  • 調査時期: 2017年5月22日
  • 調査対象: マイナビニュース会員
  • 調査数: 男女515名
  • 調査方法: インターネットログイン式アンケート