投資信託(以下、投信)は、証券会社や銀行などで購入することができますが、最近では、ネット証券やネット銀行からも気軽に買えるようになりました。しかし、購入の選択肢が広がったからこそ、「どこで買えばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。

これらにはメリット、デメリットがありますので、よく比較して決めていきたいですね。今回は、投信はどこで購入できて、それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

証券会社の窓口で買う

まず、店舗を持つ証券会社の窓口で買うという選択肢があります。従来からある方法ですので、投信を購入するにあたって、真っ先に頭に浮かぶ人は多いのではないでしょうか。証券会社の窓口で投信を買うメリット、デメリットは何でしょうか。

<メリット>

「投資が初めてで色々と不安がある」という初心者には、専門家に直接アドバイスしてもらえる証券会社の窓口購入が安心できるでしょう。投資商品を専門的に扱っているだけあり、商品ラインナップや情報の豊富さなど申し分ないでしょう。不安なことがあればその場で解決できますし、投資全般について質問できるので、勉強にもなります。

何より、口座開設や購入などの手続きを全てお任せできるため、「投信を始めたくてもわからないことが多いし、なかなか腰が上がらない」という人でも、つまずくことなく進められます。

さらに、普段から証券投資を行っていて、付き合いのある証券会社がある、もしくは、退職金などまとまったお金が入った時に相談したいといった場合にも、対面で話せる窓口は安心感が高く利用しやすいはずです。

<デメリット>

一方、気になるのはやはり「手数料」の高さです。証券会社の窓口購入は、投信を購入する時にかかる「販売手数料(購入時手数料)」が高めの傾向があります。販売手数料は、投信の購入金額の1~3%を支払うのが一般的で、販売会社の収入となるものです。

「コストが高ければそれだけ良い商品なのでは」といった考え方は投信には当てはまりません。手数料は運用成績に影響を及ぼしますので、できるだけ安く抑えられるに越したことはないのです。これから長い時間をかけてコツコツと積み立てていきたいという人には、証券会社の窓口購入は向いていないと言えます。

銀行や郵便局の窓口で買う

いつも利用している銀行や郵便局で投信について勧められ、興味を持ったという人もいるようです。銀行、郵便局で投信を買うメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

<メリット>

日常生活で足を運ぶ機会の多い銀行や郵便局なら、「ついで」に投信を購入することができますし、証券会社の窓口よりハードルが低く感じられます。いつも使っている給与口座を投信の口座として利用すれば、資金を移動することなく売買でき便利です。

また、窓口で担当者が口座開設、売買を手続きしてくれますので、迷うことがありません。あちこち行かずに一つのところでお金の管理をしたい人に向いているといえるでしょう。

なお、ボーナスシーズンなどには投信の手数料が優遇されるキャンペーンが行われたり、営業時間中に窓口に来られない人向けに、平日夜間や休日に投信の相談会やセミナーを開催していたりすることもあります。こうしたサービスを上手に活用するものいいでしょう。

<デメリット>

親しみやすい銀行や郵便局の窓口ですが、取扱商品に偏りがあり、商品数も少ない点はデメリットに感じるかもしれません。手数料が高く、長期分散投資には向いていない商品が目立つこともあります。

ネット証券、ネット銀行で買う

現在、投信の買い方として一般的になっているのが、ネット証券やネット銀行から購入するという方法。メリット、デメリットを確認してみましょう。

<メリット>

ネット証券、ネット銀行から投信を購入するメリットの一つ目は、パソコンやスマートフォンなど、インターネット環境さえあれば、24時間好きな時に売買注文が出せる点です。証券会社の窓口と比べると直接相談できない点が心配になるかもしれませんが、ネット証券、銀行各社は、ホームページ上で投信の運用に役立つ基礎知識やアナリストレポート、各種ニュースを紹介したり、銘柄検索のツールに力を入れたりしているため、情報収集に困ることはありません。

そして、メリットの二つ目は、手数料が安く、特にネット証券では投信の種類が豊富なことです。手数料の差は利益に差につながりますので、特にこだわりがない場合は、コストが抑えられ多くの商品ラインナップから選ぶことのできるネット証券での口座開設がおすすめです。

<デメリット>

インターネットで投信を購入するデメリットは、専門家に直接相談できないことでしょう。そのため、ネットで売買をするなら、自ら情報を集める姿勢が大切になります。また、ネット環境がない場合は取引ができません。そして、滅多に起きることではありませんが、万が一システム障害が起きた場合に備える方法などを調べておく必要があります。

ほとんどの場合、投信の口座は開設するだけなら無料で行えます。口座を開いて実際に利用し、自分にとって便利な方法を最終的に選ぶのもいいでしょう。先ずは気になる会社、でいくつか口座開設をしてみてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。