カープ女子やお好み焼きで知られる広島県。データをひもとくと、野球やお好み焼き以外にも興味深い特徴が見つかりました。
欧米人に人気の県
広島県の特徴のひとつが外国人観光客の多さ。特に欧米からの観光客が多いことがあげられます。訪日外国人の何%が訪れたかを示す外国人観光客訪問率は4.20%で13位ながら(2010年)、外国人観光客に占める欧米人観光客の比率は78.3%で1位(2010年 全国平均27.8%)と高く、原爆資料館や厳島神社が欧米人の興味を集めているようです。
そんな広島県民の特徴を見るとお手伝い好き。小学生の何%が家事を手伝っているかを調べたお手伝い率は18.2%で全国2位(2006年 全国平均8.9%)。この傾向が大人になっても続くのか、人口の何%がボランティアに参加しているのかを調べたボランティア参加率は3.7%で全国1位(2006年 全国平均2.7%)と、困っている人がいたら助けずにはいられないのが広島県民の特徴です。
教育に目を向けてみると、広島県民は勉強熱心。小学生の何%が自宅や塾で勉強しているかを調べた学校外学習率は49.8%で全国4位(2006年 全国平均39.2%)。また、中学受験も盛んで、中学校生徒数に占める国立・私立中学校の生徒数は11.66%で全国6位(2011年 全国平均8.01%)。首都圏や関西など大都市が上位を占める中、地方としてはトップクラスの多さです。さらに大学進学率は60.4%で東京都、京都府に続いて全国3位(2013年 全国平均53.2%)。東大合格者数も高3生1,000人あたり3.05人で8位(2014年 全国平均2.87人)と教育県と言えるでしょう。
ソース消費量だって日本一!
広島県で忘れてならないのがお好み焼きと広島カープ。まずは広島カープに代表される野球熱を見てみましょう。広島県出身のプロ野球選手は34人(2014年)。人口10万人あたり1.19人で全国8位と上位に入っています(全国平均0.62人)。さらに甲子園通算勝率は5割9分1厘で全国6位と、さすがに野球どころらしいデータです。
続いてお好み焼き。お好み焼きの本家は広島県か大阪府か、データから見てみましょう。人口10万人あたりお好み焼き屋店舗数64.68軒は43.95軒の兵庫県、38.67軒の大阪府を上回って全国1位(2006年)。さらにお好み焼きに欠かせないソース消費量は1世帯あたり年間2,832mlで、大阪府の2,276mlを上回ってこれも1位(2008年)。統計データにおいては、広島県が日本一のお好み焼き県と言えそうです。
福岡県と他都道府県の相関図。総じて東日本とは共通していないようだ |
700以上のランキングから、広島県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。隣接する山口県や岡山県を中心に瀬戸内海沿岸がオレンジ色に染まっていて、広島県の県民性は典型的な瀬戸内型のようです。一方、東北が青く染まっており、東北人とは正反対の県民性とも言えそうです。
※本文と写真は関係ありません
筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)
統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。