令和4年分の確定申告は、2月16日から3月15日まで。今年は申告書の様式Aの廃止や、控除率のダウンなど、これまでの確定申告との変更点もあります。
1月10日に発売された、TJ MOOK『賢くお金を取り戻す! 確定申告 令和5年3月15日締切分』(田中卓也監修・宝島社刊)より、「令和4年分確定申告のポイント」を抜粋してご紹介します。
2.控除率が0.7%にダウン。優良住宅と認定される分類が細分化されます
認定住宅の条件と控除限度額が細分化
従来は認定長期優良住宅・認定低炭素住宅のみを認定住宅として住宅ローン控除限度額を優遇していましたが、令和4年の税制改正によりZEH水準省エネ住宅、あるいは省エネ基準適合住宅といった区分が設けられ、一般住宅(下図「住宅ローン控除区分」の「その他の住宅」)とは区別して住宅ローン控除額が優遇されるようになりました。
また、住宅性能と入居開始年の区分別に、借入限度額、控除期間が変更になっています。例えば、新築の場合で認定住宅に令和4・5年に居住開始した場合は限度額は5000万円ですが、令和6・7年の場合は借入限度額は4500万円になり、一般住宅の場合は令和4・5年に住居開始した場合は限度額は3000万円ですが、令和6・7年の場合は借入限度額は2000万円になり、控除期間も13年から10年に短縮されます。控除期間は、中古住宅の場合は認定住宅でも一般住宅でも10年です。
控除率は1%から0.7%に引き下げ
会計検査院の資料によると、住宅ローン控除利用者のうち年利1%未満の住宅ローンを利用している人は全体で78.1%にのぼることが判明しています。
そのため、近年、住宅ローンを組んだことによる金利負担よりも住宅ローン控除による税額控除のほうが額が大きいという逆転現象が現れ、このことが0.7%に引き下げられた大きな理由のひとつとなっています。
では、令和4年以降に居住開始すると控除率はすべて0.7%になるかというと、新型コロナウイルス蔓延の影響で注文住宅の場合は令和3年9月末まで、分譲住宅等は令和3年11月末までの契約で、令和4年末までに入居開始であれば、引き続き令和4年の税制改正以前と同じ1%の税額控除が適用されます。
所得要件引き下げと床面積要件制限
所得要件については従来の合計所得金額3000万円以下とされていたものが合計所得金額2000万円以下に引き下げられています。床面積については従来どおり50㎡以上であるかどうかで判断します。
一方、床面積が40㎡以上50㎡未満の物件の場合、合計所得金額1000万円以下でも住宅ローン控除の対象となるという規定も引き続き踏襲されていますが、新築の場合で令和5年の年末までに建築確認を受けなければならないという制限が付されました。
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著者:田中卓也 監修
発売日:2023年1月10日
価格:759円(税込)判型:A4判
ページ数:96P
ISBN:978-4-299-03788-6
雑誌:66679-80
田中 卓也(たなか たくや) プロフィール
“正しい決算、正しい申告だけで満足ですか?”という理念をかかげ、事業計画の作成・サポートを中心に据えた革新的な事務所経営を行う。また、各種セミナーでの講演活動や執筆活動にも力を注ぐ。