元国税職員さんきゅう倉田です。最近学んだ言葉は「審議時間獲得競争」です。
もう6年目になりますが、ずっと髭の脱毛に通っています。4年間通えるコースなので、2周目の代金をすでに支払っています。なぜこういったお店が前払い制にしているのか理解できません。
4年間で20回以上通うことになりますが、毎回やっていることは同じです。
最初の方の施術に店側のコストが偏在しているのなら、客が最初の方だけ通院すると店は赤字になってしまうから前払いであっても理解できます。しかし、そうではない。
何かに通い続けるのはとても面倒です。それに、髭脱毛はとてつもなく痛い。毎回心が折れそうになります。
「ここまでして綺麗になりたいのか?」と自分に問うています。通わなくなる人もいるでしょう。しかし、そんな人からも満額の代金を取りたい。そのための前払いなのかもしれません。
なお、「脱毛の機械が高額で資金を早期に調達する必要があるから」という理由ならば、一般に初期投資は自己資金か融資で行うものなので、不合理だと考えます。
昨今エステ等が廃業しても顧客に前払金を返金しない事例を見ていると、徒に不安を煽る設計であると感じます(不安を感じないくらい、何も考えていない人もたくさんいると思いますが)。
以前、通おうと思っていたウルフクリニックという脱毛の専門店が、体験施術で不道徳な勧誘をしてきたことやその直後に廃業したことについて書きましたが、自分のよく知らない業界の動向に常に目を光らせることは大切です。
前払い制度については顧客が一方的にリスクを背負うのではっきりと不満を持っています。しかし、脱毛というサービスの内容には大変満足しています。だから通い続けている。
25万円程度で髭がなくなって綺麗になれるなら、お金なんて惜しくありません。
現在は9週間に一度クリニックに通うことができますが、支払いから2年経過すると12週に一度になってしまいます。
店側は「何度か通うと髭がなくなってきて脱毛の効果が弱くなるので来店の周期を長くしている」などと説明しますが、利益を優先することを目的としたお為ごかしの案内です。
個人差はあるだろうけれど、すでに6年通っていて「脱毛の効果が弱くなる」という説明の根拠は示されていないし、機械の出力をどんどん上げることができるので効果が弱くなるとは考えづらいし、施術から7、8週で髭はほとんど元に戻ってしまうので、むしろもっと早い周期で脱毛してほしいくらいです。
本当に12週が適切ならば、2回目に代金を支払ったときに、新規の顧客と同じように12週から9週に変更になったことの矛盾が説明できない。
このクリニックでは、4年通って12週に一回の施術しか認められなくなった後も、契約期間が満了して再び契約すると、また9週に一回通えるようになります。
ここに矛盾を感じます。真に顧客のためになるのならば、1回目と同じ代金を払ったとしても、12週にすべきではないでしょうか。9週にする理由が知りたい。
2回目の契約から1年経った先日、施術してくれた看護師さんがこう言いました。
「髭の伸びる速度も遅くなってきていますので、次回は12週にしませんか?」
「あなたのために言っています」という感じがして、彼女に対するぼくの信用は地に堕ちました。
「店の利益のために12週にしませんか」と言ってくれたら、困った時はお互い様なので検討の余地があります。
しかし、ぼくのために12週にするなんて考えられません。7週もすれば毎日髭剃りが必要なくらい髭が生えているのに、さらに脱毛のペースを遅らせてどのような利点があるのか想像できない。ぼくは丁重にお断りしました。
長々と脱毛クリニックの利己心と素晴らしさを綴りましたが、大切なことが伝わっているでしょうか。
つまり、一見あなたのために発せられた言葉が本当にあなたのために発せられた言葉だとは限らない。自分の利益のためにあなたを誘導しようとしているかもしれない。そう考えてほしいのです。
お店の人は友達ではありません。テレビに出ている人格者の社長みたいに「顧客の笑顔が我々の利益」などと考えていません。
あなたの身はあなた自身の聡明さで守らなければいけません。
新刊『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 元国税職員のお笑い芸人がこっそり教える 世界一やさしいお金の貯め方 増やし方 たった22の黄金ルール』
東洋経済新報社/1,320円
【6000人の吉本芸人の中で「一番お金に詳しい芸人」が3年かけて書いた! 】【芸人になる前は、なんと元国家公務員の東京国税局職員! 】【たった1冊で、大人なら絶対知っておきたい「お金の黄金ルール」が全部わかる! 】【読みやすさ、わかりやすさNo1!こんなに平易な「お金の入門書」は他にありません! 】購入は コチラ