元国税職員さんきゅう倉田です。好きな伝家の宝刀は「著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する」です。
昔、大学を卒業して、国税専門官として東京国税局に入って税務調査をしていました。中小企業の社長に何度も会いましたが、彼らの習慣や思想は仕事中には読み取れない。でも、芸人になってから会った社長たちからはたくさんのことを学ばせてもらいました。
「ああ、そういう行動や考え方がお金を増やすんだな」と思うし、逆に借金だらけの若い子や売り上げの増えない個人事業者を見て「ううむ、それではお金は増えないではないかな」とも思います。
今回はお金が溜まりやすいお金持ちの行動を2つ紹介します。
財布のなかが綺麗
お金持ちでお財布の中が汚い人を見たことがありません。レシートが数日分同居し、ポイントカードや会員権が寿司詰めになっていることもない。現金とクレジットカードと身分証明証というシンプルな構成です。
逆に、先日会ったフリーランスのライターさん(40代後半)は財布の中にカード類を43枚入れていました。そのほとんどがポイントカードです。
ライターさんは自宅と職場周辺のすべてのドラッグストアで会員になり、すでに会員となっているドラッグストアのポイントカードを作り、財布を膨らませていました。
カードが増えすぎて管理ができなくなって、ポイントを集約して貯めることもできず、財布の中のカードを探すためにレジでもたつく。悪いことしかありません。
財布の中を綺麗にすれば、ほんの少ししかポイントが貯まらないカードを脳の中で管理する必要がないので、他のもっと重要な決定や判断に脳の容量を使うことができます。時間や判断の回数を増やす行動はあなたのお金を奪う可能性があります。
支払いを惜しまない
以前、芸人の先輩に「お金持ちに共通することはなんですか?」と聞いたことがあります。その先輩は、銀座や六本木のクラブに行くタイプの社長の知り合いがたくさんいて、本人も裕福です。ぼくの質問に対しこう答えてくれました。
「金持ちはみんなケチやな」
不要な支払いは徹底的に拒否するけれど、真に必要なことであれば投資と考えて支払いを惜しまない、そう言っていました。
みんなで銀座のクラブに行ったときのこと。クラブから出てアフターに行くと、社長はホステスさんにお車代として1万円ずつ渡します。深夜なので電車は動いていません。同席している若手芸人たちは帰る手段がない。先輩芸人が、若手にも1万円やったって、と繰り返し言っても社長は無視していました。
「ホステスに1万円を払うのはクラブのマナーだけど若手芸人には払う必要がない。歩いて帰れ」ということなのでしょう。
こんなこともありました。昔、大阪のクラブに行った時のこと。ぼくは、当時初めて上梓した税金の本を15冊携えていました。紙袋に入った黄色い表紙の拙著はクラブの調度品や家具の中で異彩を放っていました。
隣に座ったママは本に気付いて、こう言います。
ママ「あら? なんですかそれは?」
ぼく「本が出たんです」
ママ「ほな、全部買いますわ」
ママはおそらく相当なお金持ちです。この1セット5.5万円のクラブなら年収は1~2億円くらいでしょう。でも、無駄なことにはお金は使わない。ここで本を買っておいた方がいいと判断したんだと思います(売り上げにつながると思ったのかもしれないし、もしかしたら、紙袋に本なんか入れてクラブに持ってくるな、と思っていたのかもしれません)。
すると、そのクラブに連れてきてくれた友人が、
「それなら、シャンパンを入れましょう」とぼくの本15冊の5倍の価格のシャンパンを注文していました。「損して得取れ」「海老で鯛を釣る」といった言葉が頭をよぎり、投資がお金を産む瞬間を見た気がしました。
お金持ちの習慣や考え方を真似て、お金が貯まりやすい環境を作りましょう。
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