元国税職員さんきゅう倉田です。好きな経費は「交際費」です。
先日、引っ越しをしまして、引っ越した部屋のトイレの水漏れとお風呂の排水の脆弱性を管理会社に伝えたら、大手の水道業者さんが来てくれました。
作業していただいたおよそ1時間、横で見ていなければいけなかったので、以前紹介した冷蔵庫マグネット(みうらじゅんさんが言うところの「冷マ」)の業者について聞いてみました。
良い話を聞いた。
— さんきゅう倉田(元国税職員) (@thankyoukurata) 2020年9月21日
トイレが壊れたから、冷蔵庫に貼っていた「水のトラブル」のマグネットの電話番号に電話して来てもらうと「全部替えなきゃいけないんで、15万円ですね〜」と言われたという。おかしいと思って、近所の工務店に電話してきてもらうと、パッキンを変えただけで直った、5,000円で。
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冷マの業者に連絡するとトラブルになるんですか?
優良な業者の方もいるだろうと思いつつ、上記ツイートの内容を意識しながら伺いました。
はっきりと「そんなことはありません」と言われる可能性もあります。しかし、実際にトラブルはあって、それには冷マ業者のビジネス上のシステムに原因がありました。
「水道業者はですね、クラシアンのように正社員を派遣するところと、登録されている下請け業者を派遣するところがあるんです。どちらがよいかは、一概には言えませんが、下請け業者の場合はその業者によって能力も装備も対応も区々(まちまち)になります。仮にトラブルになっても、お客さんは同じ業者を何度も使うわけではないし、口コミで悪評を流布されても自身の事業規模が小さいから、影響があまりないんですよね」
拙宅に来てくれた業者の方は、トラブルがあることは否定しませんでした。主に金額面で問題になることがあるようです。 ただ、それは水道業者にのみ責任があるわけではありません。
スマホのように切り替わっていく水まわりのパーツ
20年前は、トイレやお風呂など水まわり製品の部品は、ほとんどのメーカーで共通だったそうです。今は、自社製品を継続して使ってもらうため、囲い込みのために独自の形状の部品を使っています。さらに、毎年新しい部品に切り替わります。
だから修理を行う水道業者は、部品の在庫を持つことができません。種類が多いし、出張先の製品本体と持っている部品の形状が合うことがほとんどないからです。よって、客から呼ばれて出向いてもその場で修理できず、部品の取り寄せで時間がかかってしまいます。
今回、ぼくが管理会社に依頼した際は、事前に故障部を明示し、その写真と機器の型番を求められました。面倒だな、とにかく速やかにきてほしいなと思いましたが、そのような事情があったようです。
プロだからといって、手ぶらで修理できるわけではないし、部品は持ってないんですね。
冷マの業者が「全交換ですね」と言ってくる理由
部品は毎年新しくなってしまいますが、メーカーは5年間部品の在庫を用意しなければいけません。電化製品と同じですね。だから、5年間は修理できます。
修理するトイレやお風呂が5年以上経っていれば、部品なしで修理をしなければいけません。
パッキンなど汎用性の高いものであれば、メーカーに頼らずとも自社の在庫で対応できるかもしれない。しかし、自社の在庫で対応するとメーカーの補償が受けられないため、これまたトラブルになることがあるそうです。
その説明を割愛して修理してくれる業者さんもいれば、補償のことや修理のリスク、利益を考えて、全交換を提案する業者さんもいます。
すべてを説明して、客に選択肢を与える人ばかりではありません。みなさん自身が知識を身につけて最善の選択をしなければならないのです。
水道業者でなく、メーカーに修理を頼むこともできます。ただ、その場合は、出張費がかかってしまう。どこに依頼するのが最善かはわかりません。マンションであれば、オーナーや管理会社が信頼している業者に頼むのも良いでしょう。
今回、ぼくは大手の水道業者の社員の方に話を聞いたので、偏りがあるかもしれません。大切なのは、そこに携わる多くの人から話を聞いて、情報を濾過することだと思います。
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