やることといったら、TwitterやYouTubeの更新頻度を通常より早めるくらいでしょうか。

元国税局職員 さんきゅう倉田です。好きな歌の歌詞は「お前を扶養に 入れる前に いっておきたい ことがある かなり厳しい 申告もするが 俺の話を聞いておけ」です。

確定申告の季節がやってきました。毎年、この時期に会った人には「忙しいでしょう」といわれます。税理士さんであれば、そのような気遣いが必要なくらいお忙しいかと思いますが、ぼくの仕事量は普段と変わりません。

やることといったら、TwitterやYouTubeの更新頻度を通常より早めるくらいでしょうか。

さて、日々、TwitterのDMに「税」や「お金」に関する質問が届きます。税理士法上の制約があって、非税理士であるぼくは個人的な税務相談に答えることができません。一方的に話をしたり、一般的な質問に答えたり、税金と関係ないお金の話であったりすれば問題ないので、仕事には支障がありませんが、困っている一般の方をたくさん見ていると、悲しい気持ちで包まれます。

今回は、DMで届いた質問のなかで、よくある内容のものをまとめました。なお、みなさん、丁寧な挨拶をしてから質問してくださっていますが、そこは内容と関係がないので割愛しています。

※質問内容は、DMを読んでぼくが作成しました。

コロナの影響でUberの配達を副業で始めました。
年度途中から始めたので今回は白色申告ですが、来年の申告で青色申告に変えたいんです。できますか?

Uberを始めた方、たくさんいると思います。ぼくの知り合いの知り合いのおじさんは、経営している会社が傾いたため、子どもの私立小学校の学費の支払いが困難となり、Uberを始めたそうです。家族を支えるため、矜持を捨てて、役員報酬と比較すると圧倒的に低い報酬で、なれない仕事に従事するなんてとても素敵だと思います。

質問の内容に戻ります。確定申告には白色と青色があって、青色のほうは4つも特典があっておすすめですが、自分で申請しなければ青色になれないんです。365日いつ申請してもいいのですが、3月15日までに承認申請書を税務署に出さないと、その年は適用してもらえません。例えば、3月16日に提出したら、次の年から青色申告になって、特典が受けられます。

ここで、「じゃあ、6月から事業を始めたらどうなるんだ? 」と思った方は、素敵ですね。事業を始めた場合は、始めた日から2ヶ月以内に申請すれば良いことになっています。

だから、質問者の方の「年の途中から始めたから白色申告ですが」は大変惜しいですね。

FF外から失礼します。
先月メルカリで時計を30万円で売ったんですが確定申告は必要ですか?

「FF外から失礼します」と断ってからの質問もあります。「さんきゅう倉田くんをフォローしてないけど、失礼します」という意味ですが、まあ、フォローはしてあげたほうが質問の返信率は上がりますよね。ぼくの場合は、フォローしていてもしていなくてもほぼ0%ですが……。

メルカリで自分の所有物を売った場合、税金がかかるのか、確定申告が必要なのか不安に思う方がたくさんいます。税と真剣に向き合っておられて、とても素敵だと思います。

「おそらく確定申告は不要だろう」とか「どうせばれないだろう」といった考えは、不幸や失敗の素です。ちゃんと調べましょう。

質問に戻ると、生活用で使っていたものは、売って利益が出ても所得税がかからないことになっています。税金は、利益があった場合にかかることがほとんどですが、例えば、iPhoneを買って、1年後に売っても、買ったときより値は下がりますよね。だから、そもそも利益が出ることがあまりないと思います。ただ、利益が出たとしても、税金はかからない。

これは、生活用で使っていたものに限られているので、仕入れて売ったり、作って売ったりする場合は、該当しません。

また、使っていた時計でも10万円を超えるものは、所得税がかかる場合があります。貴金属とか宝石、書画、骨董などは生活用のものと分けて扱われるからです。

質問者の方の場合、時計の購入代金がわからないので、どうなるか判断できませんが、税務署などで聞く場合は、売ったときの値段と買ったときの値段の両方を把握するようにしましょう。 あと、フォローはしましょう。

次回に続きます。

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