元国税局職員 さんきゅう倉田です。好きな小説の書き出しは「メロス社長は激怒した」です。
2020年はみなさんにとってどのような年だったでしょうか。
お金の制度やルールを把握してお金の学びを忘れなかった人が得をし、できない人、放棄した人、怠惰な人が損をする年だったと思います。得する人と損する人の差が大きな1年でした。
ぼくはツイッターに、お金の話ばかり投稿しています。今年1年間のぼくのツイートで、いいねが多かったもの、リツイートがとくに伸びたものをまとめました。
「私と一緒に年収3000万円を目指しましょう」「私のように不労所得で悠々自適な生活をしませんか」「稼ぐ方法を教えます」は、日本語に訳すと、すべて、「あなたは愚か者です。あなたが私の話を聞き、欺かれ、お金や時間を使うことで、私はお金を稼ぐことができます」という意味になります。
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年1月10日
こちらは、マルチ商法や詐欺に対する注意喚起のつもりで投稿しました。若者が騙されることが多いようですが、中年もちゃんと騙されています。騙し方も、Instagramを駆使したり友人の紹介だったり様々です。
普段から、相手の矛盾に気づく論理的な思考を鍛えておく必要があります。
民法が改正されました!
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年4月1日
敷金
・大家は、家賃の未払い分を引いた残りを返還しなければいけない
・借りている人は、家具による床・カーペットのへこみ、クロスの変色・画鋲の穴を元通りにしなくてよい(ヤニ汚れ、ペットがつけた傷は元通りにする)
利息
交通事故などの遅延損害金は年5%から3%に! pic.twitter.com/ytVgHkGNdp
民法の一部が改正されました。曖昧だった住宅の貸付に関する取り決めが明確になって、借り主がやや有利になったようです。それでも、不動産のプロである大家さんと借り主の間には、情報格差があると思います。
また、よく投稿していますが、不動産業者とみなさんの間には、とてつもない情報格差があって、その情報格差を利用して儲けようとする不動産業者はたくさんいます。
もし、友人に不動産業者がいたら「不動産業界の人って、性格どう? 」と聞いてみるとよいと思います。「悪い人多いよ」と言いますので、「どうしてそう思うの? 」とさらに一言お願いします。
3日稼働で3万円の仕事の依頼があった。恐ろしい。
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年6月27日
会社員が個人事業者に依頼するときは、1日稼働する仕事なら自らの日当より高い報酬を設定してあげてほしい。1日1万円だと、月20日働いても20万円にしかならず、そこから経費や税、保険料を支払うと何も残らない。ぼくらは、通勤費の支給もないんだぞ。
会社員の方には、個人事業者が負担する経費が見えません。個人事業者自身も、わかっていないと思います。会社員と同じ水準で報酬を提示されることがありますが、そのような場合は毅然とした態度で臨まなければいけません。
オレオレ詐欺の掛け子を集めていた人のインタビューを読んだ。「タイで3ヶ月遊びながら働いて、月100万円」と勧誘するけど、実際には帰ってこられないし給料も出ない。「え? これ記事にしていんですか? 」と聞かれたときの一言が忘れられない。「大丈夫です。これ見ても、来る馬鹿は来るんで(笑」
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年6月30日
とてもぞくぞくしました。ぼくは自分が面白いと思うことをツイートすることにしています。とくに、行動経済学の分野や人間の行動に興味があります。このインタビューはとても興味深かったです。
記事を見たのに行く人はどういう心理なのでしょうか。自分は騙されないと思っているのでしょうか。そう思った時点でもう騙されているのに。
メイとサツキとお父さんが引っ越してきました。転勤にともなう引っ越し代は「特定支出控除」として、確定申告で控除できます。
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年8月14日
今回はお母さんの療養のための引っ越しのようなので控除できません。
なお、この積載量は道路交通法違反です。 pic.twitter.com/Wktbt7xfI0
オンエアに合わせて、ジブリの税法上の取扱いをツイートしています。画像は「となりのトトロ」の冒頭のシーンです。
なお、今年の秋から、ジブリ作品の画像使用が一部認められました。ジブリの公式サイトからダウンロードできます。
いつかスタジオジブリさんに直接お礼が言いたいです。
このおばあさんは、メイとサツキの家からの不動産所得と農業による事業所得を得ています。損益通算ができますので、どちらかが赤字の場合は、所得税を圧縮できます。税法に通じた、かなりしたたかな女性と見るべきでしょう。 pic.twitter.com/gVjGj3TAo9
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年8月14日
ジブリの税法上の取扱いで、最も伸びたのはこちらでした。やさしいおばあさんが、刹那に見せたこの表情。いい顔です。となりのトトロの画像は50枚公開されていますが、その中にこちらの画像もあります。スタジオジブリも特に気に入っている表情なのかもしれません。
良い話を聞いた。
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年9月21日
トイレが壊れたから、冷蔵庫に貼っていた「水のトラブル」のマグネットの電話番号に電話して来てもらうと「全部替えなきゃいけないんで、15万円ですね〜」と言われたという。おかしいと思って、近所の工務店に電話してきてもらうと、パッキンを変えただけで直った、5,000円で。
今までで一番伸びたツイートでした。お金のことを学ぶ授業を依頼され、その中で行ったグループワークの中で参加者から聞きました。誰もがお金のトラブルを抱えていて、それが他人にとってとても有益な情報である可能性を感じさせる内容です。
この情報が多くの人に伝えられて嬉しく思います。みなさんが情報不足で損をしないよう、切に願います。リプライ欄にあった有益な情報も共有します。
フォロワー1「外から失礼します。自分も工務店をやっています。噂では聞いていましたが、実際に体験された方の報告で沢山の方が被害者にならずに済むと思いました。誠に勝手ながらRTさせていただきました。」
ぼく「工務店の方は、住宅内のどのようなトラブルを解決できるものなのでしょうか? 」
フォロワー1「電気、水道、左官、塗装、板金関係等は下請け業者さんを挟んで相談に乗りますがそれ以外の床、ドア等の軋み、等の木工事は自分達で直せますよ」
フォロワー2「うちも配管のトラブルがあった時、市役所に相談したら近所のお店を紹介してもらえました。以前はCM流してる業者さんに頼んだこともあったんですが、その時より安くつきました。」
今日聞いた話。
— さんきゅう倉田(元国税局職員) (@thankyoukurata) 2020年10月14日
毎月8万円まで家賃を負担してくれる会社があった。家賃を負担しても社員は大して感謝しない。ボーナスを50万円与える方が喜ぶ。では、なぜ家賃を負担するのか?
辞めさせないため。退職すると、家賃が払えなくて引っ越さなければいけないから退職率が下がる。物事には理由があるなあ。
最後は、会社の家賃補助の理由について。
物事には理由があります。国の制度にだって理由がある。GoToキャンペーンで、観光業を支援するのも理由があります。理由を知ることが、世の中を正しく知ることだと思います。
新刊『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』
(総合法令出版/1,404円/税込)
さんきゅう倉田の初の著書が発売されました。ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員やパート・アルバイトの方のための最低限の税の情報を、たのしく得られます。購入は コチラ