元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな女性のタイプは「ちゃんと領収証をもらう女」です。
個人事業者をしていると、知人から仕事を頼まれることがあります。良かれと思って依頼してくれることもあるし、予算が少ないために友達価格を期待して依頼してくることなど状況はさまざま。
イベントや動画の出演の相場は複雑です。自分が所属する業界のことなのに、自分でもすべてを把握しているわけではありません。当然、依頼してくれる知人はぼく以上に知りません。
逆の場合もあります。ぼくが誰かに仕事を依頼するとき、ぼくは相手の取引相場を知りません。いくらで提案したら良いかわからない。そのため、恐縮しながら、相手に金額を尋ねるか、可能な限り相場を調べて、その数倍を提案します。
相手が設定している取引価格より低い金額を提案すれば、相手を悲しい気持ちにさせてしまいます。だから、知人でも知人でなくとも、こちらから金額を示す時は、慎重にならなければいけません。
好きな女の子に「5,000円でいい? 」と言われ
先日、Twitterにこんな投稿をしました。
「ギャラは払うよ。あたしもイベントに出ることあるし、プロにはちゃんと払いたい。5,000円でいい? 」
好きな女の子に、自分の講演が5,000円だと思われたことが悲しくて、それ以来連絡を無視しています。
すると、フォロワーから、肯定的な意見と否定的な意見、その中間の意見が寄せられました。一部を紹介します。
・講演会で5,000円。タダより酷い
・それは無視して当然!
■中間
・もっと高いよって言えばいいと思います
・相手に自分の価値が認識されていなかったのはとても寂しいことだと理解します。一方で、自分から「界隈の相場は~円からなんです。でも今回は~円でやりますよ」と金額提示しなかったのは、なぜなんでしょうか?
■否定
・好きな女の子って、一方的に思ってるだけじゃん。詰め甘くない? 「ギャラは高いよ」って最初に一言いっとけばいいだけの話じゃね
・何と言うか、これはさすがに彼女からしたら理不尽極まりないだろうなぁ
・ちゃんと交渉しなよ。みっともない。
・最低
どんな意見でも嬉しいです。純粋な悪口は悲しみの素ですが、自分の行動や考えに対する意見は、自分の糧になります。とても勉強になりました。
ぼくが、好きな女の子に「タダでいい」と言ったのは、彼女が催すイベントに収益性がないと見込んでいたからです。イベントの利益をすべて頂戴しても、ぼくの講演の相場には届かない。しかし、美しく可憐な彼女の役に立ちたい。だから、無償で出演することにしました。ところが、彼女は、自身の経験から、無償で出演することはありえないと感じたのでしょう。5,000円を提示しました。
不用心な金額の提示
価格は商品の価値、提案する金額は商品への評価です。自分が行なう1時間の講演の価値が、5,000円だと思われたことは、悲しい。好きな子から認めてもらえていないと感じ、距離を取ることにしました。
投稿に対し、彼女からすると理不尽、ぼくの行動はみっともない、という意見がありました。多分、その人達は、「著しく低い金額を提示することが失礼」だという認識がないのだと思います。会社員やパートなのでしょう。自分を商品とする個人事業者とは思考が異なります。しかし、自分が会社員であっても、個人事業者と取引をすることはあるでしょう。金額の提示に関する慎重さは、備えておいて損はありません。
「界隈の相場は~円からなんです。でも今回は~でやりますよ」といったように、こちらから相場を提示しなかった理由についても問われました。そうしなかったのは、好きな女の子に、「自分の講演は○○円だけど、△△円でいいよ」なんて言うのは、気味が悪いと思ったからです。ましてや「もっと高いよ」なんて言うのは、無粋です。
気軽に行われることの多い知人への仕事の依頼。実行する時は、他人の何倍も気を遣うべきだと思います。
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