元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな還元は「値引き」です。

10月から消費税が10%になりました。

軽減税率のお店ごとの取扱いも気になりますが、それ以上に気になるのがキャッシュレス決済・消費者還元事業です。

現金以外の決済を総称して「キャッシュレス決済」と呼びますが、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といった、道具も方法も異なる決済が争いあっています。

うれしいキャッシュレス

10月以降は、客がキャッシュレス決済をすることで、還元があります。

中小企業なら5%、大企業のフランチャイズなら2%、大企業の直営なら0%のポイントがついたりその場で値引きをされたり、その取扱いはそのお店によって異なりますが、国の負担でみなさんに恩恵があります。

ただ、対応していないお店がほとんどです。8月下旬に調べた際は、まだ20%ほどのお店しか参加の申請をしていませんでした。そう、申請が必要なのです。既に、キャッシュレス決済を導入していても、決済事業者に連絡をしなければ、客が還元を受けられません。複数のキャッシュレス決済を導入していれば、それぞれに連絡しなければいけない煩わしい作業となります。

それが理由か、制度が周知されていないからか、あまり普及していません。

これからは、店頭にキャッシュレス・消費者還元事業のマークがあるかどうか確認してから利用すると良いと思います。また、制度開始時には、ホームページやアプリで、加盟店を検索することができるようになります。

キャッシュレス決済にはどんなものがあるか

おもな決済手段には、クレジットカードや電子マネーのSuica、PASMO、nanaco、iD、QUICPay、近年始まったQRコード決済があります。

QRコード決済にも、PayPay、楽天ペイ、LINEPay、メルペイなどいくつか種類があります。現在時点では、どれかが特別優れているといった話は聞きません。これからの淘汰がたのしみです。

キャッシュレス決済の良いところ

公式ホームページでは、

お財布に大金や小銭を入れて持ち歩かなくても手ぶらでお買い物できる
ATMから現金を引き出す手間がはぶける
自動家計簿アプリや銀行のweb口座 とつなげることもできる!

がメリットとして掲げられています。

ぼくは、毎日の支払いを可能な限りキャッシュレスで行っていますが、その最大の理由は、「会計の時間が短いから」です。

財布から硬貨や紙幣を探して店員さんに渡し、確認後に釣り銭を用意してもらい、目の前で紙幣を「いち、に、さん、し、ご、ご確認ください、いち、に、さん、し、ご」と2回確認されてから財布にしまう時間は、無駄以外のなにものでもありません。

この世に意味のないことなんて数えるほどしかないけれど、その中でも特別に何も得られない時間です。

しかし、キャッシュレス決済なら、ピッとやって終わりです。自分の時間も使いませんし、後ろに並んでいる他の客を待たせることもありません。みんながキャッシュレス決済にすれば、レジに滞在する時間は、今よりずっと短くなります。

自分の時間に価値を感じていない人は、いくらでもレジに滞在すれば良いと思いますが、他人に迷惑をかけてまで、メリットの少ない現金決済を続ける理由があるのでしょうか。

あなたの時間はきっと貴重です。損を放棄し、誰でも気軽に享受できる得を手に入れましょう。

日本で生活する以上、ほとんどの方が、クレジットカードや交通系の電子マネーを持っていると思います。それでも、いまだにコンビニで現金で支払うことにこだわる方がいます。きっと、そういう方は、1000円ずつチャージするタイプの人でしょう。

今回、キャッシュレス決済をするだけで、ポイントがもらえたり値引きをされたりします。それは、決済業者やお店が負担するのではありません。

国です。国が負担してくれます。国が、キャッシュレス決済を勧めているのです。意固地にならず、みんなでピッとしませんか。後悔しないとお約束します。

さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。

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