元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな決済は「……電子マネー」です。

前回までのあらすじ

キャッシュレス・消費者還元事業に先立って、QRコード決済だけで1週間生活することを決めたさんきゅう倉田は、ツイッターのフォロワー内でアンケートをとり、最も利用者の多かったPayPayのアプリをインストールした。

[PayPay生活2日目]

前日は、外食と中食(買って家で食べる食事)をしました。

連日、同じ生活をしても良いとは思いますが、それを発信するとなると問題があります。なにか特別なことをしなければいけません。「こんなところでも使えるんだ」と、思ってもらえるような場所を探します。

この日は渋谷にいました。PayPayアプリで「マッサージ」と検索すると、周囲のマッサージ店が複数出てきます。人生でマッサージ店に入ったことはありません。HOT PEPPER BEAUTYで予約をして、道玄坂の雑居ビルの5階へ。1時間4000円です。

ビルの外にあった看板には「台湾式高級マッサージ」とありました。しまった、風俗店だったかもしれない、少し不安になりました。

お店に入るなり、サングラスをかけたチャイニーズマフィアが、何の説明もないまま、真っ暗の個室に案内し、片言の日本語の外国のおばさんが「スペシャルマッサージ?」と聞いてきて、ちゃんと断っても、会計のときは「2万円ダヨ」と言われるかもしれません。怖い。

もちろん、そんなことはなく、お店は明るくて、店員さんは親切でした。HOT PEPPERで風俗店が予約できるわけがありません。ただ、上半身裸になり、途中でおしりを剥き出しにされるとは思っていませんでした。誤算です。

マッサージの前には、心の準備と入浴をしていく必要があると、勉強になりました。PayPayのおかげで、社会人として成長した気がします。

[PayPay生活3日目]

言及していませんでしたが、PayPayでは電車に乗ることができません。だから、電車に乗るときはPASMOを使っていました。タクシーや徒歩で移動するわけにもいかず、この点は自分でも残念です。現状、PayPayだけですべての決済をすることはできません。ただ、それはクレジットカードも同様です。いまの日本では、いくつかの決済を併用する必要がありますね。

この日は、そろそろ美味しいものが食べたいな、と考えていました。コンビニや近隣の味のわからない個人商店にばかり行っても良いのですが、グルメ界の人も味方につけておきたいと考えました。

都内で数十軒、行きたい店をストックしてあるので、その中からPayPay対応店を探しました。 そして、飯田橋「おけ以」へ。創業65年の餃子店です。ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれている名店です。

この日は、餃子と卵チャーハンをいただきました。味も接客もじゃんけんのルールのようにやさしい。

食事を済ませ、レジに行くと、名店とは思えない決済手段の数々が迎えてくれました。使える決済は、アイコンが貼られています。決済手段はコンビニと同じくらい豊富で、オーナーがキャッシュレス時代の到来を早くから感じていたとお見受けしました。

[PayPay生活4日目]

マツモトキヨシで日用品を買いました。自宅近くのスーパー3軒は、PayPayに対応していません。それどころか、ほとんどのスーパーが対応していません。スーパーで使えるようになれば、主婦(主夫)層も一気に取り込めるかもしれません。今後に期待します。

アプリで検索すると、ドラッグストアは比較的対応しているようです。ティッシュペーパーや歯ブラシを購入し、家に帰りました。

4日目で決済方法を概ね理解しました。

大手の会社が営むお店では、ぼくのスマホの画面をレジで読み込んでもらい、規模の大きくないお店はレジにあるQRコードをぼくが読み込んで決済する、このどちらかです。

僅かな違いですが、金額を入力しない分、自分の画面を読み込んでもらうほうが素早くて楽かもしれません。

導入するお店からすれば、お店のQRコードを読み込んでもらうほうが、圧倒的にコストが低く、好まれると思います。QRコードの描かれた小さな立て札をレジやテーブルに置くだけで、機械の購入はないようです。

ここまで快適にPayPay生活を送っています。残り3日どうなるのか。続きます。

さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。

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