確定申告の時期がやってきた。勤めている人でも、年収が多かったり、あるいは医療費が多くかかったりする場合には、確定申告をしなくてはならない。とくに後者は還付金がくる。

その中で、マイナンバーカードを利用したe-Taxを試してみたいという人も多いかもしれない。自宅からパソコンで確定申告のための作業をすませられるからだ。

そのためには、非接触型ICカードリーダーが必要である。この非接触型ICカードリーダー、交通系電子マネーの履歴を読むのにも、使えるのである。

ICカードリーダーは高くない

ICカードリーダーは、安いものでは家電量販店やアマゾンでは3,000円~3,500円程度で買える。筆者は、ソニー製の「PaSoRi RC-S380」というものを買った。これは、Windowsパソコンでのみ使用できるものである。

会計ソフトに細かい交通費を入力するために、交通費の履歴を確認できるようにこのICカードリーダーPaSoRiを買った。さっそくそれを使用してみて、その感想を交えながら紹介してみよう。

どんな交通系電子マネーでも読み取れる「SFCard Viewer 2」

PaSoRiを使用するために、ユーティリティーソフトをインストールした。この状態でそのままSuicaをPaSoRiに乗せても、何も出てこない。ソニーのPaSoRi公式サイトを見ると、e-Taxや電子マネー関連のソフトをダウンロードするページがある。これをダウンロードすると、非接触式ICカードの情報を読み取れるのだ。

その中に「SFCard Viewer 2」というものがあった。このソフトは、交通系電子マネーの使用履歴や、残金を表示することができ、csvファイルやテキストファイルでの出力も可能である。表示は20件まで。早速インストールしてためしてみたところ、20件の履歴が表示されてきた。筆者の履歴を見ると、物販での使用が多い。

現在、交通系電子マネーは、鉄道での利用だけではなく、コンビニや駅売店、自動販売機での利用も可能であり、一般のお店で利用できることも多い。その関係もあって、さまざまなお店で利用してしまう。そうすると、履歴がどんどんたまっていく。交通系電子マネーでこのソフトを使用する場合、こまめな確認が必要だ。

Suicaなら履歴が大量に

Suicaを使用している人ならば、履歴を大量に見ることができる「Suicaインターネットサービス」というものがある。さっそくこれにも登録して使用してみた。このインターネットサービスは、古いものでは数ヶ月前の履歴を確認することができる。Internet Explorerでしか使えないのが残念だが、交通費の履歴(とどこへ行ったかの記録)をさかのぼってたどっていかなくてはいけない人には便利である。

またこのサービスでは、自宅でクレジットカードからチャージでき、Suicaでネットショッピングをすることも可能である。

もしSuicaを持っていて、履歴を大量に見たい人がいるなら、このサービスは便利である。なお、このサービスではcsv出力はできず、PDFでの出力となっている。主に税金のための証拠の書類となることを意識しているのだろう。

履歴を確認することの意義

自宅や会社のパソコンでも履歴を確認することができるということは、交通費を再確認するということだけではなく、自身が過去にどこに行ったのかを振り返り、過去を思い出した際にいろいろと考えついたことを仕事に、日常生活に活かすために必要なことである。

買い物や鉄道乗車の履歴をたどり、自らの過去の行動を考え、これから先に活かす。そのためには、交通系電子マネーの履歴確認は、有効な手段である。

せっかくの非接触型ICカードリーダー、確定申告だけではなく、さまざまなことに活かしてほしい。

著者プロフィール: 小林拓矢


1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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