ふだん何気なく電車や駅を利用していても、なぜ電車が時間通りに運行できているのか、「混雑率100%」の車両に実際何人乗っているのか……なんて、意外に知らないものですよね。元鉄道員の交通系YouTuberの綿貫渉さんが、面白くてためになる鉄道の豆知識を解説する「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」(日本文芸社)から、一部を抜粋してご紹介します。

【鉄道雑学】の一覧はこちら


データと目視で混雑率を計測

利用者でぎゅうぎゅう詰めになることも多い通勤電車。その混み具合を知る目安となるのが「混雑率」です。通勤電車1両の定員である約150人を基準に算出しており、定員の2倍が乗ると混雑率200%になります。

国土交通省鉄道局の目安では、混雑率200%は「相当圧迫感があるが、週刊誌程度 なら何とか読める」、混雑率250%は「電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができない」という状態だそうです。

ラッシュアワーの混雑率を200%だとすると、10両編成の通勤路線では1本あたりおよそ3000人、15両編成の路線であれば1本あたり4500人を輸送している計算です。

この混雑率というのは、鉄道会社による目視測定や機械測定などを併用して算出しています。ただし、ある路線の混雑率が200%だからといって、その区間のすべての電車が均等に混むわけではありません。行先や前の電車との間隔などの要素で変化するので、すいている列車を探してみるのもいいでしょう。

また、近年では感染症予防の意識が高まったことや、鉄道会社がオフピーク通勤を推進する活動を広めていることから、混雑率200%を超えるような激しいラッシュは少なくなっています。


本連載は、 「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」より、一部を抜粋してご紹介しています。

ほかの【鉄道雑学】もチェック!

「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」(日本文芸社)
著者:綿貫渉

電車はなぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多いのが鉄道の話。本書では、「電車が止まってしまったけど、運転再開までどのくらいかかるの?「車内のトラブルに自分が居合わせたら……」といった、日常で起こるかもしれないギモンや不安にも役立つ知識を、元鉄道員の交通系YouTuberの綿貫渉さんが楽しく解説。鉄道好きでもそうではなくても、鉄道や交通に興味を持つきっかけとなる一冊です。Amazon楽天ブックスで好評発売中。
日本文芸社 公式サイトhttps://www.nihonbungeisha.co.jp/book/b623649.html