ふだん何気なく電車や駅を利用していても、なぜ電車が時間通りに運行できているのか、「混雑率100%」の車両に実際何人乗っているのか……なんて、意外に知らないものですよね。元鉄道員の交通系YouTuberの綿貫渉さんが、面白くてためになる鉄道の豆知識を解説する「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」(日本文芸社)から、一部を抜粋してご紹介します。
事故や遅延で乱れたダイヤはどう戻しているの?
分刻みのスケジュールを定刻通りに運行している鉄道。通勤ラッシュの時間帯には、発着の間隔が3分ほどのかなり短いものになることも。運行本数が多いというのは乗客にとってありがたいことですが、一つの列車が遅れるだけで後続の列車の運行に大きな影響を与えてしまうのが怖いところです。
何かトラブルが起こったとき、列車の運行を正常な状態に戻すためになされるのが運転整理と呼ばれる業務。列車の運転時刻や順序の変更、発着駅の変更、運休などの作業を行います。これを指令するのは、運転指令所という列車の運行を管理している機関です。
列車のダイヤ回復までにかかる時間は短ければ短いほどよいもの。そのため、運転指令所の指令員は短時間で的確な判断・指示をすることを求められ、それをできるだけの相当な技術と経験が必要になります。指令員になることができるのは、駅の配線や列車の運行に関する知識を熟知し、迅速に状況を判断できる者だけなのです。
台風、大雨のような災害や人身事故、停電、火災、線路への立ち入りなど、さまざまなトラブルが突発的に起こるなか、乱れた運行状況を回復させようと迅速に取り組む人たちによって、私たちの交通手段は守られています。
本連載は、 「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」より、一部を抜粋してご紹介しています。
「眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話」(日本文芸社)
著者:綿貫渉
電車はなぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多いのが鉄道の話。本書では、「電車が止まってしまったけど、運転再開までどのくらいかかるの?「車内のトラブルに自分が居合わせたら……」といった、日常で起こるかもしれないギモンや不安にも役立つ知識を、元鉄道員の交通系YouTuberの綿貫渉さんが楽しく解説。鉄道好きでもそうではなくても、鉄道や交通に興味を持つきっかけとなる一冊です。Amazonや楽天ブックスで好評発売中。
日本文芸社 公式サイトhttps://www.nihonbungeisha.co.jp/book/b623649.html