マイナビは27日、「2014年中途採用状況調査」の結果を発表しました。同調査は、2013年10月~14年9月の1年間に中途採用実績のある企業713社を対象に実施したものです。第2回では、中途採用実施の理由や人材の過不足感などを紹介します。

規模拡大を目指した採用が増加

積極的な採用活動が行われた2014年。企業が中途採用を実施した理由で、多かったのは「経営状態の好転・既存事業の拡大」(46.1%)、「組織の存続と強化(活性化)」(43.1%)でした。他にも「将来の幹部候補・コア人材の確保」「新規事業への進出」があげられるなど、景気向上に伴い、将来を見据えた投資が進んだようです。

年別で見ると、「経営状態の好転・既存事業の拡大」「組織の存続と強化(活性化)」などは年々増加していますが、「退職者の増加」は30.0%、3年連続で減少傾向に。中途採用の目的が人材流出による「穴埋め採用」から、規模拡大を目指したポジティブなものへとシフトしていることがわかります。

年別 中途採用を実施した理由

人材不足は深刻化、余剰感がある企業は3.6%のみ

事業規模拡大などを目指し、採用活動を実施した各社。人材の過不足感については73.5%が「不足している」と回答。「ちょうどよく充足している」は22.9%、「余剰感を感じている」という企業は3.6%にとどまりました。

年別で見ても、2012年以降「人材が不足している」と回答した企業は増加の一途をたどっています。事業規模別に見ると、「不足している」という回答が最も多かったのは「100~299人規模」(81.2%)の企業。最も少なかったのは「29人以下」(67.9%)の企業でした。

年別 人材の過不足感

人材の不足感を業界別に見ると、「ソフトウェア・通信」(88.5%)、「流通・小売」(84.0%)、「金融」(83.3%)が8割超。余剰感についても、「ソフトウェア」は1.1%、「流通・小売」「金融」は0%と、人材不足が顕著に見られます。第1回で述べたように、獲得が難しい技術者を必要とする業界や、人の移動が激しい業界では人手不足が深刻化しているようです。

一方、「広告・出版・マスコミ」は「不足している」が50.0%にとどまり、「余剰感を感じている」は10.0%に。「ソフトウェア・通信」「流通・小売」業界と比較すると、やや余裕があるようです。

業種別 人材の過不足感