これまで、「転職理由」「準備」「退職」「履歴書」と回を重ねてきた本連載「転職の今がわかる、66の質問」も、今回はいよいよ本番の「面接」編となる。これまで築いてきた努力は、面接ですべての結果が出るといっても過言ではないだろう。その面接を先輩たちは、いったいどうやって切り抜けてきたのか。アンケートを通じてその実態が見えてきた。
以下、20~30代のマイナビニュース男女会員400名にアンケートを実施し、「転職経験がある」と回答した274名に質問。
Q45.転職面接の前に準備したことを教えてください(複数回答可)
1位「企業の下調べ」(66.1%)
2位「自己PRの整理」(59.9%)
3位「面接会場までの道順確認」(54.7%)
4位「面接のイメージトレーニング」(47.1%)
5位「持ち物の準備」(44.9%)
6位「質問の回答案」(44.5%)
7位「企業への質問案」(35.8%)
8位「その他」(0.4%)
Q46.面接でもっとも気をつけたこと、心がけたことを教えてください
1位「身だしなみ」(26.6%)
1位「社会人マナー」(26.6%)
3位「時間にゆとりをもった行動」(24.5%)
4位「笑顔」(15.0%)
5位「声の大きさ」(6.2%)
6位「その他」(1.1%)
Q47.面接でもっとも辛かったこと、嫌だったことを教えてください
1位「緊張して本領発揮できなかった」(29.9%)
2位「圧迫感のある雰囲気」(20.8%)
3位「困った質問をされた」(17.5%)
4位「応募要項と話が違った」(15.3%)
5位「現職の関係でなかなか日程を決められなかった」(12.4%)
6位「その他」(4.0%)
Q48.面接でもっとも答えるのが難しかった質問を教えてください
1位「退職理由は何ですか?」(24.1%)
2位「今後のキャリアプランは?」(20.8%)
3位「志望理由を教えてください」(18.6%)
4位「自己紹介をお願いします」(16.1%)
5位「転職回数が多いのはなぜですか?」(9.9%)
6位「残業や休日出勤はできますか?」(6.9%)
7位「その他」(3.6%)
Q49.1回の面接に要したおおよその時間を教えてください
1位「30分」(55.1%)
2位「15分」(26.6%)
3位「1時間」(15.7%)
4位「1時間30分」(1.5%)
5位「2時間以上」(1.1%)
Q50.転職先の面接は何次までありましたか
1位「2次」(44.9%)
2位「1次」(38.3%)
3位「3次」(14.6%)
4位「4次」(1.5%)
5位「5次以上」(0.7%)
Q51.1回の面接で面接官は平均で何人でしたか
1位「2名」(38.3%)
2位「3名」(29.6%)
3位「1名」(22.3%)
4位「4名」(6.2%)
5位「5名以上」(3.6%)
Q52.面接官に逆質問はしましたか
「はい」(62.0%)
「いいえ」(38.0%)
Q53.面接以外に、試験などの選考はありましたか。当てはまるものをすべて教えてください(複数回答可)
1位「適性検査」(46.0%)
2位「一般常識試験」(44.9%)
3位「企業オリジナルの課題」(17.5%)
4位「専門知識試験」(17.2%)
5位「企業オリジナルの筆記試験」(16.8%)
6位「論文」(12.4%)
6位「その他」(12.4%)
Q54.面接でウソをついたことはありましたか
「はい」(42.3%)
「いいえ」(57.7%)
Q55.面接で印象的だった出来事を具体的に教えてください(自由回答)
・「面接の第1質問が、『あなたは上司をぶん殴ったことはありますか?』だった」(31歳男性/アウトソーシング/IT関連技術職)
・「実際に自分が就業したときの具体的な業務内容を細かく質問したことで、しっかり自分の働く意思を見せられた」(29歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「中途での試験だったので、面接官が小馬鹿にしている感じがあった」(33歳女性/サービス/販売・サービス関連)
・「2次面接で緊張していたら、面接官の1人から一度立ち上がって両手を広げて深呼吸をするように促されてしまった」(38歳女性/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「明らかに興味なさそうな態度や質問をされたことがあります。また、指定時間に担当者がいなかったこともありました」(34歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「とても圧迫的な演技の面接で逆に面白かった」(38歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「終始、『なぜ』『どうして』を繰り返し聞かれたこと。丸裸にされたみたいに気持ち悪かった」(27歳女性/百貨店/その他・専業主婦等)
・「『気が強いか?』と聞かれた。その時は意味がわからず『弱くはありません』と答えたが、入社後に聞いたところによると、新人いじめをして辞めさせるのが趣味のようなお局がいて、その確認の伏線だったとわかった」(33歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「現職の仕事の残業が遅くなり、夜23時から面接をしてもらったこと」(33歳男性/その他/IT関連技術職)
・「試験官が鉛筆一本を取り出し、『私がお客様だと思って、この鉛筆を自分なりに売り込んでください』という質問をされ、驚いた経験がありました」(36歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「書類選考が通って面接に行ったら、いきなり役員面接だった。また募集案内と異なり、事務での選考であったのに、異動ありの工場勤務という説明だった」(38歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「冬の面接でスーツは持ってきていたけれど、靴を忘れてブーツしかなくて困った」(33歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「面接官が、『団塊の世代』をずっと『ダンコンの世代』と言い続けていた」(33歳男性/人材派遣・人材紹介 事務・企画・経営関連)
・「面接官が初めてだったのか逆に緊張されていて、質問に答えるたびに『その回答は素晴らしい!』と終始褒められ、照れくさくなり、愛想笑いでその場を誤魔化した」(33歳男性/教育/専門サービス関連)
・「約束の時間に行ったが忘れていたらしく、待たされたあげく始めから終わりまで前職のことばかり聞かれ、仕事内容や給料を聞いても曖昧な返事で『だめだこの会社……』と思い、適当に返事を返してさっさと終わらせた。不採用だったが次の面接で受かった会社が良かった。面接で変な印象の会社は、社内もダメ会社だと思う。その後も決まらないのか、しばらく募集をしていました」(38歳女性/百貨店/販売・サービス関連)
■総評
調査の結果、面接の前に準備したことは(複数回答可)、「企業の下調べ」が約3分の2の66.1%を獲得し最多となった。やはり面接に挑むうえでは、志望先の企業を調べることは必須の作業だろう。以下、2位「自己PRの整理」(59.9%)、3位「面接会場までの道順確認」(54.7%)、4位「面接のイメージトレーニング」(47.1%)、5位「持ち物の準備」(44.9%)、6位「質問の回答案」(44.5%)、7位「企業への質問案」(35.8%)と続く。いずれも事前に用意しておくのとそうでないのとでは、面接の際の面接官とのやりとりの中で大きく差が出てしまう項目といえそうだ。
面接でもっとも気をつけたことや心がけたことは、「身だしなみ」と「社会人マナー」が共に26.6%で1位となった。続く「時間にゆとりをもった行動」(24.5%)や「笑顔」(15.0%)、「声の大きさ」(6.2%)も常識ある社会人として、面接官の心象を損なわないためには必須の要素と言えるだろう。
面接でもっとも辛かったこと、嫌だったことの1位は、「緊張して本領発揮できなかった」(29.9%)ことだった。実力や熱意をアピールする場であるはずの面接で不完全燃焼に終わってしまった無念は想像に難くない。2位「圧迫感のある雰囲気」(20.8%)は、少し前に話題となった『圧迫面接』を思い起こさせる。面接を受ける身となればあらかじめ覚悟をしておいた方がいいのかもしれない。3位「困った質問をされた」(17.5%)、4位「応募要項と話が違った」(15.3%)、5位「現職の関係でなかなか日程を決められなかった」もいずれも、事前準備の大切さを改めて認識させられる結果となっている。
もっとも答えるのが難しかった質問には、1位「退職理由は何ですか?」(24.1%)、2位「今後のキャリアプランは?」(20.8%)、3位「志望理由を教えてください」(18.6%)、4位「自己紹介をお願いします」(16.1%)、5位「転職回数が多いのはなぜですか?」(9.9%)、6位「残業や休日出勤はできますか?」(6.9%)との回答が寄せられた。いずれも想定問答などで用意していると思われる質問ではあるものの、いざ面接の場で答えるとなるとなかなかスムーズにはいかないものなのかもしれない。
1回の面接に要した時間は、1位「30分」(55.1%)、2位「15分」(26.6%)と、8割以上が30分以内で完結している。面接は何次まであったかという問いに対しては、1位「2次」(44.9%)、2位「1次」(38.3%)と、こちらも8割以上が2回以内の面接で終了している。1回の面接での面接官の数は、1位「2名」(38.3%)、2位「3名」(29.6%)、3位「1名」(22.3%)となり、9割が1名~3名で行われている。
面接官に逆質問をした人は62.0%、しなかった人は38.0%で、逆質問をした人が優勢だった。また、面接でウソをついたことがある人は42.3%、ない人は57.7%で、正直に答えた人の方が多いという結果となった。面接以外の選考については(複数回答可)、1位「適性検査」(46.0%)、2位「一般常識試験」(44.9%)、3位「企業オリジナルの課題」(17.5%)がトップ3となっている。
面接で印象的だった出来事については、さまざまな体験談が寄せられた。緊張のあまりの失敗談や思いがけない質問、圧迫面接ばりの殺伐としたものや、終始和やかでフレンドリーなものや、企業の姿勢が疑われるようなものまで、多種多様な面接の一端をうかがい知ることができる。
Googleは、「スクールバスにゴルフボールは何個入るか?」「あなたの8歳の甥にデータベースについて3つの文で説明しなさい」「全世界でピアノの調律師は何人いますか?」「ある国では、人々が生まれてくる子には男の子だけを欲しがりました。そのため、どの家族も男の子を産むまで子どもを作り続けました。男の子と女の子の人口比率はどうなりますか?」などのユニークな質問で知られる。
これほどではないにせよ、今回は「面接官が身につけていた腕時計を外し、これを売ってみて、という課題があった」(30歳男性/専門コンサルタント/営業関連)といった意表を突いた質問をする企業の報告もあり、とても興味深い。
さて、ここまで見てきた先輩たちの転職時の面接体験、みなさんはどう感じただろうか。これから面接に臨む人にも、大いに役に立つ内容ではなかっただろうか。次回はいよいよ最終回の「転職後編」となる。どうか期待して待っていて欲しい。
調査時期: 2018年10月12日~2018年10月18日
調査対象: マイナビニュース会員(20~30代会社員)
調査数: 400人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません