全6回の連載シリーズ「転職の今がわかる、66の質問」の第2回は、「準備編」。ある日突然、1本の電話がかかり、ヘッドハンティングで転職が実現、となればいいが、現実はなかなかそううまくはいかない。転職を考えるのであれば準備は念入りに、周到にしなければならないだろう。それでは転職経験者たちは、いったいどんな準備をしてきたのか、さっそく見てみよう。
以下、20~30代のマイナビニュース男女会員400名にアンケートを実施し、「転職経験がある」と回答した273名に質問。
Q12.転職活動中、やっておいてもっともよかったことを教えてください
1位「転職活動は在職中に行う」 (20.9%)
2位「自分がやりたいことの整理など自己分析」 (19.4%)
3位「こまめな転職サイトのチェック」 (18.3%)
4位「積極的に応募する」 (15.8%)
5位「転職に有利な資格や知識の取得」 (12.8%)
6位「転職活動を行うための時間づくり」 (11.4%)
7位「その他」 (1.5%)
Q13.もっとも最近の転職先は、どのようにして見つけましたか
1位「転職サイト」 (33.3%)
2位「ハローワーク」 (19.4%)
3位「転職エージェント」 (16.1%)
4位「知人や友人の紹介」 (14.7%)
5位「求人誌」 (8.4%)
6位「企業ホームページの求人」 (6.6%)
7位「その他」 (1.5%)
Q14.過去、使用した転職サイトの数を教えてください
1位「2つ」 (29.3%)
2位「1つ」 (25.6%)
3位「3つ」 (20.9%)
4位「利用していない」 (12.5%)
5位「5つ以上」 (8.1%)
6位「4つ」 (3.7%)
Q15.過去、使用した転職エージェントの数を教えてください
1位「1つ」 (39.2%)
2位「利用していない」 (27.8%)
3位「2つ」 (20.9%)
4位「3つ」 (5.5%)
5位「5つ以上」 (4.0%)
6位「4つ」 (2.6%)
Q16.転職のために取得した資格を教えてください(複数回答可)
1位「取得していない」 (38.5%)
2位「普通自動車運転免許」 (24.9%)
3位「TOEIC」 (19.4%)
4位「日商簿記検定」 (17.2%)
5位「ファイナンシャルプランナー」 (10.3%)
6位「社会保険労務士」 (7.0%)
6位「その他」 (7.0%)
8位「公認会計士」 (5.1%)
Q17.転職活動でもっとも苦労したことを教えてください
1位「転職活動の時間がとれない」 (27.5%)
2位「金銭面」 (22.0%)
3位「不採用通知に落ち込んだ」 (20.5%)
4位「周囲にバレずに転職活動を行うこと」 (14.7%)
5位「現職の関係で面接の日程が決められない」 (11.0%)
6位「その他」 (4.4%)
Q18.転職活動で挫折したことはありますか
はい (53.5%)
いいえ (46.5%)
Q19.何社の求人に応募しましたか。もっとも近しいものを教えてください
1位「1~4社」 (59.7)%
2位「5~9社」 (23.1)%
3位「10~19社」 (8.4%)
4位「30社以上」 (4.8%)
5位「20~29社」 (4.0%)
Q20.転職先は前職と同業種でしたか。それとも異業種でしたか
異業種 (54.2%)
同業種 (45.8%)
Q21.転職活動を行っていた期間、前職は在職中ですか。それとも退職後ですか
在職中 (63.0%)
退職後 (37.0%)
Q22.転職活動で、もっとも参考にしたことを教えてください
1位「転職関連のウェブサイト」 (44.0%)
2位「転職経験のある知人の意見」 (17.9%)
3位「家族の意見」 (17.2%)
4位「転職関連の書籍」 (9.5%)
4位「仕事仲間の意見」 (9.5%)
6位「その他」 (1.8%)
■総評
調査の結果、転職活動中、やっておいてもっともよかったことは「転職活動は在職中に行う」(20.9%)だった。やはり、見切り発車で退職してしまい、次の就職先がなかなか見つからないという事態は避けたいところ。以下、「自分がやりたいことの整理など自己分析」(19.4%)、「こまめな転職サイトのチェック」(18.3%)、「積極的に応募する」(15.8%)、「転職に有利な資格や知識の取得」 (12.8%)、「転職活動を行うための時間づくり」(11.4%)が僅差で並ぶ。いずれも転職にあたって押さえておきたい、大切なポイントと言えそうだ。
もっとも最近の転職先は、どのようにして見つけたか、という問いには、全体の3分の1が「転職サイト」を挙げている。「ハローワーク」(19.4%)や「転職エージェント」(16.1%)の利用者、「知人や友人の紹介」(14.7%)で、という人も一定数がみられた。その他では、「親の紹介」「新聞」「自分で公務員試験を受けた」などがあった。
過去、使用した転職サイトの数は「2つ」(29.3%)、「1つ」(25.6%)、「3つ」(20.9%)が、使用した転職エージェントの数は「1つ」(39.2%)と「2つ」( 20.9%)が上位に並び、いずれも数を絞り込んでいる印象。また、転職サイトは12.5%、転職エージェントは27.8%が「利用していない」と回答している。
転職のために取得した資格を聞いたところ、1位は「取得していない」(38.5%)となり、意外にも資格取得の意欲はそれほど強くはない。以下、2位「普通自動車運転免許」(24.9%)、3位「TOEIC」(19.4%)、4位「日商簿記検定」(17.2%) 、5位「ファイナンシャルプランナー」(10.3%) とポピュラーな資格が並ぶが、これらはやはり目指す業種や職種に関わる部分が大きいだろう。
転職活動でもっとも苦労したのは、「転職活動の時間がとれない」(27.5%)ことだった。確かに、会社に籍をおきながらの転職活動は制約が大きく、思うように動けないという事情はあるだろう。4位「周囲にバレずに転職活動を行うこと」(14.7%)や5位「現職の関係で面接の日程が決められない」(11.0%)も、そういった制約の一つといえそうだ。2位の「金銭面」(22.0%)も想像しやすい苦労だが、3位「不採用通知に落ち込んだ」(20.5%)は精神面での苦痛であり、なるほどと思わせられた。同様に半数以上の53.5%が、転職活動で挫折したことが「ある」としており、そのシビアな現実がうかがえる。
応募した会社の数は「1~4社」が約6割。10社未満が8割以上を占めているが、「30社以上」という猛者も4.8%いる。転職先が前職と同業種だった人は45.8%で、半数以上が異業種に。転職活動を行っていた期間、前職に在職中だった人は63.0%と、過半数が在職中に活動していた。
転職活動でもっとも参考にしたことは、「転職関連のウェブサイト」が44.0%と圧倒的1位となった。近年、転職市場の拡大と共にこれらのサイトもその存在感を増しており、この結果も大いにうなずける。また、「転職経験のある知人の意見」(17.9%)や「家族の意見」(17.2%)も目立っている。身近な経験者の発言は重みがあるということだろう。
さて、今回の「準備編」はいかがだったろうか。「転職活動は在職中に行う」ことや「転職サイト」を上手に利用すること、時には「不採用通知に落ち込」むことや「挫折」することさえも覚悟する必要があるなど、示唆に富んだ内容となっているのではないだろうか。次回は、第3回「退職編」をお送りする。
調査時期: 2018年10月12日~2018年10月18日
調査対象: マイナビニュース会員(20~30代会社員)
調査数: 400人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません