"転職"に対する捉え方は、年代によってどんな違いがあるのだろうか。今回は「年代別に聞いた"転職のホンネ"」をテーマに、20、30、40、50代以上の4つの年代に同じ質問をアンケート。全4回のシリーズでお届けする。1回目は「20代」。20代のマイナビニュースの男女会員156名にアンケートを実施し、その"ホンネ"を聞いてみた。

  • 20代編

Q.転職をしたことはありますか

「はい」(45.5%)
「いいえ」(54.5%)

Q.転職をした理由は何ですか。もっとも当てはまるものを教えてください(「転職をしたことはありますか」で「はい」の方にお伺いします)

1位「前職で給与や待遇に不満があったから」(23.9%)
2位「職場の人間関係を解消したいから」(18.3%)
2位「給与をアップさせたいから」(18.3%)
2位「労働時間や休日などの労働条件を改善したいから」(18.3%)
5位「キャリアアップがしたいから」(14.1%)
6位「自宅からアクセスのいい場所で働きたいから」(4.2%)
7位「その他」(2.8%)

Q.これまでの転職回数は何回ですか

1位「1回」(66.2%)
2位「2回」(19.7%)
3位「3回」(11.3%)
4位「4回」(1.4%)
4位「5回以上」(1.4%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、どれぐらいの期間を要しましたか

1位「約1カ月」(25.4%)
2位「約2カ月」(22.5%)
2位「半年」(22.5%)
4位「1年以上」(15.5%)
5位「約3カ月」(14.1%)

Q.「もっとも直近で転職を行った際、どれぐらいの期間を要しましたか」で「半年」「1年以上」の方にお伺いします。転職にその期間が必要となった原因は何ですか

1位「在職中に就職活動を行っていたから」(48.1%)
2位「いい会社がなかなか見つからなかったから」(22.2%)
3位「なかなか採用されなかったから」(18.5%)
4位「スケジュール管理がうまくいかなかったから」(7.4%)
5位「前の会社を辞めるか迷いがあったから」(3.7%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、転職先はどのようにして探しましたか。当てはまるものすべて教えてください(複数回答可)

1位「転職サイト」(59.2%)
2位「ハローワーク」(31.0%)
3位「転職エージェント」(26.8%)
3位「企業ホームページの求人」(26.8%)
5位「知人や友人の紹介」(22.5%)
6位「求人誌」(21.1%)
7位「その他」(1.4%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、何社の求人に応募しましたか

1位「1~4社」(69.0%)
2位「5~9社」(19.7%)
3位「10~19社」(8.5%)
4位「20~29社」(2.8%)

Q.もっとも直近で行った転職は、成功でしたか? 失敗でしたか?

「成功」(66.2%)
「失敗」(5.6%)
「どちらともいえない」(28.2%)

Q.「もっとも直近で行った転職は、成功でしたか? 失敗でしたか?」でお答えいただいた理由を教えてください

■「成功」

・「労働条件と賃金の向上が図れた」(29歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「安定している企業へ行けたので成功」(23歳男性/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)
・「転職理由である人間関係が改善された」(23歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「以前よりも環境が良くなり、仕事がしやすくなった」(28歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「待遇の面では良くなったので成功といえる」(27歳女性/百貨店/その他・専業主婦等)
・「自分の選択肢にはなかった仕事が候補に挙がり、入社してみたらエンタメ系・イベント会社で、ミーハーな私には興味津々な仕事だった」(22歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「精神的に楽になった」(28歳男性/不動産/事務・企画・経営関連)

■「失敗」

・「人間関係がいまいち」(25歳女性/その他/公共サービス関連)
・「前職を半年で辞めたからだと思います」(27歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「事前の情報とは違い、入ってみたら最低の会社だった」(29歳男性/設備工事/メカトロ関連技術職)

■「どちらともいえない」

・「仕事は楽になったが、給料が上がらない」(29歳男性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「キャリアアップにはなったが、労働時間がとても増えてつらい」(27歳女性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「まだ日が浅いのでわからない」(26歳男性/化粧品・医薬品/営業関連)
・「職場環境や人間関係は最高だが、給料が安い」(29歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「まあ、何とも言えない感じ。良かったこともあるけれど、悪かったこともありますね。そう理想通りにはいかないということですね」(25歳女性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)

Q.今後、また転職をしたいと思いますか

「はい」(26.8%)
「いいえ」(29.6%)
「わからない」(43.7%)

Q.転職をしない理由はなんですか。もっとも当てはまるものを教えてください(「転職をしたことはありますか」で「いいえ」の方にお伺いします)

1位「転職していい会社に入社できるか不安だから」(32.9%)
2位「転職活動の時間が捻出できないから」(21.2%)
3位「現在の職場の給与面に満足しているから」(11.8%)
4位「現在の職場の労働条件に満足しているから」(10.6%)
4位「現在の職場の人間関係に満足しているから」(10.6%)
6位「年齢的に転職への不安があるから」(5.9%)
7位「転職活動を行っている」(4.7%)
8位「その他」(2.4%)

Q.現在の会社での、勤続年数を教えてください

1位「4~5年以内」(35.3%)
2位「6~10年以内」(30.6%)
3位「2~3年以内」(23.5%)
4位「1年以内」(10.6%)

■総評

調査の結果、20代のマイナビニュース会員のうち、転職の経験がある人は45.5%、経験のない人は54.5%となり、半分弱の人が転職をしたことがあることがわかった。

転職経験者の転職理由は、「前職で給与や待遇に不満があったから」が23.9%で最多となった。2位は、「職場の人間関係を解消したいから」「給与をアップさせたいから」「労働時間や休日などの労働条件を改善したいから」が同率の18.3%で並んだ。5位の「キャリアアップがしたいから」(14.1%)までが2桁のパーセントを得ている。

これまでの転職回数を聞いたところ、1位は「1回」で、全体の3分の2近く(66.2%)の票を集めた。以下、2位「2回」(19.7%)、3位「3回」(11.3%)で、合わせて97.2%。今回は20代へのアンケートなので当然の結果とも言えるが、大多数の人が3回以内の転職回数であることがわかった。

直近で転職を行った際に要した期間は、1位は「約1カ月」(25.4%)となった。以下、2位「約2カ月」「半年」(各22.5%)、4位「1年以上」(15.5%)、5位「約3カ月」(14.1%)と続く。全体の6割以上(62.0%)は、3カ月以内に決着をつけていること明らかとなった。

直近の転職で「半年」「1年以上」の期間を要した人に、その期間が必要となった原因を聞いた。もっとも多かった回答は、「在職中に就職活動を行っていたから」で、48.1%と半数近かった。転職を目指していきなり現在の会社を辞めてしまうよりも、在職しながら転職先を探す方が安全だということは誰でも理解できる。その代わり転職活動のために費やせる時間は制約される、というデメリットは考慮する必要があるかもしれない。2位「いい会社がなかなか見つからなかったから」(22.2%)、3位「なかなか採用されなかったから」(18.5%)と続き、これらが理由のトップ3となっている。

直近の転職で、転職先を探すためのツールとしては(複数回答可)、全体の6割近くの票を集めた「転職サイト」(59.2%)がトップとなった。簡単にアクセスできて情報量も豊富。更新頻度が高く、新鮮な情報を得られる。業種や職種、自分が求める条件などで検索や絞り込みが可能など、利便性に優れており、忙しい中で転職活動をする人にとってはなくてはならないものだろう。

直近の転職で、何社の求人に応募したかを聞いた。1位は「1~4社」で、7割近く(69.0%)の人が回答している。以下、2位「5~9社」(19.7%)、3位「10~19社」(8.5%)、4位「20~29社」(2.8%)と続くが、やはり多くの人は応募社数のある程度の絞り込みを行っていることがわかる。

直近の転職への評価については、「成功」(66.2%)が3分の2近くを集め、「失敗」(5.6%)を大きく上回っている。ただ、「どちらともいえない」も3割近く(28.2%)あり、転職の真の成否は簡単には決められないと考えている人も一定数いるようだ。

転職が「成功」と考える理由としては、「給与が上がった」「労働条件や人間関係が改善された」「キャリアアップができた」などが目立った。先に転職理由で挙げられていた各ポイントが押さえられていることで「成功」と判断している人が多い。「失敗」に寄せられたコメントはごく少数だったが、「成功」とは裏腹に、期待していたものと違ってしまって落胆している様子がうかがえた。

「どちらともいえない」の理由には、「仕事は楽になったが、給料が上がらない」「キャリアアップにはなったが、労働時間が増えた」「職場環境や人間関係は良いが、給料が安い」などが寄せられている。転職理由だったポイントは改善されたものの、別の不満が見えてきたという点で、単純には割り切れない人が多いようだ。そのほか、「まだ日が浅いのでわからない」という、成否を判断するにはまだ時間が足りないという意見もあった。 今後、また転職をしたいと思うかとの問いには、「はい」(26.8%)と「いいえ」(29.6%)がともに3割弱で、拮抗している。「わからない」(43.7%)とする回答がもっとも多く、これは前問での、転職の成否が「どちらともいえない」とする回答と共通する感覚かもしれない。

転職をしない理由は、1位「転職していい会社に入社できるか不安だから」(32.9%)、2位「転職活動の時間が捻出できないから」(21.2%)となり、この2つで半数以上を占めた。また、3位「現在の職場の給与面に満足しているから」(11.8%)、4位「現在の職場の労働条件に満足しているから」「現在の職場の人間関係に満足しているから」(各10.6%)がともに10%台となり、この上位5項目で全体の9割近く(87.1%)を占めている。

最後に、現在の会社での勤続年数を聞いたが、1位「4~5年以内」(35.3%)、2位「6~10年以内」(30.6%)、3位「2~3年以内」(23.5%)、4位「1年以内」(10.6%)となり、これも20代対象のアンケートということで順当な結果といえるだろう。

20代といえば、社会人生活も仕事のキャリアもまだまだ始まったばかり。仕事への評価も、これからの頑張り次第で大きく変わっていく。同様に、転職に関しても短期間で判断できるものではなく、ある程度の時間をかけて答えを出していく性質のものだろう。今回のアンケートで転職の成否を「どちらともいえない」とする人が3割弱いたのも、そんな意識の反映なのかもしれない。

次回は、第2回「30代」をお送りする。

調査時期: 2018年12月12日~2018年12月20日
調査対象: マイナビニュース会員(20代会社員)
調査数: 156人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません