本連載の第199回では「Todoistを活用してタスク管理を効率化しよう」という話をお伝えしました。今回は一旦ツールから離れて、新社会人の皆様へのメッセージをお伝えします。
新入社員の皆さん、社会人としての第一歩を踏み出し、新しい環境に慣れるのは大変ですよね。どんな仕事を任せてもらえるか、どのようにスキルを磨いていけばいいかなど、不安がつきまとうかもしれません。また、先輩社員の活躍を見て「自分もこんな仕事をしたい!」と期待に胸を膨らませているかもしれません。しかし、入社したての頃から華々しく活躍できるかというと、残念ながら大半の方にとっては難しいのが実情です。
あなたが仮に大学や専門学校などでどんなに優秀な成績を収めていたとしても、それと「仕事ができるかどうか」は直接的にはリンクしません。厳しいことを言いますが、社会に出ると「全くゼロの状態」からのスタートになるため、入社して暫くの間は百戦錬磨の先輩社員たちからすると使い物にならないことがほとんどでしょう。
そのため、上司や先輩から振られる仕事がどのようなものであれ、まずは与えられた仕事をしっかりこなして、時間をかけて周囲からの信頼を築くことが最優先です。話はそれからです。
それでは、与えられた仕事をしっかりこなすためのポイントを見ていきましょう。
1. 細部に気を配る
多くの仕事がある場合にはチェックリストを作ることをお勧めします。 仕事の手順や確認事項をリスト化しておくと、漏れやミスを防ぐことができます。たとえばイベント運営を手伝う場合には会場準備、機材設置、参加者受付などのタスクをリストアップし、順番にチェックしていくことで、漏れを防ぐことができます。
また、仕事の進め方や意図が分からない場合は、遠慮せずに質問しましょう。ビジネスは時間が命です。時間をかけて中途半端なアウトプットを出すより、短い時間で稚拙なアウトプットを出すほうが遥かにマシです。なぜなら、早い段階でアウトプットを出した方が早くフィードバックを得られて、結果的に完成度が上がるからです。プロジェクトの進捗報告書を作成する際、報告すべきポイントや書式が分からない場合などは積極的に先輩や上司に質問して確認しましょう。
2. 仕事の優先順位を決める
時間は常に限られています。その中で「どの仕事から手を付けるか」を決めるのは重要なことです。優先順位を決める上では仕事の緊急性と重要性を考慮するのがよいでしょう。顧客へのメールの返信や、翌日の会議の資料作成など、緊急性が高いものを優先的に処理します。一方、将来的なプロジェクトの企画や、来週の報告書作成などは、緊急性が低いものとして一旦は後回しにすることができます。但し緊急度が低くても重要度が高いものは忘れずに対応することが求められるので気を付けましょう。
また、緊急度に関連して、仕事の期限を明確に把握し、スケジュールを立てるのも重要です。 今週金曜日に提出が必要なレポートと、来週水曜日に提出が必要な企画書がある場合、まずは金曜日のデッドラインに間に合わせるためにレポートを優先して作成し、その後に企画書に取り組むようにしましょう。
3. 効率的に仕事を進める
1日のスケジュールを立てる際、集中力が高い時間帯には重要な仕事を、短いスキマ時間には簡単なタスクを行うように計画しましょう。一般的には、朝は集中力が高いとされており、午前中のうちに企画書の作成や分析業務に取り組むことが効果的です。一方、お昼休み後や夕方の短い時間帯には、メールチェックや書類の整理などの簡単なタスクをこなすことが効率的です。但し、人によってはお昼や夕方の方が集中できるという場合もあるので、自身がどの時間帯で集中しやすいのかを見極めて、そこに合った働き方をしましょう。
また、当然ですが長時間働くと集中力が低下します。適度な休憩を取りながら、効率的に仕事を進めましょう。たとえば1時間単位で仕事を進めた後、5分程度の休憩を取り入れることで、集中力を維持することができます。また、昼休みに散歩をしたり、適度にストレッチを行ったりすることも、リフレッシュに役立ちます。
4. チームワークを大切にする
会社で働く以上は自分ひとりで全ての仕事が完結することはあまりありません。進捗状況や問題点を上司や同僚などとタイムリーに共有することで、チーム全体のスムーズな進行につながります。プロジェクトに参画しているなら、進行中のタスクについて情報共有のツールなどで都度、進捗状況を共有することで、チーム全体が同じペースで進むことができます。また、問題点や課題が発生した際には、速やかに他のメンバーに報告し、解決策を見つけることが重要です。
また、他のメンバーが困っていることがあれば自分から声をかけるなどして、助け合うのも大事です。 たとえば、あるプロジェクトで自分の業務が一段落した際、他のチームメイトがタスクに追われていることに気づいた場合、手伝いを申し出ることでチーム全体の作業がスムーズに進み、良好なチームワークが築くことに繋がります。
本稿では、まずは与えられた仕事をしっかりこなすことの重要性と、そのためのポイントをお伝えしました。ここでお伝えした内容を実践することで目の前の仕事をしっかりこなし、周囲から信頼されるビジネスパーソンになっていただけたら幸いです。