本連載の第197回では「ChatGPTを仕事でどのように使えるのか」という話をお伝えしました。今回はより具体的に、Chat GPTを使ったメール作成の効率化の仕方についてお話します。
取引先や上司、他部署などとのメールのやり取りが多く、文面を考えるのが大変という方は少なくないでしょう。伝えたい要点のみに絞ってやり取りできるのであればもっと楽に対応できるかもしれませんが、やはり失礼のないように相手を気遣った表現にしないと角が立つのではないかという不安は拭えません。
そこで今回は、AI技術を活用してメール文面の作成を効率化する方法についてご紹介します。具体的にはOpenAIが開発したAIチャットツールのChatGPTを使って、スムーズでプロフェッショナルなメールを作成する方法を解説します。
ChatGPTはOpenAIが開発した大規模な言語モデルです。インターネット上の膨大なテキストデータから学習を行い、自然な文章を生成することができます。また、質問に対する回答や文章の要約、英文校正など、さまざまな用途で利用することが可能です。これを活用すれば、あなたのメール作成の負担を軽減し、業務効率を大幅に向上させることが可能です。それでは具体的な活用方法について見ていきましょう。
1. メールの概要を入力する
ChatGPTを使ってメールを作成する際には、まずメールの概要を簡潔に入力しましょう。例えば、「プロジェクトの進捗報告」や「新製品の提案」など、メールの目的を明確に伝える言葉を選びます。これによってChatGPTはあなたの意図を正確に把握し、適切な文面を生成することができます。
2. 文面のスタイルを指定する
次に、メールの文面のスタイルを指定しましょう。フォーマルな文体かカジュアルな文体か、またはその中間かなど、相手や状況に応じて適切な文体を選ぶことが重要です。文体を指定することで、ChatGPTが適切な表現や言い回しを生成し、相手に合わせたメール作成を手助けしてくれます。
3. 必要な情報を入力する
メールに盛り込むべき情報や要点を列挙し、ChatGPTに入力しましょう。例えば、プロジェクトの進捗状況、達成目標、課題点、今後のアクションプランなど、相手に伝えたい情報を全て書き出します。その際はあくまでも要点を簡潔に記述すればよく、もちろん冒頭の挨拶や遠まわしな表現などは不要です。
4. 必要に応じて修正する
ChatGPTが生成した文面は、そのまま使えることもありますが場合によっては微調整が必要です。文章の内容や表現が適切かどうかをチェックし、必要に応じて手直ししましょう。また、自分の言葉で書いた方が適切な箇所は、AIの文章を参考にしながら編集します。
5. 異なるバリエーションを試す
ChatGPTは、入力されたキーワードやフレーズに基づいて、さまざまな文章を生成することができます。そのため同じキーワードを使って複数回文章を生成させることで、異なる表現やアプローチを試すことができます。Chat GPTで生成した文面の表現の仕方や文体などが想定から異なる場合には、ご自身で修正する前に再度生成することで、よりイメージ通りの文面を作成できるかもしれません。
それでは実際にChatGPTを使った例を見てみましょう。
ChatGPTへの指示内容
「ビジネスシーンで、上司にプロジェクトの進捗報告のためのメール文体を作成して。
プロジェクト名は「GPTプロジェクト」、現在の進捗は30%で予定より10%遅延。リカバリープランはタスクの見直し。」
以下、ChatGPTからの回答
件名: GPTプロジェクト進捗報告: 現在の進捗率30%、予定より10%遅延
[上司の名前] 様、
お疲れ様です。以下にGPTプロジェクトの進捗状況について報告いたします。
■プロジェクト名:GPTプロジェクト ■現在の進捗状況:30%(予定より10%遅延)
【遅延の原因】
・[具体的な遅延の原因を説明]【リカバリープラン】
タスクの見直し:チームメンバーと共にタスクの優先順位を再評価し、効率的に進められるよう計画を見直します。
[その他のリカバリープランがあれば記載]
今後のプロジェクトの進行については、定期的に報告させていただきます。遅延の影響を最小限に抑えるため、タスクの見直しを迅速に行い、適切な対策を講じます。ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
[あなたの名前]
[あなたの役職]
[会社名]
[メールアドレス]
[電話番号]
ここまでが、ChatGPTが書いてくれたプロジェクトの進捗報告メールの文面です。こちらの文面を元に必要な個所のみ加筆・修正すれば、文面をゼロから作成するより迅速かつ省エネで完了できそうですね。ぜひご自身のメール作成にChatGPTを使って仕事を効率化しましょう。