ネットアップはこのほど、オンラインカンファレンス「NetApp INSIGHT Japan」を開催した。本稿では、米NetApp CEOのジョージ・クリアン氏と、日本法人であるネットアップ 代表執行役員社長の中島シハブ・ドゥグラ氏によるキーノートセッションを紹介する。
データはデジタルビジネスの通貨
まず、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、クリアン氏は「組織が成功するためにはスピードと敏捷性が不可欠です。クラウドはデジタルビジネスを推進し、顧客と従業員を結び付けるプラットフォームであり、その中心にはデータがあります」と述べた。
そのうえで同氏は「データは、顧客、従業員、サプライヤーに対するデジタルビジネスの通貨になります。主要なクラウドプロバイダは、グローバルにおいて強力なエコシステムを備えた大規模なプラットフォームを構築しているため、当社はユーザーニーズを優先するため主要なクラウドプロバイダと提携することを選択しました」との認識を示す。
続けて「適切なデータを、適切な場所に、適切なタイミングで、利用するためのデータファブリックが必要となることから、これまでクラウドのデータサービス、ソフトウェア、システムのラインアップを揃えて、データでビジネスをリードしてきました」と、クリアン氏は胸を張る。
同社ではAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Alibaba Cloudなどのパブリッククラウドと、500以上のクラウドプロバイダにまたがるエンドポイント間で一貫した機能を提供するアーキテクチャと一連のデータサービスを「データファブリック」と位置付けている。
昨年から今年にかけて同社は、パブリッククラウドサービスではSpot、Talon、Cloud Jumperの買収とクラウドストレージ機能を強化し、アプリケーションの特性に合わせたインフラのプラットフォームを確立したほか、Amazon S3互換のオブジェクトストレージ機能である「ONTAP S3」を搭載した最新版のストレージOS「ONTAP 9.8」の提供を開始。
日本では、昨年7月から新たなサブスクリプションモデル「Keystone」の提供を開始し、継続的なソフトウェアのイノベーションに取り組み、サイバーエージェントやヤフーなどのクラウド活用を支援し、富士通との関係は年々進化を続けているという。
同氏は「企業のデータセンターとハイブリッドクラウドで効率的なソリューションを構築するために、ラインアップを新しく統合しています。日本では自動運転技術やエネルギーの最適化、脱炭素社会などに向けて多くの投資が行われ、社会的責任の課題に取り組んでいます。当社は、企業・組織がデータファブリックを構築できるように支援し、これらの取り組みに貢献していきます」と力を込めていた。