LINEは12月5日、LINEアプリ上で昨年開始した外部メディア向け情報配信サービス「LINE アカウントメディア プラットフォーム」の新たな取り組みを発表した。

LINE 上級執行役員 メディア担当 島村 武志氏

有料記事配信や、ネイティブアド配信などの機能を追加し、外部メディアのマネタイズを支援するほか、記事露出面の増強などによりユーザー獲得支援も拡大する。

外部メディア4200万購読、Facebookの4.4倍に

発表会に登壇したLINE 上級執行役員 メディア担当 島村 武志氏はまず、LINE アカウントメディア プラットフォームのこの1年の実績を紹介。外部メディアのアカウントに対する累計購読者数が4200万人を突破したことを明かした。この数値は、Twitterの約3.2倍、Facebookの4.4倍になるという。

また、登録メディアの数は120に拡大。なかでも地方紙は36紙に上り、国内最大規模となっている。

加えて、一般受けするニュース・エンタメ情報よりも、趣味・専門情報が多い点にも言及。登録後6日以上経過したユーザーの90日定着率が77%と高い数値を残していることも挙げ、同サービスが掲げる「”最大公約数”だけでなく、”最小公倍数”のためにも」という理念に向けて、一部ユーザーを対象にした深い情報提供も実践できていることを強調した。

Media Topでファン拡大へ

LINE アカウントメディア プラットフォームの施策について、島村氏は、大きくユーザー獲得支援とマネタイズに分けて紹介した。

ユーザー獲得支援策に関しては、公式アカウントのホーム画面を「Media Top」として改修し、現在購読者のタイムライン上にプッシュ配信している8本以外のニュース記事も配信できるように変更する。

また、LINE NEWSトップページ内に11月に新設された話題ランキング内では、各トピックスに関連する記事が一覧で表示される仕組みを追加。ユーザーが、より多くのメディアに接触しやすい構成になっている。

文春の有料配信開始、ユーザーの質で広告分配金変動

一方、マネタイズに関しては、「DIGEST Spot」と呼ばれるネイティブアド広告枠を外部メディアが追加できるようになるほか、来年1月には「Premium Article」という名称で有料記事配信機能も用意する。

Premium Articleは、記事単位、号単位で配信することが可能で、決済にはLINEコインを使う。第一弾として週刊文春の販売が決定。発売日前日の短文予告を見て事前に購読予約できる「予約型課金」機能が用意されており、ユーザーにとっては、誌面発売当日の朝にいち早く読めるというメリットがある。

さらにマネタイズ面の新機能として、来年3月にエンゲージメントランクを導入することも発表。ユーザーのアクティビティを指標化し、それをユーザー満足度と捉えて、コンテンツの有益性を評価していく。この数値に応じて広告収益の分配率も変更する方針で、外部メディア:LINEの収益配分は最小で50:50、最大で80:20になるという。

島村氏は、「ユーザーと媒体の関係性が深いほど高いレートが出る仕組み。釣り文句に誘われて見てしまっただけなのか、しっかりとファンになって見てくれているのかを判定したい。現状では、多くの記事を配信した方が閲覧数も増えて、広告収益もあがる可能性が高いが、一部の人に向けた満足度の高い記事も評価していきたい」と語り、良質なメディアを支援していく姿勢を示した。