KDDIは9月27日、クラウド型遠隔作業支援システム「VistaFinder Mx Cloud」を30日より提供すると発表した。同システムは、エネルギーや鉄道、マスコミ、ビル管理などの現場作業者をサポートするもので、動画中継とARにより、視覚的に遠隔地から作業指示が行える。
契約期間は1年で、初期費用が10万円~、年額33万8000円~となる。年額の内訳は、サーバー利用料が5万4000円、アプリ利用料(iPadかiPhone 2台分)が8万4000円、システム保守サポート料が20万円。対応端末はWindows PC(本部側のみ)とiOSデバイスで、Androidは今後対応を検討するとしている。なお、海外の現地法人向けにも提供する予定で、当初は中国・米国から、提供国は今後も拡大するという。
2008年より提供を開始した「VistaFinder」はPC同士の中継、2012年より提供を開始した「VistaFinder Mx」ではスマートデバイスによる中継が可能となっており、AR機能についても2014年に対応した。これまではオンプレミスで接続管理サーバーを用意するなど導入まで2カ月を要していたが、KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)を活用したクラウドサービス化で導入期間を約2週間にまで短縮した。
一般的なライブストリーミングアプリと異なる点は「高画質動画転送技術」と「AR技術」だ。前者は、KDDI研究所が開発した映像圧縮伝送技術を活用し、不安定なモバイル回線の環境であっても安定的かつ高品質な動画中継を実現する。通常のエンコードでは像が崩れてしまうようなビットレートであっても、KDDI研究所が特許を取得している独自技術によって安定化している。