そろそろ1枚引きには慣れてきたでしょうか? 皆さんの中には「1枚だけでいいのかな? 」「これでちゃんと占えているのかしら? 」「もっとたくさんのカードを並べた方がかっこいいのに」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。

1枚引きは、もっともシンプルに問題の核心を占える方法で「究極の1枚引き」と言われているほどです。でも、占いたい内容によっては複数枚で占う方が適している場合もあるんです。ですから、今回は1枚引き以外のスプレッド、つまりカードの並べ方にチャレンジしてみましょう。

1枚引き以外のスプレッド

スプレッドには「こうしなくてはいけない」という決まりはないのですが、まずはよく使われているスプレッドをご紹介しましょう。

ただ、複数のカードをリーディングしようとすると、違う意味のカードが並んで混乱することがよくあります。その場合は、1枚1枚を個別に解釈するのではなく、カードとカードからストーリーを作るようにリーディングすると占いやすくなりますよ。どのようにストーリーを作ればいいか、リーディングのサンプルも参考にしていただければ幸いです。

占う手順や注意点は1枚引きと同じです。詳しくは第3回を参照してください。

スリーカードスプレッド

まずは「スリーカードスプレッド」です。3枚のカードを横一列に並べて占います。さまざまな質問内容に対応できる便利なスプレッドです。占う前に、3枚のカードそれぞれで何を想定して占うか、設定を具体的に決めておきましょう。例えばこのように決めます。

■すてきな男性に巡り合える時期を知りたい。
【カードの設定】「3カ月以内」「半年以内」「半年以上先」

■彼のバースデープレゼントの予算を決めたい。
【カードの設定】「1万円」「3万円」「5万円」

■彼とうまくいっていない。これからどうなるか知りたい。
  【カードの設定】「1カ月後の自分の気持ち」「1カ月後の彼の気持ち」「アドバイス」

他にも、「現在」「過去」「未来」、「20代」「30代」「40代」など、テーマを自由に設定できるのがこのスプレッドの魅力です。では具体的に占ってみましょう。

【相談内容】元彼によりを戻そうと言われた。今の彼との間で揺れている。どうしたらいい?
【カードの設定】「元彼とよりを戻したらどうなる? 」「今彼と交際を続けたらどうなる? 」「アドバイス」

結果は、「元彼とよりを戻したらどうなる? :死神」「今彼と交際を続けたらどうなる?:ペンタクルの8」「アドバイス:魔術師(リバース)」となりました。これをリーディングしていきます。

あなたは元彼に未練があるのですね。彼とよりを戻せば、その未練に終止符を打つことになりますが、いざよりを戻してみたら「つまらない男だった」なんていうことがありそう(死神)。一方で今の彼と交際を続ければ、地道に愛を育てていけるでしょう(ペンタクルの8)。

あなたはそんな彼との堅実な愛に不安や退屈を感じ、新たな展開を求めているようです。今の迷いの原因は、あなたの優柔不断な心にあります(魔術師・リバース)。自分にとって一番大切なものは何かよく考えてみましょう。

ホースシュースプレッド

最後に「ホースシュースプレッド」です。馬の蹄鉄のように、アルファベットのU字型に7枚のカードを並べます。左上から右上に向かって「過去」「現在」「未来」「取るべき行動」「周囲の状況」「障害」「最終結果」です。多角的に問題を分析したいケースに向いています。では、占ってみましょう。

【相談内容】付き合って半年の彼にプロポーズされた!この人と結婚してもいいの?

ホースシュースプレッドで占ってみた結果

結果は、「過去:ワンドのページ(リバース)」「現在:カップの4」「未来:ワンドの6」「取るべき行動:ペンタクルの3(リバース)」「周囲の状況:ワンドの9」「障害:カップのエース(リバース)」「最終結果:カップの9(リバース)」となりました。では、リーディングしていきます。

出合った時から彼には少々押しの弱いところが。(ワンドのページ・リバース)。あなたは相手に愛情を注ぐタイプなので、彼に物足りなさを感じていそう(カップのエース・リバース)。どうも彼との結婚生活がピンとこないのでしょう(カップの4)。

一方で、周囲はあなたの結婚を望んでおり、それがプレッシャーになっています(ワンドの9)。あなたと彼、周囲の想いにズレがあるようです。気持ちを合わせることが大事です。(ペンタクルの3・リバース)。そうすることで、結婚は祝福されるものになるでしょう。(ワンドの6)。

ですが、現在の状況では自分が望む幸せを手に入れられるような気がしません。(カップの9・リバース)。もう少し時間をかけて彼と話し合い、お互いの気持ちや結婚への想いを確認してみましょう。

12カ月スプレッド

次の12カ月スプレッドは、時計の文字盤の数字の位置に12枚のカードを並べて行います。9時の位置がひと月目(始まりが1月でなくても構いません)で、そこから反時計回りに並べて10時の位置が12カ月目になります。

中心に「アドバイスカード」として、13枚目を引きます。1年間の運勢を見るのに使います。相談内容を「出合いがありそうな月」「転職によい月」というように具体的にすると、細かいタイミングを知ることができます。

その他にもヘキサグラムやケルト十字など、数多くのよく知られたスプレッドがあります。いろいろと試してみると良いでしょう。数を重ねているうちに、自分に合ったスプレッドが分かるようになりますし、この質問にはこのスプレッドというように、質問内容からスプレッドを選べるようになってきますよ。「習うより慣れろ」。じゃんじゃん占ってみてください。


<著者プロフィール>
目黒アンジェリカ ジューヨン
答えてあげてもいいわよ。占いをする、少しいぢわるな小さい人たち。目黒川のほとりに住みついた、占いをする妖精……それが、目黒アンジェリカ。
ジューヨンは、南の河口に住むタロットカード占いが得意な妖精。氷の国の魔法使いに会いに出かけていることが多い。悩んでいる人には親切なアドバイスを伝える。おいしいケーキを焼くが、アルコール燃料で生きている。
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