タロット占いのいろはを紹介していくこの連載。前回は「タロット占いとは何か」についてお話しましたが、今回は実際にカードを手にしてみましょう。まずは、入手の方法や選び方からお話します。

カードの選び方・買い方

本屋さんの占いコーナーに行くと、解説書とセットになったカードが売られていることが多いようです。初めての人にはとても便利ですが、セットのカードが、大アルカナ22枚だけの場合がありますので、購入する際には、小アルカナを含む78枚のものを選んでほしいと思います。

最も手軽なのはオンライン書店でタロットカードを検索し、購入する方法です。初心者の方は、ライダー版あるいはウェイト版と呼ばれているものが使いやすいでしょう。基本のタロットとして取り上げている解説書も多く、絵柄から具体的なストーリーをイメージしやすいという利点があります。このコラムでもライダー版を想定してお話します。

また、占い用品のサイトには、外国の珍しいカードを取り扱っているところもありますので、のぞいてみると楽しいでしょう。解説書は、本屋さんや図書館で手に取ってみて、自分に合うと感じたものを選ぶと良いと思います。

カードと一緒に準備してほしいのが専用のクロスです。これは、占いの時にカードを並べるためのものです。カードを汚したり痛めたりしないようにという目的の他に、占い時に悪いものが入ってこないように、結界を張るという意味合いもあります。オンラインショップで購入できますが、ご自分で生地を選び、手作りされる方もいらっしゃるようです。

その際は、大き目に作ると便利です。表はカードが滑りやすく、裏は机の上を滑りにくい素材がいいでしょう。濃い色目の物や無地に近い物を選ぶとカードの絵柄が引き立ち、メッセージが目に入ってきやすくなります。  

カードと仲良くする方法

さぁ、とうとうカードがあなたの元にやってきました! 早速、封を切って触ってみましょう。ここからはカードと仲良くなる方法についてお話します。

1、眺める
1枚1枚、眺めてみましょう。不思議な感じ、元気な感じ、暗い感じ。真面目そう、幸せそう、意志が強そう。心が落ち着く、わくわくする、悲しくなる。そんな風に、自由に感じてみましょう。それぞれのカードを、自分の恋愛に重ねて感じてみるのも、良いトレーニングになってオススメです。

2、観察する
カードに描かれているものを観察してみましょう。例として、0番の「愚者」を見てみると、崖っぷちを歩く人物が描かれています。今にも足を踏み外しそうです。それでもその人物は足元を見ようとせず、空を見上げ、心楽しげです。持ち物は小さな荷物だけ。片手には一輪の花。足元の犬は、危ないと知らせているのでしょうか。太陽はさんさんと輝き、彼方には雪を頂いた峻厳な山並みが見えます。

このように、1枚1枚を細かく観察すると初めは目に入らなかったものがだんだん見えてくるようになります。構図や色、シンボルに注目してみると興味深い事に気づくかもしれませんよ。

3、並べる
78枚のカードを規則性に従って並べてみましょう。これは、カードをリセットして浄化する方法としても使えるので、手早くできるようになると便利です。

まず、22枚の大アルカナを0番の「愚者」から21番の「世界」まで、数字の順に並べます。 13番の「死神」までが人間界で、14番の「節制」からは天使界です。0番の愚者は人間界での旅を終え、13番で死神となり天使界に再生する、というストーリーが読めます。並べた0から21までのカードに、自分なりのストーリーを思い描いてみると良いでしょう。

次に、56枚の小アルカナを並べます。小アルカナは、トランプと同じような構成になっています。

棒(ワンド)、聖杯(カップ)、剣(ソード)、金貨(ペンタクル)の4種類のスートに、それぞれ、エースから10までの10枚のカードと、ペイジ、ナイト、クイーン、キングの4枚の人物カードがあります。小アルカナも、エースから10までが一つの物語になっているので、絵からストーリーをイメージしてみてください。

これらはすべて、実際に占う時にとても役に立つワークです。ちょっとの時間に少しずつ慣れ親しんでおくといいですよ。

使い終わったカードは、よくシャッフルしてから保管しましょう。購入した晩は、きれいな布やハンカチに包んで枕元に置いて寝ると、カードと仲良くなれると言われています。試してみてはいかがでしょうか。

次回は、いよいよ占ってみましょう。シャッフルの方法や占う時の注意点などについてお話しますね。


<著者プロフィール>
目黒アンジェリカ ジューヨン
答えてあげてもいいわよ。占いをする、少しいぢわるな小さい人たち。目黒川のほとりに住みついた、占いをする妖精……それが、目黒アンジェリカ。
ジューヨンは、南の河口に住むタロットカード占いが得意な妖精。氷の国の魔法使いに会いに出かけていることが多い。悩んでいる人には親切なアドバイスを伝える。おいしいケーキを焼くが、アルコール燃料で生きている。
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