海外の方からも称賛されることが多い日本人のお辞儀文化。ビジネスシーンでも、挨拶、お礼、謝罪、などお辞儀をする機会はとても多い。前回に引き続き、ANAビジネスソリューションの川上美佐子さんに「良い印象を与えるお辞儀」についてお話を聞いてみた。
語先後礼とは?
――お辞儀にはいくつか種類があるのでしょうか。
はい。お辞儀には「会釈・中礼・最敬礼」という3つの種類があります。基本的に、会釈は「次の動作に移るときやすれ違うとき」、中礼は「初めて会う人やお客様、上司に挨拶をするとき」、最敬礼は「お詫びや深い感謝を示すとき」に行います。
――時と場合によって使い分けする必要があるんですね。
そうですね。また、私どもは「語先後礼」をお勧めしています。「ありがとうございます」など先に挨拶の「語」を伝えてから、「礼」を行うお辞儀の仕方です。相手の目を見てきちんと言葉と敬意を伝えることができます。言葉とお辞儀を同時に行う「同時礼」の方法もありますが、語先後礼の方が丁寧で印象に残る挨拶ができます。
首と背中は一枚板
会釈
【POINT】
・角度は約15度
中礼
【POINT】
・角度は約30度
・1、2で上体を下げ、一呼吸おいて3、4、5で上げる
最敬礼
【POINT】
・角度は約45度
・1、2、3で上体を下げ、一呼吸おいて4、5、6、7で上げる
綺麗なお辞儀のコツは、頭だけを下げないことです。頭から腰までの上体を1枚の板のようにまっすぐ前方に倒すことを意識してください。また、上体を戻すときは、一呼吸おいてゆっくり上げると心のこもった美しい印象になります。
取材協力:ANAビジネスソリューション
ANAグループで、主に、教育・研修事業、人材派遣事業、ANAエアラインスクールの運営などを行う。
教育・研修事業では、ANAグループのノウハウを活かした「接遇&マナー」「ヒューマンエラー対策」「訪日外国人おもてなし」「ユニバーサルサービス」などの研修商品を展開。メーカー、医療機関、自治体など、あらゆる業種業態から依頼を受け、企業・個人に向けた研修を行っている。また、「ANAの口ぐせ」「ANAの気づかい」「ANAの教え方」など、ANAグループのノウハウを書籍でも紹介しており、これらシリーズは累計14万部を突破するベストセラーとなっている。