ビジネスの場で初対面の人と会う時、ほぼ必ず行われる「名刺交換」。慣れてくると、なんとなく流れで済ましてしまうことも多いが、ここにも印象を変える「正しい立ち居振る舞い」がある。前回に引き続き、ANAビジネスソリューションの川上美佐子さんにお話を伺った。

名刺は人の「分身」

――美しい名刺交換のコツなどはありますか?

名刺は単なる紙ではなく、「人の分身」という考え方があります。そのため、名刺は体の低い位置で扱わず、「胸の高さ」で大切に扱います。

――「相手よりも低い位置に出す」と言う人も多い気がするのですが……。

その考え方も間違いではないのですが、基本的には名刺は胸の高さで扱うことが、ビジネスマナーとしてはより適切です。お互いに同じ高さで交換した方がスムーズですし、胸を張ったきれいな姿勢で交換することが、信頼に値するスマートな印象につながります。

――たしかに、私もお互い下に下に出そうとして頭がぶつかりそうになったことがあります。

では、実際に美しい名刺交換を見ていきましよう。

美しい名刺交換

1. 胸の位置で名刺を持ち、社名、フルネームを伝える

  • 名刺は低く出す! は間違い? 美しくスマートな名刺交換の仕方

    最初は相手と目を合わせる

【POINT】
・相手の目を見る

2. 交換をする時は、右手に名刺、左手に名刺入れを持つ

  • 名刺は低く出す! は間違い? 美しくスマートな名刺交換の仕方
  • 名刺は低く出す! は間違い? 美しくスマートな名刺交換の仕方

    交換している時は手元を見る

3. 受け取った名刺を胸の高さで持つ

  • 名刺は低く出す! は間違い? 美しくスマートな名刺交換の仕方

    名刺を受け取ったら相手の目を見る

【POINT】
・相手の目を見る
・相手の名前をフルネームで確認し、挨拶の言葉を添える
・相手の名前が読めない場合はその場で確認する

ポイントは目線です。最初に相手の目を見て、交換する時は手元に目線を移し、名刺を受け取ったら改めて相手の目を見ましょう。動作の最初と最後は相手と目線を合わせる、というのが美しい立ち居振る舞いの基本です。

取材協力:ANAビジネスソリューション

ANAグループで、主に、教育・研修事業、人材派遣事業、ANAエアラインスクールの運営などを行う。
教育・研修事業では、ANAグループのノウハウを活かした「接遇&マナー」「ヒューマンエラー対策」「訪日外国人おもてなし」「ユニバーサルサービス」などの研修商品を展開。メーカー、医療機関、自治体など、あらゆる業種業態から依頼を受け、企業・個人に向けた研修を行っている。また、「ANAの口ぐせ」「ANAの気づかい」「ANAの教え方」など、ANAグループのノウハウを書籍でも紹介しており、これらシリーズは累計14万部を突破するベストセラーとなっている。