「メラビアンの法則」をご存知だろうか。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの研究によると、話し手が聞き手に与える影響のうち、「言語情報(話している内容)」が7%、「聴覚情報(話し方、声のトーンなど)」が38%、「視覚情報(表情や立ち居振る舞い、見た目など)」が55%で構成されているのだと言う。つまり、どんな素晴らしいトークを繰り広げても、身だしなみがだらしなかったり姿勢が悪かったりすると、相手の受ける印象は半減してしまうのだ。

  • 第一印象は最初の「15秒」で決まる! 良い印象を与える立ち方、歩き方とは

    ANAビジネスソリューション 川上美佐子さん

では、「良い印象を与える立ち居振る舞い」とはどのようなものなのか? 企業向けに「接遇&マナー研修」などさまざまな研修プログラムを提供する、ANAビジネスソリューションの川上美佐子さんにお話を伺った。

第一印象は15秒で決まる

キャビンアテンダントと言えば、不安定な航空機内でも常に凛とした美しい姿勢で立ち振る舞う姿に「接遇のプロ」というイメージを持つ人も多いだろう。「キャビンアテンダントは、どんな時もお客様に安心を感じていただける存在でなければなりません。とくに、お客様との最初の出会いであるお迎えの際の第一印象は大切です。私達は"第一印象は15秒で決まる"と考えています」そう話す川上さん自身も、ANAでキャビンアテンダントとして勤務した経験を持つ。

――第一印象は15秒……あっという間ですね。

そうですね。たとえば、初対面の相手と商談する際、まずは笑顔、気持ちの良い声のトーン、丁寧なお辞儀を添えて挨拶ができれば、間違いなく良い印象を持っていただけます。すると、その後の話し合いもスムーズに進むでしょう。

――なるほど。第一印象はその後を大きく左右するのですね。

ではさっそく、さまざまな場面ごとの「美しい立ち居振る舞い」を見ていきましょう。

まずは基本の立ち方・歩き方

■立ち方

  • 第一印象は最初の「15秒」で決まる! 良い印象を与える立ち方、歩き方とは

    良い例

  • 第一印象は最初の「15秒」で決まる! 良い印象を与える立ち方、歩き方とは

    悪い例

【POINT】
・かかとをつける
・胸を自然に張り、背筋を伸ばす
・両肩は力を抜いて、心持ち下げる
・両腕は自然に下ろし、手は指を揃えスカート(ズボン)の両側の縫い目に添える
・あごを引き、視線は水平か、やや下に向ける

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    良い例

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    悪い例

あごが上がると、目線が高くなります。すると、高くなった目線が相手を見下ろしているような印象を与えます。あごは軽く引いて相手と目線の高さが合うように意識しましょう。

■歩き方

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    正しい歩き方

【POINT】
・あごを引き、胸を張り正面を見る
・膝を伸ばし、かかとから下ろすように歩く
・身体を上下左右に振らないように颯爽と歩く

1本の線を意識して、まっすぐ歩くことが大切です。下を向かず正面を見て、かかとを引きずらないよう注意しましょう。

取材協力:ANAビジネスソリューション

ANAグループで、主に、教育・研修事業、人材派遣事業、ANAエアラインスクールの運営などを行う。
教育・研修事業では、ANAグループのノウハウを活かした「接遇&マナー」「ヒューマンエラー対策」「訪日外国人おもてなし」「ユニバーサルサービス」などの研修商品を展開。メーカー、医療機関、自治体など、あらゆる業種業態から依頼を受け、企業・個人に向けた研修を行っている。また、「ANAの口ぐせ」「ANAの気づかい」「ANAの教え方」など、ANAグループのノウハウを書籍でも紹介しており、これらシリーズは累計14万部を突破するベストセラーとなっている。