ひまわり証券で提供しているシステムトレード用高機能ツール「トレードシグナル」には、200を超えるテクニカル指標が搭載されています。テクニカル指標は、過去の価格や出来高などのパターンから将来の値動きを予測しようとするテクニカル分析で用いられる他、システムトレードの売買ルールにも活用されます。
本連載は、まだFXや先物取引を始めて間もない方や、現在勉強中だという方を対象に、毎回、ある1つのテクニカル指標をピックアップし、知識編・実践編の2回に分けてご紹介していきます。知識編では、その指標の概要を解説し、値の求め方や一般的な使用方法をお伝えします。実践編では、システムトレードで活用できるよう、知識編でご紹介したテクニカル指標を用いた売買ルールのプログラミングに挑戦します。
第1回目となる今回は、テクニカル指標の代表格とも言える、オシレーター(逆張り)系指標の一つ「RSI」をご紹介します。
指標解説
「RSI(Relative Strength Index)」は、直近の一定期間内における価格の上昇・下落の強さを測り、買われ過ぎ・売られ過ぎを判断するオシレーター系指標の一つです。1978年に、相場の転換を見極めようとしたWelles Wilder(ウェルズ・ワイルダー)氏によって考案され、現在では、指数移動平均を使用するものや単純移動平均を使用するものなど、算出方法の異なる多くの種類が存在しています。日本語では"相対力指数"と訳されています。
- RSIは0~100%の範囲で推移
- 一般的な水準としては、70%以上が買われすぎ・30%以下が売られ過ぎと判断
- 一定期間について考案者のワイルダー氏は、14日間を推奨(α=1/14)
算出方法
一定期間(N日)における、"上昇した値幅の合計"と"下落した値幅の合計"の比率から値を算出します。
■WilderのRSI
元祖として考案されたRSI。修正指数平滑移動平均を使用しているのが特徴です。
RSI(%)
=値上がり幅の指数移動平均(α) ÷ (値上がり幅の指数移動平均(α) + 値下がり幅の指数移動平均(α)) × 100
(※Wilder推奨 ⇒ α=1/14)
■CutlerのRSI
現在、RSIと一般的に呼ばれる指標は、Cutler氏の提唱した単純移動平均を使用したものを指すことが多いようです。
RSI(%)
= N日間の値上がり幅合計 ÷ (N日間の値上がり幅合計 + N日間の値下がり幅合計) × 100
RSI(%)
= 100 -( 100 ÷( 1 +( N日間の値上がり幅合計 ÷ N日間の値下がり幅合計 ))
「トレードシグナル」に用意された指標
上記でご紹介したWilder氏のRSIと、Cutler氏のRSIの2つのRSI指標のほか、「トレードシグナル」には、そこから派生した3種類の指標を備えており、計5つのRSI指標がご用意されています。
- RSI…Wilder考案RSI(修正指数平滑移動平均を採用)
- RSI クラシック…Cutler考案のRSI(単純移動平均を採用)
- RSI インバースフィッシャ-…RSIを加重平均化して指数化したもの
- RSI ダッシュボード…5分足、15分足、1時間足、日足、週足インターバルのRSI表示
- RSI 移動平均…RSI値をある一定期間において単純移動平均化したもの
次回「RSI実践編」では、今回ご紹介したRSI指標を用いて、システムトレードのプログラミングに挑戦していきます。
-「実践編」へ続く-