いまなお昭和の雰囲気を残す中央線沿線の穴場スポットを、ご自身も中央線人間である作家・書評家の印南敦史さんがご紹介。喫茶店から食堂まで、沿線ならではの個性的なお店が続々と登場します。
今回は、荻窪のカフェレストラン「ジュノン」をご紹介
-
昭和から続くレトロなレストラン「ジュノン」(荻窪)
青梅街道の真下にこんな広い空間が!?
荻窪駅北口から、新宿を背にして青梅街道を直進すると、5分ほどで左側に杉並公会堂が見えてきます。杉並区と友好関係にある、日本フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズホールとして有名。
そんな公会堂のちょっと手前、ローソンの並びにレトロなお店があることに気づいていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
-
レトロなロゴマークもいい感じ
実は地元民である僕にとっても、数十年以上気になっていたお店だったんです。「なら入りゃいいじゃねーか」とツッコミが入りそうですが、どことなく入りづらくもあってですね。
地下だし、もし秘密結社のようなところだったらどうしようかと思って(そんなわけない……っていうか、どんな秘密結社だよ)。
でも、編集者のFくんとランチミーティングをすることになっていたある日、せっかくだからということで入ってみることにしたのでした。秘密結社だったとしても、Fくんを盾にすればいいし(だから違うって)。
-
手書きメニューがお出迎え
まず目についたのが、入り口のホワイトボードに書かれた食事メニューの充実っぷりです。
「本日のLunch Menu」はAからDまで4種類。Dはすでに売り切れてますね。それに加えて「焼塩鮭」「トースト ベーコンエッグ ミニサラダ付」も。塩鮭からトーストまでとは、ものすごい振り幅ですなあ。
さらに下に目をやれば、「人気No1 オムライス 900 たまごはくるっと巻くタイプ」「売切御免! 煮豚 1,000」など、定番メニューもバラエティ豊か。
-
正統派の洋食バリエーション
初めてメニューを確認したけど、これは料理に自信がありそうです。
なお、よく見ると「Sice 1978」の文字が。もっと前からあったような印象があったのだけど、いずれにしても今年で43年目。昭和から平成、そして令和へと生き抜いてきたわけですね。
これは期待できるのかも(何十年も二の足を踏んできたくせに)。
-
階段を降りていくと……
階段を降りて店内に足を踏み入れると、予想以上の広さにビックリ。すぐ右側がカウンターになっていて、左側は奥までフロアが広がっています。つまり、青梅街道の真下にゆったりとした空間があるということ。
-
入るとすぐ右にカウンター
山小屋っぽい雰囲気もある店内はテーブルの間隔も広く、奥にはアップライトピアノも。老舗ならではの風格というか、余裕のようなものを感じさせます。
予想以上に広く余裕のある店内
さて、カウンター脇の大きなTVモニターが映し出す都知事会見をバックに打ち合わせをしていたら、注文したランチB「海老と白身魚のフライ」がほどなく登場。
-
この日のランチBは「海老と白身魚のフライ」
ライス、みそ汁お変わりOK、ドリンクバー付で950円とは、悪くないコスパです。それに、洋食メニューにみそ汁がついてくると、それだけでうれしくなっちゃいませんか? 僕はなるよ。
-
日本の洋食にはみそ汁です
看板で強くアピールしているだけあり、料理のクオリティも文句なし。際立った特徴があるわけではありませんが、“日本の洋食”としての基本をしっかりと守り通しているような印象です。
-
見た目もそそる海老フライ
13時半を過ぎてもなお、お客さんがぽつぽつと入ってくることにも納得。みんな、このお店のクオリティの高さを知っているんですね。
食後はドリンクバーでアイスティーをいただきつつ、打ち合わせが長引いたため数時間居座ってしまったのですが、それでも追い出そうとしたりせず、放っておいてくれるのもありがたい。
-
古い時計もアクセント
そういえば前にFくんと駅向こうの「珈里亜」に行ったときも、いい感じで放っておいてくれたっけ。荻窪のお店は、そのあたりに寛容なのでしょうか?
っていうか、Fくんと打ち合わせをすると、どうして時間が経ってしまうんだろう?
-
圧倒的存在感
ちなみにジュノンはパーティー利用もセールスポイントにしているようですが、たしかにここなら数十人のパーティーは余裕でできそうです。そういう意味でも、一日も早いコロナの収束を願うばかり。ここでパーティーやってみたいもんね。
●カフェレストラン ジュノン
住所：東京都杉並区上荻1-23-1 白鳥ビルB1
営業時間：11:45～22:00(L.O. 21:00)※ランチタイムは15:00まで
定休日：基本的に日曜日／祝日／1.3.5土曜日
