よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属、結成7年目を迎えたお笑いコンビ・空気階段。過去には「キングオブコント」準決勝まで2度も勝ち進み、TBSラジオ「マイナビ Laughter Night」のチャンピオンライブでは2連覇も達成している。

今年3月24日には、ヨシモト∞ホールにおけるランキングシステム最上位「ファーストクラス」の顔となる5組「TOP5」にも新加入。同じくTOP5の座に就く横澤夏子・コロコロチキチキペッパーズ・おかずクラブ・ゆにばーすと並び、さらなる活躍を期待されている。

そして昨年、ボケを担当する鈴木もぐら氏は結婚し、さらにはパパになったという。順風満帆な芸人ライフを歩んでいるようにも見える同氏だが、一方では“借金600万円”など、なかなか気合いの入った「クズ」っぷりも話題になっているのだとか。

本連載では、そんな鈴木もぐら氏が自身の生活を見直し、新たな人生を歩んでいくためのエッセンスを探る過程を追いかける。

  • 女性のためのお金の総合クリニック、FPwomanのオフィスを訪れた鈴木もぐら氏

今回は、出産や育児に関するものをはじめとした「国からもらえる手当」を把握するべく、ファイナンシャルプランナーの水谷明日香さんのもとを訪れた。


まずは鈴木もぐら氏と奥様の現状を把握

「昨年9月に子どもが生まれたんですけど、今住んでいる家がとにかく狭いので、奥さんは札幌の実家に子どもを連れて帰ってるんです」と話すもぐら氏。まずは、奥様の現状確認からスタートすることに。

  • 水谷明日香(左) 株式会社エフピーウーマン取締役、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトをはじめとする幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)

水谷明日香氏(以下、水谷):今、奥様は働いてらっしゃるんですか?

鈴木もぐら氏(以下、鈴木):今は働いていなくて、もともとアルバイトのような形で働いていて出産前に退職した感じですね。

水谷:雇用保険は入られていましたか?

鈴木:いえ、入っていなかったと思います。

水谷:わかりました。今は専業主婦で、雇用保険にも加入されていなかったということですね。となると、「失業給付」の受給延長の制度を利用できる条件にも当てはまらないですね。そして、「出産手当金」や「育児休業給付金」、いわゆる「育休手当」も受給できないですね。

■失業給付の受給延長が利用できる条件
雇用保険の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間となっている。しかし、その間に「妊娠・出産・育児、疾病、親族の看護、転勤辞令にともなう配偶者の海外赴任に本人が同行する場合」などの理由により、引き続き30日以上働くことができなくなったときは、受給期間を最大3年間延長できる(所定給付日数が330日の方は3年-30日、360日の方は3年-60日となる)。

■出産手当金が支給される条件
出産手当金は、会社で加入する健康保険から支給されるもの。出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給される。

■育児休業給付金(育休手当)が支給される条件
「育児休業給付金(育休手当)」は国が管理する雇用保険から支払われるものであるが、誰もが受給できるというわけではない。同給付金を受け取るための条件は以下の通り。

・雇用保険に加入している。
・育休に入る前の2年間で、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある。
・1歳未満の子どもがいる。育児休業給付金を申請できるのは、1歳未満の子どもがいる間のみ。保育所に預けられないなどの理由がある場合は最長2歳まで支給期間の延長が可能。
・育休中の月給が、休業開始前の月給の80%以下であること。
・育休中に働いている日数が1カ月で10日以下であること(10日を超える場合は80時間)。

条件を満たしていれば、契約社員やパート勤務でも手当を受けられるとのこと。また、条件を満たしていても育休終了後に職場へ復帰する予定がないという場合は手当を受けることができないので注意が必要だ。

鈴木:やっぱりそうですか。そのほかに何か見逃してそうなものってありますかね?

水谷:「出産育児一時金」は受け取ってますよね?

鈴木:はい、そうですね。病院に直接支払ってもらう方法みたいなやつで、気付いたら安くなってました。

水谷:そのときにどのぐらいお支払いになったかは覚えていますか?

鈴木:たしか本来50万円ぐらいのところが5万円ぐらいになってたはずですね。

健康保険の適用外である健診費や入院費などをサポートする「出産育児一時金」は、加入している健康保険から42万円が支給される。「妊娠4カ月(85日)以上で出産する健康保険加入者」もしくは「配偶者の健康保険の被扶養者」が対象となり、双子以上であれば42万円×人数分の一時金が支給されることになる。

鈴木もぐらさんの場合は、健康保険組合が医療機関に出産育児一時金を直接支払う「直接支払制度」を利用している。これにより、病院の窓口で支払う費用が出産育児一時金を上回った額のみになったというわけだ。