出会ってしまったのなら仕方がない!
2017年の夏、夫と息子と3人で福島県の三春に行った。目的は、in-kyoという素敵なお店に行くこと。作家物の器や生活雑貨など、店主の長谷川ちえさんが選び抜いた逸品たちが集められたお店だ。
もともと東京で開かれていたお店で、2016年の春に三春に移転された。ずっと行ってみたかったお店が同じ東北にやってきたのだから、行かないわけにはいかない! ということで、家族を巻き込んで日帰り小旅行をしたのだった。
そこで出会ってしまったのだ。このかごに。私は無類のかご好き。仮にも少ない暮らしを志している人間なのに、かごコレクターと言っても過言ではない。特に山葡萄とあけびのかごに目がなく、家はかごだらけ。もういいかげん、しばらくかごは買わないようにしようと心に決めていたのだが……出会ってしまったのなら仕方がないと思いませんか! ねぇ!!
直角なかごに中性的な雰囲気をみたり
とても丁寧に編まれた編み目、大きすぎず小さすぎずのいい塩梅のサイズ感(持った時にしっくりくる可愛いサイズなのだ)。そして私が一番惹かれたのは、かごの角が美しいまでに直角だったこと。
長方形のかごバッグはたくさんあれど、大体角は緩やかにカーブを描きながら編まれているものが多い。でもこのかごはかっこいいくらいに直角で、優しい雰囲気をまとうことが多いかごの中で、中性的な雰囲気を醸し出しているかごだなと感じた。
聞けばこのかごは宮城県の鳴子町で作られたというではないか。まさかの地元の県。宮城県で作られたかごと宮城県在住のかご好きが、お隣の福島県で出会うディスティニー。これで買わなきゃかご好きの名が廃るってもんよ! と、謎の言い訳を鼻息荒くして、我が家に連れて帰ってきたのである。まぁ青森産でも福島産でも絶対買って帰ってきていたのだけど。
現在このかごはお出かけ用のバッグとして使っている。口が大きく開いているので、貴重品を大好きな会津木綿で作られた巾着に入れ、その他の小物を山葡萄のポーチを入れて使うのが好き。私は季節に関係なくかごバッグを持つのだが、やはり春から夏にかけてが一番このかごが似合う季節なので、これからまたどんどん使っていきたい。このかごは、しわしわのおばあちゃんになっても持っていたいそんなかごなのである。
さて、この連載も今回で最終回。15回にわたる捨て変態の本当に偏った愛用品紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。捨て変態のくせにコレクターだったり、一目惚れ購入が多かったりとお恥ずかしい限りですが、書いていてとても楽しかったです。読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう!