この連載ではこれまで、サーフボードやウェットスーツといった、言わば”サーフィン必需品"を紹介してきましたが、今回はアクセサリー類の代表選手である時計にスポットを当てます。無骨なデザインと耐衝撃&防水機能が根強い人気のG-shockシリーズ。中でもサーファーにぴったりのモデル「G-LIDE」をレビューしましょう。
タイドグラフ&ムーンデータ表示機能を搭載
サーファーにとって満潮と干潮の時刻を知ることは、波のコンディションに合わせてサーフィンをする上でとても重要です。干潮から満潮に向かう上げ潮でコンディションが上向く時間帯を狙うなど、あらかじめインターネットなどでタイドグラフを見てから海に向かうのがベスト。でも、つい忘れてしまうことだってあります。また、「満潮を迎えて潮が止まったタイミングで海から上がって休憩したい」といった時は、海の上で潮の状態を知りたいもの。そんな時頼れるのが、G-LIDEのタイドグラフ機能です。通常の時刻モードでも現在の潮の状態がひとめでわかるようにフェイスがデザインされており、カシオ独自の計算アルゴリズムにより、短時間で高精度の潮汐情報を表示します。また、タイド/ムーンモードではその日の時間ごとの潮の状態が見られるほか、日時を指定して調べることもできます。
時刻モード。満潮と干潮、上げ潮2段階と下げ潮2段階の計6段階で「現在の潮の様子」を表す。左は横浜/新山下(平均月潮間隔5時間18分)、右は佐世保(平均月潮間隔8時間17分)に設定したもので、潮位が違うのがわかる |
満潮を迎えるのは理論上、月が正中(真上に来ること)し月の引力が海面などを引っ張り上げる潮汐力が最大になる時刻。干潮はその6時間後です。ところが。実際の地球上では、海水の粘性や摩擦、海底の地形などの影響によって正中時よりも遅れて満潮となり、この時間差を月潮間隔といいます。G-LIDEの取り扱い説明書には、全国70箇所で長期間にわたり調査された平均の月潮間隔が記載されており、サーフィンをするポイントに最も近い場所の時間を設定すると、その場所のタイドグラフが表示されるというわけです。
1日2回のサイクルで繰り返される満潮/干潮のほか、28日前後でひとまわりする月の満ち欠けも、波のコンディションに影響を与えます。月の暦が満月(月齢13~16付近)か新月(月齢0~2、27~29付近)のときには、潮の干満の差が激しい大潮となり、潮が大きく動くという意味でコンディションが上向くことが期待できます。G-LIDEは、月の形を8段階で表示することができ、「今日が大潮なのかどうか」などを知ることができるのです。また、ムーンモードでは、その日の月齢を数字で表示するほか、タイドグラフと同じく日時を指定してムーンデータを調べることが可能です。
ムーンモード。計8段階で、上段左から1.9~5.5(三日月)、5.6~9.2(上弦の月)、 9.3~12.9、13.0~16.6(満月)。下段左から 16.7~20.2、 20.3~23.9(下弦の月)、 24.0~27.6、0.0~1.8(新月) |
装着性と汚れにくさもサーフィン向き
テイクオフする瞬間にボードに手をつくことを考えると、サーファーが手首に装着する時計はボリュームがない方が、邪魔にならなくてよいでしょう。また、ボードについたワックスがいつのまにか時計についてしまうなんていうことがよくあります。G-LIDEはそのあたりも考慮されており、ベースモデルに薄型コンパクトデザインの5600を採用。バンド表面には光沢塗装が施されており、汚れがふき取りやすいといいます。さらに、バンドが幅の広い波うち形状にデザインされていることで、砂やワックスが詰まりにくいというのも使い勝手がよさそうです。
カラーバリエーションはレッド(GLX-5600-4JF)のほか、ブラック(GLX-5600-1JF)とホワイト(GLX-5600-7JF)が用意されており、価格はすべて1万3,125円となっています。