本連載ではこれまで4回にわたり、サーフィンを始める上での心得や基礎知識を紹介してきた。その中でたびたび出てきた「サーフショップ」や「サーフレッスン」。これらが一体どんなものなのかをお伝えするべく、まったくのサーフィン未経験者である編集部の新人、前田勉がサーフレッスンを突撃体験! 動画を交えたリアルレポートでお届けする。
行ってきます! |
18歳で陸上部を引退してからスポーツに縁がないまま現在25歳、メタボ中年への道をひた走る僕。浪人中に85kgまで増えた体重は現在78kgに落ち着いている(?)ものの、就職後は長時間勤務→夜食増加→体重増加というありがちな因果応報の憂き目に会い、じわじわと浪人時代に逆戻りしつつある。
そんな僕にある日、先輩女性編集者Aから「前田くん、サーフィンの初心者レッスンのモデルやってくれない?」とのお声がかかった。修行中の身である新人の僕。断わる術も理由もなく、あっさりとサーフィンデビューが決定してしまう。しかも、男子たるもの「ええ~……できるかな、、、」などという本音を漏らすわけにもいかず、「まかせてください!めっちゃ頑張ります!」と胸を張ってしまったのである。
いよいよ当日。梅雨の晴れ間に夏の気配が満ちる中、当連載の著者・奥田みゆき氏のいるサーフショップ「オクダスタイルサーフィング」に到着した。サーフィン以前に、サーフショップに入ること自体が初めて。見たことのないロゴのステッカーがたくさん貼られたガラス引き戸の奥には、どんな空気が流れているのだろうか。
入ってみると、サーフボードやTシャツがこぢんまりと並んだ奥のカウンターに、めっちゃイケメンのサーファー(知らないけど絶対に)の人がいた。「こんにちは!」と切れのよい挨拶。緊張気味だったが僕もひとまず挨拶を返し、受付をしてもらうことに。次のような質問事項が書かれた紙に記入していく。なんだかすごく、きちんとした感じだ。
続いて、店の脇の外階段から3階建ての建物の屋上へ案内してもらう。海に向かって建っているわけではないのだが、屋上からは江ノ島から逗子マリーナまでを眼下に見渡すことができた。レッスンは、座学→陸トレ→海トレ→波乗りという段取りで、どうやらファーストステップの座学はここで行われるらしい。海から吹く初夏の風が、なんとも気持ちがいい! 座学の内容はというと、気象やサーフィンの心得などの説明のほか、ボードの傾け方や波の斜面でボードをどんな風に走らせるかなどについて、ミニチュアのボードを使ってのシミュレーション。ボードを波に食い込ませるように傾けるとターンができて、"食い込み"を元に戻すと自然と波に巻き上げられて……etc.知らないことだらけ。正直イメージはわかないが、理屈はわかった。というか、サーフィンには理屈があるのだ。サーファーってすごいかも。サーフィンって、奥が深いかも…
ひとしきり、今日のゴールである「波乗り」の話を聞いてテンションも上がり、気分はすっかりサーファーな僕だったが、そこにたどり着くまでには「陸トレ」と「海トレ」をクリアしなければならない。座学に引き続き、屋上にて陸トレ開始。スタンスの確認、ボード上での立つべき位置、取るべき姿勢、パドリングの際の水のかき方を、みゆき氏によるお手本を真似てやってみた。
座学と陸トレも終了し、いよいよウェットに着替えて海に向かうことに。ところがここで、思わぬトラブル(!?)が発生する。ウェットスーツをやっとの思いで着用したものの、「これだと背中のチャックが閉まらないかも…」と着替えることになってしまったのだ(涙)。そばで見ていたオーナーの哲氏にも、「案外大きいね~」との有難いコメントをいただいてしまい、僕はしっかり自覚した。見た目より、厚みがあるということに…。ややショックだったものの、サーフィンをするには窮屈なウェットでは動きづらいわけで、着た状態でしっかりチェックしてもらえてよかったのだ。さらに、僕の体が大きいということで、サーフボードも通常使われているという9フィートではなく、10フィートと大きめを選んでもらった。
ウェットの着替えもやっとのことで終わり、いよいよ海へ。サーフボードを小脇に抱え、やや緊張気味に徒歩1分の材木座ビーチに向かったのだった。天気は快晴、南東の風約5メートル(多分)。屋上からポイントを観察したコーチによると、数人のサーファーが波間に浮かんでいて、波に乗れるかもしれないコンディションらしい。果たして僕は、波に乗れるのか!?そしてボードの上に立てるのか!?
次回に続く
この記事に掲載されている動画は、三洋電機の機材貸し出し協力のもと、「Xacti DMX-CA8」を使用して行っています。