前回は戸建とマンション、どちらが正解かについてお伝えしました。

戸建とマンション、どちらが自分に向いているかが分かったら、次は新築が良いのか、中古が良いのかについて考えてみましょう。

日本では、いまだに多くの方が家を買う時に「新築物件」を選びます。 やっぱり新築物件はピカピカで綺麗ですし、最新の設備なども導入されているので魅力的に感じる方が多いのでしょう。

年齢が上がれば上がるほど「家を買うなら新築」というイメージを持っている方が多い印象です。

一方で、ヨーロッパやアメリカなどでは新築物件の流通量よりも中古物件の流通量が多く、古い建物をメンテナンスしながら使い続けていくという文化があります。

  • 「新築」と「中古」家を買うならどっちを選ぶべき?

■新築も、一度鍵を開ければ中古になる

そもそも、どんなに綺麗な新築物件であっても、一度鍵を開けてしまえば、その瞬間から中古物件になります。

筆者である私も2011年に新築マンションを購入し、ずっと「新築マンション」に住んでいるものと思い込んでいましたが、ある時、そのマンションが中古物件として取引されているのを知った時に「あ、もう既に中古物件なんだな・・・。」と感じて少し寂しい気持ちになりました。

「誰も使っていない」状態のことを新築と言うのであれば、中古物件と新築物件ではそんなに大きな差は無いと思いませんか?

■新築が向いているのはどんな人?

もちろん、新築=よくないということではなく、新築には新築ならではの魅力があります。特に以下のような方は新築物件が向いているといえます。

・とにかく新しい家に住みたい

とにかく最新の設備が入ったピカピカの新しい家に住みたいという方や、戸建の注文住宅で一から自分たちの好みのお家が作りたいという方は新築の方が向いているといえます。

・様々な制度をフルで活用したい

住まいを購入した時に使える、住宅ローン控除や贈与税の非課税制度は、実は新築と中古で対象となる金額が変わってきます。

悲しいことに、新築物件の方が優遇されてしまうのです・・・

これらの制度をフル活用したい! という方も、新築物件の方が向いているといえます。

・早く引っ越したい

中古物件の場合、リフォームやリノベーションが必要となるケースが多いため、売主さんからお引き渡しを受けても、工事中は住むことができません。

リフォーム工事中は今支払っている家賃と住宅ローンの返済が二重でかかってきてしまう場合もあります。

売主さんから物件の引き渡しを受けたら、すぐに引っ越したい! という方も新築物件の方が向いているかもしれません。

■中古を選ぶ人は増加傾向に

とはいえ、最近は新築物件の価格がどんどん値上がりし、東京23区内の新築マンションの平均価格は1億円近くにまで上昇したといわれています。

一般的な年収の家庭だと、新築物件はとても買えるような価格水準ではなくなってしまい、自ずと中古物件を選ぶ方が増えてきています。

フリマアプリなどの普及で、若い世代を中心に、「中古品」に対する抵抗がなくなってきているのも影響しているのではないかと思います。

■中古物件もリノベーションをすることで、新築以上の内装にすることが可能

しかし中古物件の購入を検討するにしても、前の居住者さんが10年も20年も住んできた家だとさすがに内装も劣化してしまっているので、そのままの状態で住むことに抵抗を感じる方も多いと思います。

しかしながら、内装は「リノベーション」や「リフォーム」をすることによって、見違えるほどに綺麗に生まれ変わることができます。

間取り変更を楽しんだり、新築物件ではほとんど使われない無垢のフローリングを敷いたり、玄関に土間スペースを作ったり、自分の持っているものがぴったり収まる収納を作ったりと、自分好みの空間を実現することができます。

【実例1】 築24年 / マンション

リノベーションにより、オープンで明るいキッチンに

  • 築24年のマンション。リノベーションにより、オープンで明るいキッチンに

【実例2】築13年 / 戸建

リビングにご主人様のワークスペースを

  • 築13年の戸建リノベーション。リビングにご主人様のワークスペースを

【実例3】築35年 / ヴィンテージマンション

家具のコーディネートも加わり素敵な空間に

  • 築35年のヴィンテージマンション。家具のコーディネートも加わり素敵な空間に。

まだまだ選ぶ方は少ないですが、中古+リノベーションは自分らしい暮らしを送るのに、とても適した素晴らしい選択肢なのです。

新築の場合は(戸建ての注文住宅を除いて)、知らない設計士さんが設計・デザインした家にそのまま住むことになりますが、それでは賃貸物件に住むのと何も変わりませんよね。

■まとめ

実は新築と中古には、そんなに大きな違いがありません。 誰かが一度でも住んだことがあるか、そうでないかだけの違いです。 しかしながら、販売価格には大きな差が出てきます。

どうしても新築が良い! というこだわりのある方でなければ、是非、中古物件も選択肢に入れて物件を探してみてください。きっと新築と同じか、それ以下の予算で、リノベーションで素敵に生まれ変わる、お宝物件に出会えると思いますよ。

できれば、物件探しはリノベーションのことにも詳しい不動産会社さんや、不動産仲介もできるリフォーム会社さんに依頼すると安心です。