仕事ができるビジネスマンを目指すなら、美しく精悍にスーツを着こなすのも忘れずに。といっても、既製品のスーツではなんだかしっくり来ないという場合は、オーダースーツで自分の体にフィットした一着を身にまとうことがおすすめです。
本連載では、サイズはもちろん感性にもフィットするパーソナルオーダースーツ専門店「麻布テーラー」の営業本部にて副本部長を務める藤田 哲氏が、オーダーだからこそできる着こなしの基礎を解説。押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
これまでは基本のスーツの着こなし方を紹介してきました。しかし実際は毎日かっちりとしたスーツを着て仕事をしている人も少ないのではないでしょうか? そこで今回はスーツのプロだからおすすめする、セットアップの組み方を紹介します。
セットアップのアイテム選びは素材感が肝
セットアップというと、色や柄が上下で同じものや生地が対になっているものといったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、麻布テーラーでは「ジャケットだけでもスラックスだけでも単品使いができて、タイドアップはしないもの」という認識を持っています。
そのため、つるつるしたナイロン素材のアイテムなどは、上下を別々で着ると他のアイテムとも合わせづらく、違和感があるコーディネートに。おすすめはウール見えするアイテムです。ウールベースのジャージー素材などは、上質な見た目を演出してくれます。
また、「きちんとしたスーツスタイルではなく、より楽なスタイルで仕事をしたいから」という理由から、セットアップを着用する人も多いでしょう。楽に過ごしたいならジャージー素材、軽く着たいなら芯地なしのもの、完全に上下別々で着たいならデザイン性のあるもの、といったように目的を意識してコーディネートを組んでもいいかもしれません。
組み合わせの統一感はデザインも意識する
アイテムの組み合わせに迷ったときは、素材とディテールに合わせてコーディネートアイテムをチョイスすると、上質なスタイルになります。
例えば、
ウール見えするジャージー素材、薄めの芯あり、クラシックテイストのセットアップ→ハイゲージのタートルネックニットやハイゲージのニットポロなど
パッチポケット、芯なしのナイロン系セットアップ→デザイン・素材ともにカジュアルのため、クルーネックのTシャツやポロシャツなど
これからの冬の季節には、毛足が長い素材のジャケットに同じく起毛感のあるセーターやニットを合わせてもいいかもしれません。
麻布テーラー 営業本部副本部長 藤田 哲
1990年にメルボメンズウェアー株式会社に入社後、オーダースーツ業に携わり30年を超える。「麻布テーラー」のブランド創設から携わり、お客様の感性と体にフィットする一着をご提案するため、店舗でのサービス向上やスタッフ教育を統括する。
麻布テーラー:https://www.azabutailor.com/