クリエイティブイメージとエディトリアルイメージ
iStockphotoでは、クリエイティブワークにおいて必要とされるさまざまな作品が用意されています。作品の種類の説明の前に、ストックフォトを扱ううえで知っておきたいことがあります。それは使用範囲に関する作品の種類です。ストックフォトのイメージには、広告をはじめ使用用途が幅広く設定されていて、デザインやイメージ制作の素材として、画像の編集も含めた使用ができる作品である「クリエイティブイメージ」と、資料性があり、報道やスポーツ、エンターテインメントなどを扱う雑誌、TV、出版などにおいて、ニュースや資料的な使い方に限って使用できる「エディトリアルイメージ」に分けることができます。エディトリアルイメージは画像の編集などは認められませんので、購入、使用の際には注意が必要です。
iStockphotoで買えるもの
ここでは、iStockphotoで扱っている作品の種類についてiStockphotoのサイトのメニューに沿ってご紹介していきます。
写真
iStockphotoの中でも最も多くの作品が登録されているのが、写真やクリップアート、イラストといった「Jpegの画像データ」です。サイトのメニュー上は「写真」となっていますが、イラストであってもJpegの画像データの場合は、「写真」という扱いになっています。ファイル形式がJpegなので、Adobe Photoshopなどの高度な編集ツールがなくても扱えますので、オフィス系のアプリケーションでも利用可能な作品です。作品によって販売画像サイズは異なりますが、広告や出版といった紙媒体に使用可能な高解像度データはもちろん、Webや企画書などで使用するのに適したサイズのデータまで用意されています。ここのデータは「クリエイティブイメージ」に分類されます。
イラスト
iStockphotoのメニューにある「イラスト」は、Adobe Illustratorなどで編集可能なベクターイメージが扱われています。細かな編集やイメージの拡大縮小に対して劣化のないベクターイメージは、クリエイターにとってとても重宝するイメージデータといえます。ですが、全てのベクターイメージには、EPSファイルと共に高解像度のJpegデータがセットになっているので、Adobe Illustratorなどの編集ツールがなくても「写真」同様の使い方が可能です。またベクターイメージデータは、全てAdobe Illustratorのバージョン8に対応した「EPS」ファイルなため、さまざまなバージョンのAdobe Illustratorや他のベクターイメージ編集ツールでの利用が可能です。イラストについても「クリエイティブイメージ」に分類されますので、イメージの編集が可能です。
ビデオ
TVやCM、映像作品のインサートや資料映像として使用するのに有効な実写映像から、合成などの素材にも使えるモーショングラフィックスやCG映像などの作品が多数あります。多くの作品がフルハイビジョンサイズでの購入が可能なので、ブルーレイやDVDといったパッケージや放送用素材としても使用可能です。ファイル形式もQuickTimeムービー、Mpeg4、WindowsMediaとさまざまな環境で扱うことが可能です。あくまでも映像作品なので、音声は含まれていません。ここの作品についても編集が可能な「クリエイティブイメージ」に分類されます。
オーディオ
オーディオはiStockphotoならではのストック作品です。楽曲、フレーズ、ループ音や効果音といったオーディオファイルを扱っています。
Flashファイル
Flashファイルもまた、iStockphotoならではのストック作品です。主にFlashで制作されたアニメーションで、WebサイトのFlashバナーやサイトデザインのアクセントとしての使用にオススメの作品です。また、映像編集ツールの中にはFlashファイルを扱えるものもあるので、映像編集素材としても使えます。ここの作品についても、編集が可能な「クリエイティブイメージ」に分類されます。
エディトリアル
報道、スポーツ、エンターテインメントなどを扱う新聞、雑誌、TV、出版などで、説明を目的とした資料的な使用をするための写真作品です。また、非営利目的のプレゼンテーションやブログでの使用も可能です。資料性があるアイテムやタレント、俳優、ミュージシャン、スポーツ選手、著名人や美術品、事件などのイメージも多く揃えられています。クリエイティブのようなイメージ制作においての素材としては使用できません。
これらの作品は全てロイヤリティフリー(RF)の作品ですので、購入料金に使用料金も含まれており、原則的に一度購入すると、使用許諾の範囲で何度でも使用できます。ただし、販売物への使用や二次使用など、ストックサービスが定めた項目に該当する場合は、別途ライセンス料金が適応されることもあります。
次回は、作品を利用するうえで役立つ使い方のヒントと、使用できることとできないことをご紹介します。
参考資料:「写真で稼ごう【撮り方編】」/iStockphoto監修「イラストで稼ごう」(全てマイナビ刊)