肩こりは“日本の国民病”とも呼ばれ、性別や年齢を問わず多くの人を悩ませている存在です。その症状を訴える人は年々増え続け、低年齢化も進んでいます。今回は、肩こりになりやすい人の特徴や習慣をチェックしていきましょう。
肩こりになりやすい人の体型をチェック
同じような生活を送っていても、肩こりになりやすい人とそうでない人がいます。その違いは、体型に左右される部分もあるのです。あなたの体型に当てはまるものがないか、下記の項目をチェックしてみましょう。
□極端なやせ型
□肥満体型
□猫背で首が前に出ている
□なで肩である
□首が細い
□1年以内に大幅に体重が増加した
なで肩の人や極端にやせている人は、首や肩の筋肉があまり発達していない場合が多く、筋肉が疲労しやすいと言えます。肥満体型の人は、単純に頭や肩、腕の重さも増えるので、それらを支える筋肉に負担がかかりやすくなります。お腹が前に出ることで背中が反りやすくなり、悪い姿勢の原因にもなるでしょう。猫背も同じく、筋肉の緊張や血行不良を引き起こす要因になります。また、急激に体重が増加したものの、同じサイズの衣類を変わらず身に付けている人も要注意。自分では気付かない程度でも衣服による締め付けが生じ、それが円滑な血液の流れを邪魔することになってしまうのです。
肩こりになりやすい人の習慣をチェック
肩こりは、ストレスなどの精神的な要因と、同じ姿勢による長時間労働などの物理的な要因から引き起こされます。つまり、「筋肉が緊張している状態」が多い日常を送っていると肩こりになりやすいとも言えます。以下の項目をチェックし、あなたの日常生活を振り返ってみましょう。
□仕事で毎日のようにパソコンを使用する
□睡眠時に歯ぎしりをしてしまう
□普段あまり運動をしない
□冷えを感じる場面が多い
□枕の高さが合っていないように感じる
□重い荷物を持ち歩くことが多い
□お風呂では湯船につからず、シャワーだけで済ませてしまうことが多い
□生真面目で几帳面な性格
□食生活が偏っている
□椅子に座るときに足を組むクセがある
ここで挙げたものはあくまでも一例にすぎませんが、あてはまる人は筋肉が緊張しやすい習慣に陥ってしまっていると言えるでしょう。女性は首周りが開いている服を着ることが多いため、冷えが筋肉の緊張を引き起こすことも。締め付けが少なく、なおかつ冷えにくい服が理想的です。
また、脳が活動的になると、筋肉とつながっている交感神経が働いて筋肉が収縮します。集中して作業をしているとき、パソコンの光による刺激を受けているときなどは交感神経が働くとされているため、適度な息抜きを忘れずに。
肩こりに悩んでいる人は、まずその原因を知ることがとても重要です。日々の生活の中で無意識に行っていることが、実は肩こりの原因になっているということも十分考えられるでしょう。肩こりの悪循環に入ってしまわないように、まずは生活習慣から見直して、自分なりに原因を探してみましょう。
次回は、そんな原因のひとつでもある「姿勢」を見直すうえでのポイントを解説します。
監修者
福田千晶 (ふくだちあき)
医学博士・健康アドバイザー
日本体力医学会健康科学アドバイザー・日本医師会健康スポーツ医・日本人間ドック健診情報管理指導士・日本リハビリテーション医学会専門医・日本人間ドック学会専門医。健康科学アドバイザーとして講演や執筆、テレビ・ラジオ番組への出演などで活躍。