人間・人生探究の一環としての男女関係をテーマとしているライターの春日奈々です。夫婦が共に生活していくには、ある程度価値観が一致していないことには、うまくやっていくことはできません。とくに、夫の定年退職がきっかけとなって熟年離婚をする、もしくは離婚を考え始める夫婦が増え出す傾向にあるのですが、家庭に戻った夫が妻と向き合うとき、夫婦の価値観は一致しているでしょうか? 二人の価値観がズレていた場合、どうしたらよいのでしょうか?
夫婦生活には、価値観の一致が必要不可欠!
夫婦の価値観といっても、そのあり方は様々ですよね。では、夫であるあなたは定年退職をした後、夫婦でどんな生活をしていきたいと考えているのでしょうか? 夫婦の価値観について考える前に、まずはあなたが考える夫婦の価値観を見つめ直してみましょう。下の項目をチェックしてみてください。
夫であるあなたは 、定年退職後、夫婦でどんな生活をしたいですか? また、あなたの妻はどんな生活を望んでいると思いますか?
- 夫婦で多くの時間を共にしたい
- 寝食は共にするが、それ以外はなるべく干渉しない
- 食事は共にするが寝室は別にしたい
- すべてにおいて個人の自由を尊重した生活をしたい
いかがでしたか。それでは、あなたの価値観を踏まえたうえで、次のケースを見てみましょう。
「夫婦で多くの時間を共にしたい」と考えた夫は、妻を喜ばせようと『豪華客船世界一周クルーズ(全108日間)』に勝手に申し込んでしまう。ところが妻は「3カ月も家を空けるなんて、そんなことできるわけないでしょ。一体何を考えているの? 」と、心中穏やかではなかった。
この場合、夫は妻にとってよかれと思って申し込んだのに、その好意が必ずしも的を射るものではなかったことを理解しなければなりません。「寝室を別にするような夫婦は、もはや夫婦とはいえない」と夫が思っていても、妻は「ひとりでゆっくりと読書をしてから寝たいので、寝室を別にしたい」と思っているのかもしれないのです。
夫婦の価値観がズレてしまっていたら、どうする?
夫の定年退職後、夫婦の新しい生活をどんな形でスタートさせたらお互いにとって幸せなのか、じっくりと考えてみる必要があります。この価値観を一致させるには、夫婦二人で話し合う機会を持って、お互いの希望をすり合わせていくことが大事です。しかしながら、なかなか一致には至らないかもしれません。そんなときは、どのように解決していけばよいのでしょうか? 私は、ある程度は妻の意向を汲んであげるべきなのではないかと思います。これまで家庭の主導権を握ってきたのは妻ですし、恐らくこれからもその状況は続くでしょう。もしかしたら、妻は、夫であるあなたのことを「私の城に攻め込んで来ようとしている敵だわ」くらいに思っているのかもしれません。
夫の定年は夫婦にとって大きな節目。定年後の生活が果たしてどうなるのか、お互いにわからないから不安になるし、想定していたような嫌な予感が現実のものとなるのを避けるために、熟年離婚を先走って考えてしまう妻が多数存在するのではないかと私は感じています。そうであれば、「先が思いやられるよ」と考えるマイナス思考を先行させるのではなく、まずはよく話し合い、夫も妻も「定年後の生活が楽しみだ! 」というプラス思考を持てるように一歩を踏み出し、幸せな生活を思い描ける状況を作る努力が必要ではないでしょうか。