誰もが一度は考え実践したことがあると思います。それが何かと言うと……そう、「ダイエット」です! 毎年毎年新しいダイエット法が生み出されては消えていきますね。りんごダイエット、耳ツボダイエット、最近だと糖質制限ダイエットや帳消しダイエットなど……。1つくらいはチャレンジしたものもあるかもしれませんね。
ではここでもう一度胸に手をあてて考えてみてください! そのダイエット方法に飛びついて成功しましたか? もし仮に一度成功したとしてもリバウンドしませんでしたか? これらの方法論ではダイエットに失敗してしまう可能性があります。なぜならダイエットの本質ではないからです。ではなぜリバウンドしてしまうのか。まずはそれを解説します。
ダイエットでリバウンドするたった1つの原因
ダイエットでリバウンドするたった1つの原因、それは「オーバーカロリー」です。つまり、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が高い状態が日常的に続いているということになります。その結果、体重が増えてリバウンドを引き起こします。至極当たり前ですよね? でもこの本質を忘れて〇〇ダイエット法に走ってしまうから、食欲が乱れてしまいオーバーカロリーを引き起こしてしまうのです。
では、最近流行りの帳消しダイエットを例に見ていきましょう! 帳消しダイエットの組み合わせで、ラーメンにチャーシューをトッピングして、野菜ジュースを飲む方法があるそうです。チャーシューは野菜ジュースもカロリーがありますよね? つまり、普通に考えればラーメンとチャーシューと野菜ジュースを組み合わせて食べている方がラーメンだけを食べるよりも太りやすくなると考えられます。
また糖質制限ダイエットは、糖質(主食)を極端に減らすダイエット法です。糖質は血糖値をコントロールするために重要になります。糖質を食べて血糖値が上昇すると食欲が落ち着き、反対に血糖値が低下すると食欲が強まります。このような脳のメカニズムがあるため、糖質の質に注意してしっかりと摂ることは食欲をコントロールするために大切です。
しかし、糖質制限ダイエットをすると糖質が身体の中に入ってこないため、糖質以外のものから糖質を作り出す、糖新生ということをしなければなりません。糖新生はエネルギーを作るためには非効率だし、糖新生の能力が低い人もいます。そのような状態では、身体はエネルギー不足に陥り食欲を強めてしまいます。だから、糖質制限を1カ月がんばれたけど、反動で食べすぎてリバウンドしてしまう、ということに繋がりかねないのです。
リバウンドしないための対策
リバウンドしないためには食欲を整えることが鍵です。この食欲には多くのことが関わっています。睡眠や血糖値や腸内環境、それにストレスなどなど……多くのことが関わるのでこれをやれば食欲が整うというものはなく、一人一人対策が異なります。非常に残念ですが、食欲を整えるのは〇〇ダイエット法ではないのです。
睡眠を例にお話をすると、実は睡眠時間が8時間の人と比べて5時間未満の人は、食欲を強めるホルモンの分泌が増加すると言われています。さらに、食欲を抑え、代謝を高めるホルモンの分泌が減ってしまうとも言われています。つまり、睡眠時間が短くなるだけで、食事を食べる量が増えてオーバーカロリーを引き起こしやすくなってしまうのです。
さらにさらに、睡眠時間が短くなると脳の働きも低下してしまいます。その結果、睡眠時間が短くなることによる経済的損失が2016年で15兆円程度と言われています。睡眠はダイエットに留まらず、仕事の質にも影響してきてしまうのです。仕事に支障がでれば自身の生活の質や給与にすら影響する可能性があると言えます。このように睡眠時間を例にとって見るだけでも、ダイエットに大きく関わっていることが理解できるのではないでしょうか?
最も大切なことは「規則正しい生活習慣」
食欲に色々関わるのは分かった。睡眠が大切なのも分かった。じゃあ結局どうすればいいのか……? 正直なところここで答えを出すことはできません。なぜなら一人一人優先すべきことが異なるからです。
でもただ1つだけ言えるのは、規則正しい生活習慣! これはダイエットのためにはとても重要になってきます。昔、お父さんやお母さんに言われませんでしたか? 早く寝なさいとか、しっかりバランス良くご飯食べなさいとか、外で遊んで身体を動かしなさいとか。
実はこのような昔からよく言われていたことがダイエットにも大きく関わる重要なことだったのです。一見ダイエットに関係無さそうで、疎かにされがちな生活習慣ですが、そこが本当に大切で見直すべきポイントなのです。基本的な規則正しい生活習慣を送ることが食欲を整えるための第一歩になります。ぜひ見直してみてください。
【規則正しい生活習慣7箇条】
・7時間~8時間睡眠
・3食バランスの良い食事
・適度な運動
・朝太陽の光を浴びる
・ストレス発散(深呼吸や散歩や自然と触れ会うなど)
・SNSのダイエット情報の断捨離
・暑すぎないお風呂にゆっくり浸かる
筆者の所属するSpotlightでは、このような食欲を整えるための情報発信とサポートをしています。ご興味のある方はぜひ覗いてみてください。
【参考文献】
帳消しメソッド(高橋弘 株式会社日本実業出版社 2017)
食べた後でもOK帳消しダイエットで簡単に5kg痩せる方法(ベストサプリ研究委員会 2019)
食欲の科学(櫻井武 講談社 2017)
不眠症の科学(坪田聡 SB Creative 2011)
睡眠医療 肥満と睡眠の疫学13:165-170 (大塚雄一郎ほか 2019)
適正な炭水化物摂取量 糖尿病56(12):903~905 宇都宮一典 2013