このところ「3Dならより大画面で」といった話をよく聞きます。もちろん3Dだけでなく、2Dの映画を見る場合でも、画面サイズが大きい方が、より、そのコンテンツを楽しむことができます。別に小さいサイズのテレビでみても内容は変わらないのでは、という声もあるかもしれませんが、例えば、普通のテレビ番組は、当然ですがテレビで見ることを想定して作られています。一方、多くの映画は、映画館の大きなスクリーンで見ることを想定して作られています。また、映画館で映画を見ている場合、スクリーン全体を見ているのではなく、実際に見ているのはその中の一部です。そのため、テレビで映画を見ると、とくに、広い空間の中の一部に動きがあるようなシーンでは、映画館で見たのとは、まったく違った印象になってしまうというケースがあります。これを解消するには、やはり、それなりの画面サイズが必要でしょう。

テレビに大画面という概念を初めて持ち込んだのは、三菱電機の「37C960」という製品です。こテレビは、アナログRGB21ピン端子なども装備されていて、今となっては、なかなか時代を感じさせる製品なのですが、当時の37インチというのは、とにかく非常に巨大だったという印象があります。973mm(W)×775mm(H)×504mm(D)というサイズは、現在ではそれを越える製品が普通にありますが(奥行きを別にすれば)、それよりも、105kgという質量が圧倒的でした。大画面の定義というものは、時代や環境によって異なってきます。現在では、100V型を越えるサイズのテレビも発売されており(とんでもなく高価ですが)、さらに、プロジェクターを利用すれば、それよりも大きな200インチといった画面サイズを、あまり無茶なことをしなくても実現可能です。100インチといったサイズはさすがに極端ですが、では一体、どのくらいのサイズからが大画面と呼ばれるのでしょうか。どうでもよい話といえば、非常にどうでもよい話なのですが、なんとなく気になるところではあります。

初の大画面テレビ、三菱電機の「37C960」(当時のカタログより)

現在、26V型以下のテレビは、パーソナル向けモデルに分類されています。筆者が使用しているテレビは20V型なので、このグループに入ります。少しも大画面ではありません。それ以前に使用していた14インチのテレビに比べると多少は大きくなったのですが、それでも4:3の14インチと16:9の20インチとでは、見える絵の大きさにそれほどの差はないというのが実際のところです。以前、32V型のAQUOSをお借りしたことがあったのですが、20V型のテレビに比べると、さすがに大画面といった迫力でした。ところが、その32V型も、製品によっては、パーソナルクラスとなっているケースがあります。ここまでは、基本的に大画面テレビではないと考えるべきでしょう。32V型と37V型の間には、フルハイビジョンの壁が存在し、32V型まではハイビジョンパネルが主流で、37V型からはフルハイビジョンパネルが主流です。では、37V型ならば大画面かというと、どうもそうではないようです。いくつかのメーカーの方に聞いてみたところ、45V型以上が大画面、あるいは42V型以上が大画面といった答えが返ってきました。はっきりとここからが大画面と決まっているわけではないようなのですが、37V型~40V型は、大画面ではなく、もはや普通のサイズのテレビと考えられているようです。また、先日、ある新製品の発表会で「52V型以上の超大画面テレビ」という表現が使われていました。大画面の上に、さらに大きな画面のカテゴリーができつつあるようです。これらの意見に従うと、表のようになります。つまり、大画面は42V型から50V型ということのようです。

パーソナルクラス ~32V型
標準サイズ 32V型~40V型
大画面 42V型~50V型
超大画面 52V型~