以前、WillcomのW-ZERO3 [es]をデジタルオーディオプレーヤー的に使用するときに、W-ZERO3 [es]とヘッドフォンとの間にクリエイティブメディアの「Xmod」をはさんで高音質化できないかという実験を行いました。ところが、Xmodが、USBから給電した場合、単体の高音質アダプターとしてではなくUSBオーディオとして動作してしまい、ラインからの入力を受け付けない状態になってしまうということと、モバイル環境でXmodに5V/500mAを供給する方法が無かったために、いったんストップしていました。ここまでが、前回の話です。
実は、その後、クリエイティブメディアから、ファームウェアをアップデートし、USBから給電されている状態でもラインからの入力を受け付けるようにしたXmodをお借りすることができました。これで、どこでも高音質に1歩近づいたことになります。あとは電源です。USBポートに給電できるアダプターは携帯電話のモバイルバッテリーチャージャーなど、さまざまな製品が販売されていますが、実のところ、5V/500mAを給電できる製品はあまりないようです(よく探せばあるのかもしれませんが…)。近くのホームセンターで販売されている機器をいくつか購入してみましたが、どれもパワー不足でした。
そんな折、松下電器産業からモバイル電源「ポケパワー(Pocket Power)」という製品が発表されました。この製品は、同社の単三型Ni-MHバッテリー「HHR-3MPS」に最適化されており、HHR-3MPSを2本で5V/500mAを給電可能というものです。給電可能な時間は70分と、決して長くはないのですが、バッテリーがHHR-3MPSなので、何セットか用意しておくことも可能です。7月1日の発売で、既に店頭に並んでいます。ポケパワーにはドコモFOMA、ソフトバンク3G用の「BQ-600K/F」とau CDMA 1x/1x WIN用の「BQ-600K/A」とがあって、それぞれのキャリアの携帯電話用の充電用のジャックが付属しているのですが、筆者の場合、Willcomユーザーなので、どちらでもかまいません。とりあえず、これですべてが揃った(ような気がする)ので、早速、接続してみたいと思います。
Pocket Powerでは、携帯電話のようなスタイルでACから充電する。先日三洋電機から、eneloopを使用したモバイルバッテリーが「eneloop mobile booster」発表されたが、あちらはUSBから充電 |
本体サイドにUSPポートを装備し、個々から5V/500mAを給電可能 |
接続の順番はこうなります。まずは、プレーヤーであるW-ZERO3 [es]の平型ヘッドフォン端子に、3.5mmステレオミニジャックアダプターを取り付け、両端が3.5mmステレオミニプラグのケーブルでXmodのライン入力端子に接続。Xmodのヘッドフォン端子にはヘッドフォン、USBポートには、ポケパワーを取り付けます。
接続を完了すると、以前はまったく動作しなかったXmodのパイロットランプが、最初は赤、そして青で点灯しました。「X-Fi CRYSTALIZER」と「X-Fi CMSS-3D」も有効になっています。どうやら成功です(何ヶ月かけているのやら)。実際に聞いてみたところ、ヘッドフォンで音楽を聞く場合ちょっと違った感じになってしまうので、X-Fi CMSS-3Dはオフにしておいたよさそうです。
しかし、X-Fi CRYSTALIZERのほうは、かなり効果的です。以前聞いたときには、高域の補正が強めという感じだったのですが、新しいファームウェアでは、各種パラメータの見直しも行われているらしく、低域のスピード感やクリア差もアップしているように感じられます。 今回使用した新しいファームウェア(筆者が使用したのはβ版ですが)は、現在、同社のサイトにアップされています。音質面での変化もあるので、Xmodのユーザーの方は試してみてはいかがでしょうか。
さて、今回はうまくいきましたが、実際のところこの「どこでも高音質」は、かなりかさばるため、「外出時に気軽に」という使用にはあまり向きません。見た目も、とんでもない感じなので、素のままで持ち歩いて聞いていると、相当異端視されることでしょう(ヘッドフォン以外は全部かばんなどに入れておけば何とかなるでしょうが、そうすると操作性が)。
Xmodは、ヘッドフォンだけではなく、スピーカーに接続することも可能です。アウトドアなどで、プレーヤーにスピーカーを接続して音楽を聴く場合、この組み合わせはなかなか効果的です。