最近の記録メディアの流行はそのタフさにあるようです。そこで「That's」ブランドで知られる太陽誘電のDVD-R「DR-120WWY10SNT」を買ってみました。このDVD-Rは、CPRMに対応した録画用のDVD-Rですが、なんといっても非常に頑丈というのを最大の特徴とした製品です。「トリプルガード」ということで、一般的なDVD-Rディスクに比べ、キズ耐久性が200倍、また指紋の付着率は1/7以下、静電気の放電特性は1000倍とパッケージに書かれています。

強耐久性を持つ「トリプルガード」の「DR-120WWY10SNT」

筆者が使用しているDVDレコーダーはDVD-R/RW対応のものです。テレビ番組などはたいていHDDに録画して、見たら消す、あるいは見ないでも消すといったことが多いでしょうが、冠婚葬祭や子供の成長記録などとなると、逆にメディアに保存しておきたくなるでしょう。

さて、以前にツールドフランスの総集編(アームストロングが最後に優勝した大会)を録画したディスクがあったのですが、久々に引っ張り出してきて見ようとしたところ、全く読み出せなくなっていました。レコーダーでも、PCでも認識できません。記録面を見てみると、けっこう傷だらけになっています。筆者は、ディスクの扱いがぞんざいなので、こういうことが起こっても不思議ではありません(DVD-RWディスクなどは、ケースなどに入れないで、そのまま机の上に放り投げてあったりします)。

DVD-Rは、使用前はパッケージに入れられた状態なので、耐久性の高さというのは、記録した後で、どれだけ耐久性があるかということになるのでしょう。この超耐久性を謳うメディアDR-120WWY10SNTと、普通のメディアとで、どれくらい差がでるのか、試してみたいと思います。

まずは、普通に、DVD-Rにデータを書き込んでみます。使用するのはDR-120WWY10SNTと、手元にあったバルクのDVD-Rです。どこのメーカーの製品なのか、すでに分かりません(ずいぶん前に購入したものなので)。

ずいぶん前に購入したバルクのDVD-R

記録したばかりのDVD-Rの記録面が次の写真です。左がDR-120WWY10SNT、右が筆者の手元にあったDVD-Rですが、この段階では目立った差はありません。続いて、記録面をべたべたと触り、指紋をつけてみます。普段はこんなことはしないので、気にしていなかったのですが、記録面には盛大に指紋が付きます。

記録したばかりのDVD-Rの記録面。左がDR-120WWY10SNT、右が筆者の手元にあったDVD-R。両者に大きな差は見られない

盛大に指紋をつけてみたところ。指紋の付きに関しては、それほど差はないようだ

さらに、これをティッシュでふき取ってみました。これが次の写真です。

指紋をふき取ったDR-120WWY10SNT

同じく指紋をふき取った、バルク品のDVD-R

両者にそれほど差はないように見えますが、手元にあったDVD-Rでは、ふき取ったために傷ができているのがわかります。また、通常はDVD-Rなどをふく際には、毛羽立ちの少ない不織布などの素材を使うのですが、今回は普通のティッシュペーパーを使用したために、手元にあったDVD-Rのほうには、かなり毛羽も付いています。一方のDR-120WWY10SNTのほうは、傷もないし、毛羽も付いていません。これは、記録面の堅さと、静電気の発生を抑える処理が利いているためだと思われます。

両者をPCのドライブに入れてみたところ、この段階ではどちらも問題なく再生できています。 続いて、サンドペーパーをかけてみます。使用したのはサンドブロックと呼ばれる製品で、スポンジのベースの上にサンドペーパーのコーティングがされているものです(これは持ちやすくて便利)。これの240番(仕上げ用)で、記録面を10回程度こすってみました。

かなり明確な差がでています。手元にあったDVD-Rのほうは、相当に傷だらけですが、DR-120WWY10SNTのほうはそれほどでもありません。

サンドペーパーをかけたバルク品のDVD-R。これをPCのドライブに入れるととんでもないことに

同じようにサンドペーパーをかけたが、あまり傷ができていないDR-120WWY10SNT

これをPCのドライブに入れて認識できるかどうか試してみます。まずは、手元にあったDVD-Rのほうから。するとDVD-Rを認識に行った「マイコンピュータ」が固まってしまいました(この原稿を書いている途中だったので、非常に慌てました)。DVDの強制イジェクトすら利きません。なんとか、原稿の保存だけは行って、いったんシャットダウンしてディスクを取り出しました。

続いて、DR-120WWY10SNTのほうですが、こちらは、なんの問題もなく認識されています。堅いぞ、DR-120WWY10SNT。

というわけで、DVD-Rにサンドペーパーをかけてしまうかも、という方はあまりいないでしょうが、DR-120WWY10SNTの耐久性は多いに評価できます。DVD-Rの保管にあまり気を使わなくてもよいというのもかなりのメリットになるのではないでしょうか。