テレビはやはり大画面という意見は正当です。しかし、あまり広くない部屋ではそうも言っていられません。実は、筆者の環境もそうで、現在使用しているテレビはフナイ製の14インチ。もちろんブラウン管で、チューナーは地上アナログ放送のみというものです。しかし、このようにAV機器関連の記事を書いている手前、さすがにこのままというわけにはいきません。
以前は、薄型テレビというと、ほとんどが大型モデルだったのですが、このところ、20V型程度の小型液晶テレビをリリースするメーカーが増えてきています。シャープのAQUOS LC-20D10、松下電器産業のVIERA TH-20LX70、東芝のREGZA 20C2000、SONYのBRABIA KDL-20S2500など、20V型クラスでも、複数のモデルの中から選択できる状況になってきています。
というわけで、筆者も、この中から1台セレクトすることにしました。東芝のREGZA 20C2000です(実はかなり気に入っています)。せっかく購入したので、ここで軽くレビューをしてみたいと思います(とはいっても、購入してまだ数日しか経っていないので、すべての機能を使いこなしているというわけではありませんが)。
REGZA 20C2000の外観と接続性
東芝のサイトによると、20C2000のデザインは「最小限の要素によりフォルムを構成することで、スリムかつスタイリッシュな設計を実現。従来のミニマルデザインのコンセプトに、新たに素材の“質感”を彷彿とさせるテイストを加えたことで、さまざまなインテリアとの自然な調和を達成」というものだそうです。
フロントパネルは樹脂製で、つや消しの上メッシュ加工です。アンダースピーカータイプなのですが、フレームとスピーカー部分との境目がなく、自然な感じがします。また、つや消しの黒は、映像を見る際に邪魔になりにくいようです。
フロントパネルの下にリモコンの受光部があります。この位置にあると、センタースピーカーをテレビの前に設置した際に、リモコンでの操作が妨げられるのではという心配があります。しかし、受光部を手でふさいでもある程度反応するので、スピーカーを置いてもなんとかなりそうです(その前に、これで5.1chを組むのかという問題はありますが)。
スイッチ類は右サイドにまとめられています。本体で操作できるのは、電源のオン / オフ、チャンネルのアップ / ダウン、音量の調節、入力の選択、放送の切り替えだけと、シンプルです。
おもな接続端子は、HDMI入力が2系統と、ビデオ入力が3系統。ビデオ入力のうち1系統はD端子での映像入力に対応しており、また1系統はS入力に対応しています。出力端子は、コンポジットのモニター出力が1系統と、アナログ / 光デジタルのオーディオ出力が1系統ずつです。また、Ethernetポートも1基装備しています。i.Linkが装備されていないという点は気になる人もいるでしょうが、まぁ、おおむね必要十分な端子が装備されていると言えるでしょう。
端子類は、右サイドと背面にあります。右サイドには、B-CASカードのスロットと、ビデオ3の入力端子、ヘッドフォン端子が装備されています。ビデオ3の入力端子は、標準ではゲーム用に割り当てられています。背面の端子は、ビデオ入力関係が左側に、そのほかが中央下にまとめられています。
アンテナ端子は、地上デジタル / アナログが1つのアンテナ端子から入力できるタイプです。地上アナログ / デジタルとで別の端子になったモデルをよく見かけますが(シャープのAQUOSシリーズなど)、それらに比べると、配線の手間は少なくなることになります。さて、背面下にまとめられたコネクタというのは、それ自体はよくあることなのですが、この20C2000は20V型という小型のテレビです。この位置の接続端子に、HDMIやネットワークケーブルなどを接続するのは、例えば、32V型程度のテレビなら問題なくとも、20V型といった小型のテレビでは、なかなか困難です。HDMIケーブルを挿す場合、コネクタの付け根部分を、かなり曲げなくてはなりません。固いケーブルを使用している場合には、この部分が干渉する可能性があります。それよりも、背面の下の方という位置に下向きにつけられているコネクタに配線するというのは、コネクタを視認しにくい上、非常に作業が困難だという問題があります。筆者は、無理な姿勢で作業をした結果、背中の筋を痛めました。
高い操作性とUI
現在、REGZAのラインナップはH3000 / Z2000 / C3000となっており、20V型と23V型のみがC2000シリーズとなっています。H3000 / Z2000 / C3000では「レグザ番組表ファイン」が使用可能です。これは、1,920×1,080ドットの品質で番組表を作ったもので、7チャンネル / 6時間の表示が行われます。C2000の番組表はここまで詳細ではなく、6チャンネル / 5時間の表示となっていますが、それでも、なかなか精細感のある番組表です。なにしろ20V型なので、これ以上細かくなると、今度は、視認性という問題が出てきます。筆者の場合、画面から2.5mほどの距離で試聴していますが、これより細かくなると、さすがに読みにくくなるでしょう(一応、視力は1.5あるのですが)。
この精細さは、例えば、レコーダーの番組表と比較してみると際だちます。同社のレコーダーVARDIA RD-E300の番組表は、900×600ドットで作られているとのことです(レコーダーの場合、必ずしもハイビジョンテレビに接続されるとは限らないため、あまり詳細なUIを使用することができないとのことですが)。REGZAの番組表からRD-E300の番組表に切り替えると、17インチのディスプレイに640×480ドットでDOS画面を表示させているような感覚を味わうことができます。
また、番組表を表示した状態でも、放送の種類を切り替える「BS-CS」「地上D-地上A」ボタンは有効なので、例えば、地上デジタル放送を見ているときに、BSデジタル放送の番組表をチェックするということも可能です。
REGZAシリーズのUIで、とくに便利だと感じられるのが「裏番組」ボタンの存在です。デジタル放送のチューナーを搭載したテレビの場合、どうしても、アナログ放送のチューナーのみのモデルに比べて、チャンネルの切り替えには時間がかかります。かといって、番組表を表示させるのにも、やはりそれなりに時間がかかります。この「裏番組」は、現在の番組を表示しながら、画面の下の方に、他のチャンネルで放送している番組の内容を表示させる、いわばミニ番組表のようなものです。現在の放送内容だけでなく、次に放送される番組も表示可能です。また、ここからチャンネルの切り替えや、視聴 / 録画予約なども可能になっています。デジタル放送のチューナーのチャンネル切り替えの遅さ自体は変わらないのですが、実際にチャンネルを切り替えなくても、ほかのチャンネルの情報表示が可能ということで、切り替えを行う頻度が下がり、遅くてもさほど気にならなくなります。なお、この「裏番組」ボタンを使用中にも、放送の種類を切り替えるボタンは有効です。
次回に続く。